ちょっと前にヘッドカバーガスケットを交換したZ1R。
純正部品よりも安かったというのと、後のガスケット剥がしが楽そうだったので選んでみた。
ところが、最近、オイル滲みが顕著になってきた。
場所は、ちょうどプラグカバー(半円の形したゴムのパーツ)の辺り。
まあ典型的な場所、典型的な症状ね。
シリンダーガスケットが突き抜けて、白煙モウモウでぶっ飛ばした経験があるので、滲みくらいカワイイものだけど、ちょうどプラグカバーの辺りは膝の内側が当たるのでズボン(死語)が真っ黒になるんですよ。
「ニーグリップなんてしてるの?」って驚かれそうだけど、ニーグリップしないとコーナーリングで車体をコントロールできないでしょ?
ちなみにオフ車でも基本姿勢はニーグリップね。
こりゃあ、またもガスケット交換かあ…面倒くさいな。
と、頭を抱えていたら、いつもお世話になっているMOTO GARAGE WINDS(仙台市・太白区)から
「これを使ってみなはれ」
とWAKO’S のQ-FIX(クイックフィックス)を教えて頂きました。
正直、この手のケミカルは、あまり信用していなくて、過去にもエンジンオイルに混ぜて使う、だとか、外側から塗る、だとか試したことがあったけど、ちゃんと効いた試しがない。
半信半疑ではあるけど、せっかくなので使ってみましょう。
まずは、オイルが漏れていると思われる箇所をしっかりと洗浄、脱脂。
何度もウェスの面を変えながら、汚れがつかなくなるまで徹底的に。
ここをパーフェクトにやらないと、後の施工に響くので、しつこいくらいに洗浄します。
脱脂と乾燥が終わったら、いよいよ施工開始。
ノズルを本体につけて、まずはテスト。
ここで問題発生。
個体差なのか分からないけど、ノズルのボタンが本体にうまく刺さらない。
なんていうのか、浅い、というのか…脱落しないように注意が必要(多分、もう少し強く押して入れるのかもしれません)。
気を取り直して、施工開始。
どういうタイプの薬剤なのか分からないし、なにしろ40mlという少ない量。
少しずつボタンを押してやる。
するとブシュブシュブシュ…と、粘度の高そうな泡状の液体が出てきた。
施工箇所に着くと同時に揮発が始まり、その場に留まろうとする。
が、やはり重力には勝てずに下に流れていく。
この「流れる」「留まる」の間を狙って流すのが、非常にテクニカル。
「うまくつけないから、もう少し重ねよう」と思ったけど、ここはいったん引く。
最初に着けたところが、やや乾いてから重ねた方が無駄にならない。
そうはいっても、力加減が相当難しい。
ロスが出るのを見越してやるしかないのか、うまいことマスキングして、施工面に滞留するようにやる方がいいのか…正直、この辺りは手探りでした。
カムカバープラグは4か所あるので、1か所ずつスローペースでやっていく。
でも、やっぱりタレてはきますよ。
ガスケットの合わせ面を青空に向かってやらない限り。
タレてしまった部分は、生乾きのうちはパーツクリーナーを含ませたウェスなどで拭いてやると、木工用ボンドのようなゲル状のまま取り除くことができる。
一昼夜おいた状態。
施工後、火を入れていないので、当然ながら浸み出しは皆無。
ウェスで拭き取っても、何もつきません。
触ってみると、すっかり硬化しているようだけど、やや弾性が残っている。
まさに木工用ボンドのような感じ(笑)。
見た目は正直随分とアレな感じだけど、どう頑張ってもこういう風になってしまう…
とりあえず、どんなものか少し走ってみる。
アップダウンあり、低回転、高回転、加速、制動が安全に出来る田舎道を選んで、テスト走行。
オイルが十分に行き渡り、エンジンが完全に暖まったのを確認してから何キロか走ってみる。
少し回し気味で走ってみて、帰宅。
おそるおそるヘッドを確認。
塗布されたクイックフィックスは、若干柔らかくなっているけど、ヘッドの熱でもそれほど変成した様子はない。
ウェスで拭いてみても、新たな滲みが発見されない。
本当に拭いてるけど、キレイなもんです。
正直、ここまで効き目があるとは思わなかった。
これ以上になると、どうなるのか分からないけど、初期の滲みというか、漏れには相当力を発揮するのではないかと…
仕上がりを重視するなら、ちゃんとマスキングした方がいい。
あと、逆さ吹き、へたすると横吹きしようとすると具合が悪くなるので、なるべく缶は垂直にして施工した方がいいでしょう。