2000年04月15日 Z1Rのフォークオイル交換

4月も中旬を過ぎると、東北地方もかなり暖かくなってくる。
3月までは晴れていても、帰る頃にはちょいと寒くて「もうちょっと着込んでくればよかった」と思うこともしばしば。

こないだ(4月22、23日)は長袖Tシャツに革ジャンでも、全然OKだった。
Days of Repair 読んでくれてるヒトは、みんなバイク乗りだろうから分かると思うが、バイクを運転して「寒い」と感じると身体がやたらと疲れる。

寒いと身体がこわばる。
こわばるということは、あちこちに力が入っている。
ということは、余計に筋力を使っている。
そんで疲れる…という流れだろう。
冬場に走って帰ってくると、ぶっ倒れそうになる。
単に運動不足てのもあるだろうが…

さて、今回の修理は…と書くと「こいつのZはボロボロだな」と思われてしまうか。
事実、この頃バイクに乗り始めたうちのバンドのボーカルに
「TAKEDAのバイクってよ、いっつもバイク屋で何かやってんじゃん。しょっちゅうぶっ壊れるんだなあ」と言われてしまった。
誤解のないように言っておくと、修理ではなく消耗品の交換である。

今回はフロントフォークのオイル交換。
ついでにエンジンオイルも交換。
以上。

別に変わったことは何もなし……と書くと、身もふたもない。
ホームページを見てくれたヒトから
「バイク初心者なので、TAKEDAさんの文章読んでても、何のことやらちっとも分かりません。つまんないです。もう来ません」
という感想とお叱りを頂戴したこともあるし(笑)。
でも「文字ばっかり多くて絵や写真が少ないです。疲れます」というヒトはもう来なくていいです。
一応、今まで文章書く仕事が多かったので、そーいうもんだと思うのね。

とか言うとイヤなヤツだからダメだな。
じゃあ字を読むのが苦手なヒトは、何となく眺めてくれ。

意味が分からんヒトは、できるだけ注釈を入れたりするんで、がんばって着いてきて!!

で、話を元に戻そう。
フロントフォークとは、自転車にもあるので分かると思うが、前輪を挟んでる二本の棒。
注射器というかピストンのような構造で、内部にバネとオイルが封入してあり、伸縮する。
この伸縮する動きが、衝撃を吸収するわけだ。専門的にはテレスコピックとか呼ばれているが、そんなことはどうでもいい。

「バネだけでなく、オイルも入っているの?」
と驚くライダーもいるかもしれない。

実際、フォークオイルの存在を知らないライダーもいたし。
オレだって昔はターボエンジンって「ポチっとな」とボタンを押すとブースターに点火して一気に加速するものだと思ってた。

ついでに言うとフォークの中にはオイルしか入ってないと思ってたし(笑)。
それじゃラジコンだっつうの。

車体が凹凸に乗り上げると、フォークが伸び縮みして衝撃を吸収するのは先にも書いた通り。
これがバネだけだと、細かく伸びたり縮んだりする。
ボールを地面に落とすと何度もバウンドするのと同じである。

1箇所の凹凸を乗り越えるなら、スプリングも1往復で伸縮するのが理想的。
オイルを封入してやることで、縮む時はサクっとバネが縮み、リバウンドする時はジワーっと戻るようになる。
何とも気の利いた話ではないか。

んで、なにゆえにオイルを交換するのか。
当然、オイルが劣化するからだが、何故そうなるのか。
こいつはバネが伸び縮みする際の熱が原因である。

熱というとピンと来ないかもしれない。
針金をあっちに曲げたりこっちに引っ張ったりすると、結構熱が出るのはお分かりだろうか。
つまりエネルギーが熱に変換されるわけだな。
コレも同じようなものだ。
それが日々繰り返されると、熱でオイルが劣化するのだ。

大体、オイルのリミットは1年間。
オイルを密封するためのパッキン(オイルシールという)は3年といわれている。
だが、オイル交換時にそれらも取り替えてしまうのがベスト。

と、えらそうに書いているが、今回もオレは手出しせず。
そういうメンドーな作業は全部Moto Garage WINDSの鎌田社長様にやっていただきます。
社長はフォークを外し、慣れた手つきで古いオイルを抜き取り、油面を調整。
Z1Rは441mmでしたっけ、社長?

サービスマニュアル、英語だから大変なんだよな。
でも自分でイジるヒトなんか、よく使うページに付箋とか貼り付けてるんだと思う。
あるいは自分なりにノートにメモしておくとか。
ちなみにオレは大雑把な人間なのでそんなことはしない。
Zに関して覚えているのは、タイヤの空気圧とエンジンオイルの量くらいだ。

社長がガッツンガッツンとシールを突っ込んでいる間、オレはオイル漏れっぽいエンジンのパーツを外し、地道にガスケット剥がし。
それすらも、ものの10分で「こんなのイヤだー!!オレにはできねえ!」と投げ出す始末。

となりでDT125Rのレストアしてたお客さん(しかも女性)に「ようよう、姉ちゃん。あんた剥離が巧いんだってなあ。どうだい、オレ様のパーツ、剥離してみねえかい?」とバトンタッチ。
仕事がなくなったオレはボケーっとタバコを吸ってみたりした。

女性の手すら煩わす、このZ1R!!
何て極悪非道なバイクなんだ。
この時ばかりは、さすがのオレも旧車の恐ろしさに背筋が凍る思いだった。

結局この日オレがやったのは、ドレンボルト抜いて突っ込んだだけ。
みなさんはこのワタクシを反面教師として、しっかりと愛車を整備してあげてください。 

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