TM-MJN 装着

あの衝撃的な走行会より1ヶ月…
振り返ってみれば、もっと攻め込める気もしたし、かといってそこまでの度胸はなかっただろうし…
いや、そうはいっても昔はもっともっとビビリながら走っていたのに、それよりも悪い結果なんて(以下略)…

てな具合に悩んでいたわけですが、結論としては「ラクして速くなろう」ということになりました。
なかなか健全ですよね。
となればね、やるべきことは決定。

「時間が許す限りバイクに乗る」なんてカッコつける余裕はございません。
「金が許す限り、パーツを買う」ことになりました。

とはいえ、5年くらい前は放浪者のオレも、今や所帯持ち。
どっちの選択肢もないんだけどね…
前にも「何かカスタムしたいぜ!」とかいってキャブを探したんだけど、高いの何のって。

いろいろ考えたよ~。
まずは安いCR、もっと安くてポンづけ油冷GSXRの純正キャブ、あるいはピッチを変更した怪しいCVKなどなど…
あっちこっちツテを頼りに探してはみたものの、結局見つからずじまい。

ちなみに負圧キャブ(特にスズキ純正)はお金のないオヤジチューンなんて呼ばれているけど、結構セッティング出すのが面倒臭いらしいです。定番だったりするんだけど…
とどのつまり、苦労の割には社外品強制開閉キャブの方が費用対効果が大きいってのもあるし…


時々ヤフオクで探したりもしてたけど、あっという間に予算オーバーで入札すら出来ない有様。
「どーすっぺなー(ここら辺の言葉で『どうしたらよいのでしょう』の意)」と考えてたら、偶然インターネットオークションでTMのMJN仕様が出てたのよ。

「MJNっていやあ、ヨシムラじゃん。へえー」
MJNってのは、マルチプル・ジェット・ノズルといいまして…まーとにかく画期的なシステムなんですよ(笑)。
つーか、ここを読んでる人たちは、みんなそこそこ知識あるでしょ?
それじゃダメ?



ですから、こういうことなんですよ。
キャブは燃料と空気をスプレー状にして、エンジンへ送るための部品でしょ。
仕組みや用途は別として、キャブレターというものは、長いノズルのついたスプレーだと思って下さい。
使う時は当然、先端の一箇所だけからシューっと中身が出ますよね。

ところがMJNはノズルのあちこちに横穴がついております。
てことはですよ、スプレーのボタンを押すと、あっちこっちから中身が噴射されるわけなんですね。
拡大すると、こんな感じです↓。

ホラ、あちこちからプシューっと噴射されてるでしょ?
つまり、より多くの燃料が霧状になってエンジンに送り込まれるって訳なんです。
そのおかげで、パワーが上がり、レスポンスがよくなり、セッティングが楽となり、おまけに環境にやさしいときたもんだ。
詳しくはヨシムラのサイトを御覧下さい。


普通のTMキャブに、ヨシムラさんがこんなパーツを組んだわけですよ。
今はTMRにラインナップされてます。
あっちは、黒いボディに『ヨシムラ』とロゴが誇らしげに輝いてますが、こいつは外観は普通のTM。
控え目でちょうどいいかも。

とにかく、そういう高性能キャブなんで「きっと落札は出来ないだろうなあ」なんて思ってたのね。
だって、普通に買ったら結構値が張るのよ。
例えば、ミクニのノーマルTMRが実勢価格で10万~12万円なら、TMR-MJNは17万円くらいするんだから。

ところが、あんまり入札するヒトがいなくて…多分、40パイだからってのもあったんだろうけど。
オレも「ちょっと40はデカイかなあ」と気になって、いつもお世話様のZ’sわたなべさんに問い合わせたところ「MJNなら、まあ大丈夫でしょう」という話だったんで、半ばご挨拶程度に入札。

ちょこちょこと小競り合いはあったけど、運良く落札。
オレも驚いたけど、送料込みで福沢先生が3名程度でおさまりました。
きっと終了時刻が夕方早い時間帯だったから、入札したくても出来ないってヒトが多かったのかも。


しかし、実際に装着…となったのは、それから半年も経ってから(笑)。
ずばり3月に入ってからです。
いやね、そうこうしているうちに冬が来ちゃって、バイクなんて乗れなかったのよ。


3月のある平日、日祝日も頑張って働いたおかげで晴れて代休を獲得。
ツマもセガレもお出掛けしてたし、天気もよかったのでWINDSに連絡。
お昼頃に店へ向かうと連絡。

マシンを出していつものように押し掛けでエンジンをスタート(笑)。
ちょっと走った先でアイドリングしてやる…が、どうもゲホゲホと咳き込むような感覚が伝わってくる…
なんて思った途端にストール。
いつもなら、そこから復活するんですが、今回はまるでダメ。




これっきりこれっきりこれっきりも~お♪これっきりーですかあ♪




ウソじゃなくて、ホントに聞こえてきたから(笑)。
ちなみに、雪道でスピンした時の音楽はスケーターズ・ワルツですが。
セルは電力不足で回らず。いつものように、仕方なく押し掛けするも、全然かからない。
まるでガス欠状態。

「とか何とかいって、ガス欠っていうオチ?」
しかし、燃料コックはONになっている。
だって、冬眠前にタンクがサビちゃいけないってんで、満タンにしておいたのよ。
もちろんキルスイッチだって入っているはずがない(少なくとも数百メートルは走ってきたんだから)。

とにかく、工具のあるアパートまで戻るしかない。
アパートまでは車で数十秒。歩いたって、何分もかからない。
晴れた日には、いい散歩道である。

ところがねー動かなくなったZは重いのよ。
悪いことは重なるもので、タイヤもいまいちエア不足だってんで、さらに重く感じるという…


その日は結構寒い方だったのに、汗だくになって押したよ。
その間何度かまた押し掛けにチャレンジして、結局かからなくて。


32歳にもなって、オレは何をやってるんだろう。
こんなんだったら、ちゃんと整備しておけばなーと後悔したりして。
こんな風になるため、日曜日に仕事したんじゃねーぞ!とか怒り出したり。

そうこう考えているうちに、途中から泣けてきそうになって(笑)。
道行く人々もオレの顔見て「ああ、何だか大変そうだけど、何もしてあげられないのよ…」という感じだし。
学校サボってフラフラしてる高校生どもは、オレの形相をみて「うう、かかわらねえ方がいいな」なんて顔してるし。


で、30分くらい掛けて家に到着。
この時は、トリビアの泉に応募しようかと思ったよ。




「動かないZ1Rを400m押して歩くには……30分かかる」




個人的には「20へぇ」、トリビアの種なら、満開。
もう、今まで家に帰ってきたってだけで、こんなに幸せだったことがあっただろうかってほど嬉しかった。
リビングに入った途端に倒れたよ。
本当に、もう何もする気がなくなって。
クソ寒いのに、Tシャツなんて絞れるくらいの汗でズッシリと重くなっていたという…

「あーもーTVでも観て、ゴロゴロするかー」
なんて思ったけど、平日休みなんて後いつになるか分からないし、土日祝日は家族サービスが控えてるし…
おとっつぁんとしては、頑張るしかないのよね。


「指輪の重荷は背負えなくても、あなたは背負えます!」
と、フロドを背負うサムのように立ち上がる。あのシーン泣けるんだな~。
 
あ、ところで指輪物語…ロード・オブ・ザ・リング観ました?
王の帰還、二回ほど観ましたが、もうね…泣けて泣けてしょうがなかったッス。
特にピピンとメリーが別れる時、メリーがピピンに上等のパイプ草を渡すでしょ?
無愛想に「もう自分のはないんだろう?」とかいって。
すでに、序盤で大号泣でしたから。
 

話はそれましたけど、それくらいの意気込みで起き上がったのヨ。
タンク、プラグを外して、とりあえずあちこちをチェック。
まずはプラグから。
どうもカブっているせいか、ずいぶん湿っている。
おまけに真っ黒。

トラブルが電気系統かもしれないってんで、ダメ元でプラグをワイヤーブラシで徹底清掃。
地金が見えるまで磨いてやる。
休憩中に再充電しておいたバッテリーをつなぎ、天にも祈るような気持ちでセルを回す、とあら不思議。
一発でエンジン始動したじゃありませんか(笑)。

もーこうなりゃ停まらないうちに走るしかないと思いながらも、またいつ停まるか分からないのでアパートの周囲をアイドリングを兼ねてグルグル回る。

スロットル全閉でも回転数が安定したので、後は一気にWINDSへ直行。
よせばいいのに、店の近くで郵便局に立ち寄ったら、今度こそエンジンがかからなくなってしまった。
おまけにキャブからはガソリンがダダ漏れ。
近くでタバコを吸ってる人がいたら、大惨事になるくらいのイキオイだもの(涙)。
仕方ないのでWINDSに泣きを入れ、カマタ若社長に牽引してもらうハメに。

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