2025年05月26日 Z1Rで星空を見に行くツーリング:岩手県遠野市・早池峰山

ぶらりバイクの旅

今回のコンセプトは、ふたつ。
1.キャンプ場には日中に到着、ゆっくり過ごす
2.星空を見たい

1を満たすには、出る時間を早くするか、近いところに行く。
2は人里離れた場所か、あるいは高原などの高い場所にテントを張る。
というわけで、近場の山へ行くことにした。

選んだのが、早池峰山の麓にあるタイマグラキャンプ場。
住所が宮古市だったので「山なのに?」と思ったが、川井村が宮古市に合併したらしい。

今回の装備

今回、1泊で近場のツーリングだが、フル装備。
写ってないけど、これにタンクバッグを載せる。
買ってよかったのが、後ろにドンと載ってるTANAX キャンピングシートバッグ2

昔、適当な旅行カバンに全部詰め込んでツーリングしてたので「こんなの要るのか?」と思っていたけど、実際に使ってみるとかなり便利。
ハーネスとバックルで確実にホールドできるのと、バイクに積んだままでメインのフタからもサイドからもバッグの中にアクセスできる。
脇のファスナーを開くと75リットルまで入る。
シートバッグに入れるのは、シュラフ、テント、着替えなど。

じゃあ、振り分けバッグには何を入れてるのかというと、ストーブやクッカーなどの調理関係品。
ペーパータオルや洗剤などもここに入れている。

シートバッグに納まらないのか?
と悩むところなのだが、スペースを陣取っているのがシュラフ。
そして、新兵器?のチェア。

要らなかったわけじゃないけど、収納性がよくないんじゃないかと敬遠していた。
セットで4000円くらい、思わず飛びついてしまったが、やはりあまり小さくならなかった。
アウトドア チェア 2WAYという商品だが、面白いのが高さの調整ができること。
通常の椅子としての高さだけではなく、座椅子みたいにもなるから、グデーっとくつろぎたい時は役に立ちそう。

あとは最近楽しい「焚き火」が荷物を増やしている気がする。
焚き火台と防火シートは焚き火台の収納袋に納まるが、薪を割りたくなった時には斧がいるし、折り畳みの炭火台などもスペースを食っている。

前にも書いたけど、10日くらい北海道ツーリングへ出かけた時はシュラフが夏用で小さかったとはいえ、テントも着替え(たしか3日~5日分)も、全部ひとつのバッグにまとまっていた。
普通、経験を積んでいくと荷物は少なくなるのに、だんだん増えているという不思議。
言い訳するわけじゃないけど、悪いことばかりじゃない。
振り分けバッグにも荷物を入れることで重心がいくらか下がるし、転倒した時のバンパー代わりになる。
これは、オーストラリアを走っていた頃、何度か倒してるので実証済み。

お約束のトラブル発生

遠野までは3時間ちょい、と余裕かまして9時半頃に出かける。
が、数キロ走ったところで、どこかの気筒が不調。
もう何十年と付き合ってるから分かるが、プラグを外すと真っ黒こげになってるパターンだ。
急いで家に戻り、プラグを外すと4番だけ真っ黒に。
なんだろね。
そういえば、こないだオーバーフローしてたけど、それが原因だろうか。
とりあえず、付着したカーボンを真鍮ブラシで磨くという昭和の技で応急処置。
これでも再度ダメなら、前みたいにメインジェットかメインジェットのホルダーが緩んで脱落しているか、何らかの原因で燃料がそこだけジャブジャブ流れているんだろう。
スロー系の調整でも同じだけど、ダメな時は少し走っただけで真っ黒になる。
おそるおそる自宅を再出発、5km走ってダメなら中止かZZRで行くことに。

ちょうど数キロ先にコンビニがあるので、そこで再点検。
煤はぜんぜんついていない。
ちょっと気持ち悪かったけど、もう少し先に進んでみる。
10km地点でも、吹け上がりも悪くないし、ラフにスロットルを開け閉めしてもゴボゴボいわずについてくる。
インジェクション車の人たちは、なんのこっちゃ分からんよね(笑)。

予定よりもだいぶ出遅れたが、とりあえず岩手県を目指して走る。
目指すルートはいくつかあるのだが、どこかのんびりと、景色が開放的な国道346号線を進みながら国道456号線へと移る。

ガクガクブルブル

天気はそんなに悪くなかったのだが、どうも風が強い。
バイクに乗れば、自動的に向かい風だから関係ないんじゃないの?
と思うかもしれないけど、これが結構効いてくる。

当日の服装はTシャツ、フリース、革ジャン。
ボトムは念のためLeeの冬用デニム。
いったん帰宅してプラグを外してる時は汗も出てきて「5月も終わりなのにフリースなんて」と思ったが、着替えなくて大正解。
暑さや寒さは個々の感覚でだいぶ違うだろうけど、降水確率0%、雲ひとつない高気圧に覆われない限り、防寒は必要。

道の駅遠野風の丘

本来なら遠野には昼頃に到着、そこで軽く昼飯でも食べようと思ったのだが、昼頃に到着したのは登米市の道の駅林林館だった。
菓子パンを頬張り、缶コーヒーを飲んで先を急ぐ。
で、遠野に到着したのは2時を回ってから。
遠野でやることは、食材の買い出しと給油くらいだったのだが、何しろ寒くて仕方ない。
このままじゃ夜が越せない、としまむらでパーカーを購入。
レジ袋が要るか聞かれたけど、今すぐ着るからタグ取って下さい、だよね。
それから、スーパーマーケットのキクコーストアで食材調達。

さすがジンギスカン消費量随一の街。
オーストラリア並に羊肉の種類が豊富。
ジンギスカン鍋が主流のせいか、ラムチョップは無かった気がする。

給油も済ませ、ここから国道340号線を北上すると45分くらいで目指すキャンプ場へ到着する。

こんな感じ。
非常にシンプルで分かりやすい。
が、今日はあえてツーリングマップルオススメルートを行くことにした。

ルート生成には苦労したけど、こんな感じ。
距離はほぼ同じなのに、3倍もの時間がかかる(笑)。
おまけに道が分かりづらい。
まずは、国道396号線に入って、綾織郵便局のある交差点を曲がって北上。
すると、県道160号線にぶつかるので右折。
道なりにしばらく走り、猿ヶ石川を渡り、附馬牛郵便局、アポロのガソリンスタンドを過ぎたら、駒形神社のある交差点と出会うので、そこを左折する。
道路の右側ちょっと先に「11.1km 荒川高原牧場」「2km駒形神社」の看板があるが、曲がるのはその手前です。
できれば、交差点の手前に看板を置いてほしいところ。
ここまできたら、あとは道なりにどんどん登っていけばよい。

ちょっとしたホラー

広い道ではないけれど、両側に田畑や森が広がるのどかな風景だ。
やっぱり、こういう誰も通らない道っていいよね、と思いながら走っていたら、突然、トンビ?みたいな猛禽類が、すぐそばを並走するように飛んでいく。
え?なに?エモいんですけど?
時間にして、ほんの数秒だったけど、なかなか感動的だった。
ちなみに、どこだったか忘れたけど、今回も「生のタヌキ」に遭遇。
頼むから、あちこちで轢死しないでくれよ。
荒川牧場に到達する頃には、高い山々が目に入る。
ちょうど高齢者が運転する軽自動車に追いついてしまったので、いったん脇に寄せて写真を撮影。
数枚、撮影したら、また走り出す。

また、追いついちゃうな。
どこかで、抜けたらいいな。
なんてこと考えて走っていたが、軽自動車に追いつくどころか、後ろ姿さえ見えない。
脇道に逸れたにしても、遮蔽物のない高原ならば見えるはず。
結局、走っても走っても追いつくことは出来ず、やがて下り道に差し掛かった。
いったい何だったんだろう。
やはり、遠野には何かがあるのかもしれないね。

高原から北の下り道は、ほとんど使用されていないのか、落ち葉や枝がたくさん落ちて堆積していて、ややスリッピー。
おまけに山から染み出した水がちょっとした川のようになり、林道ではおなじみの洗い越し状態になっている箇所もある。

いつもと同じペースで走ると、フロントを持っていかれ、気づくとアスファルトに突っ伏している、という状況になりかねない。
ライディングはたいくつかもしれないけど、路面状況、対向車をよく見て走るのが吉。

タイマグラキャンプ場

トラップ盛りだくさんの峠道を抜けて、本日のお宿、タイマグラキャンプ場に到着。
鬱蒼とした木々から、突然、広い芝生が現れ、ちょっと驚いた。
受付は、キャンプ場の斜め向かい、山側にある早池峰山荘で。
料金は2025年5月時点で一人1000円(テントサイト利用料500円+宿泊料500円)。
平日だったこともあり、宿泊客はほとんどおらず。
先に来ていた常連風のお客さんから「せっかくだから、真ん中にしなよ」と勧められ、お言葉に甘えてみた。

平日だから許される暴挙(笑)。
実際、遠慮しても誰も得しないしね。

芝生エリアから下がったところには渓流があり、そこにテントを張っている人たちもいた。
どうやら魚も釣れるらしく、ガチな感じで釣っている人もちらほら。
ここから30分ほど走ったところに温泉があるのだが、今日はもうどこにも行きたくなかったので、道の駅で買ってきたご当地ビールを開けてみる。

ジンギスカンに合うと言われたら買うしかないでしょう(笑)
普段は絶対に食べられない高級ソーセージ。ビールを冷やすため!と自分に言い訳

深々と椅子に身体をうずめるように座りながら、ソーセージを焼き、ビールを飲み、羊肉を焼き、ビールを飲み、ホルモンと野菜を焼き、ビールを飲む。
周りのキャンパーたちの話し声もほとんど聞こえず、耳に入るのは、鳥の声と川のせせらぎだけ。
かなり贅沢じゃないだろうか。

タイマグラキャンプ場、人里離れた山奥のキャンプ場だけど、トイレもキレイで毎朝掃除に来てくれているし、早池峰山荘でシャワーも利用できる。
そして、ここに来た大きな目的の一つは、星空観察。
曇天模様だったので、少し心配はしていた。

あまり天気も回復しなかったので、あきらめて就寝。
が、夜中に起きたらなかなかの星空。

iPhone12のカメラでも、ここまで映った。
じゃあ、マニュアル撮影ができるXperiaだったらどうなるか?

こんな感じだった!

時折、高高度を通り過ぎる航空機が見えることもあり、最高でした。

遠野から釜石への道

素敵な夜空を堪能したけど、夜は寒かった。
物凄く寒かったわけではないが、山間部の気温差にやられたといったところか。
やっぱり30年物のシュラフはどうにかしないとイカン…といいつつ、まだ手が出ない。

キャンプ泊の朝飯は、昔から割と適当というか、朝に洗い物や片付けをしたくないので基本的にカップ麺や菓子パンなどで済ませるか、食べないことも多い。
夜露と芝生からの湿気がすごかったせいで、フライシートの裏側も結露していた。
だだっ広いキャンプ場の場合は、フライシートを外して天日干し。
テント本体の床面もだが、できるだけ乾燥させてから収納する。
あとは、来た時よりもキレイにして帰る。

撤収とパッキングが終わったら、ルートを確認して出発。
キャンプ場を流れる川に沿うように、県道25号線を東に進む。
ほどなくして国道340号線に合流するので、南下する。
釜石へ抜ける道はいくつかあるのだが、ツーリングマップルが推してるルートは、県道でもないマイナールート。
地図で説明すると、県道26号と県道35号の間、いくつかある牧場の間を縫うようにして走る「大槌街道」を走るルート。
これが本当に分かりづらい。
多分、こんな感じ。

国道340号線から入る場合は「貞任」「山口」へ向かう看板が目印。
曲がってから少し走ると、こんな看板が。

「遠野物語」の舞台になったのが、まさにこの辺り。
なかなか怖い感じの絵が…
こういうのは独りで見て周ると怖いので、とりあえず海を目指す。

この日は昨日と打って変わって晴天。
太陽がちゃんと出てると、気温が同じでも体感温度が全然違う。
峠道をぐいぐい登っていったら、途中で工事車両が停まっている。
とんでもなく大きく長い物を積んでいるから、何だろうなと見上げたら組立前の風車の羽だった。
多分、10m近くあったんじゃないだろうか。

街道を降りた後は、釜石市の半島を走ってみることに。
これもツーリングマップルの推しルートだ。
最初は県道249号のワインディングに挑戦。

北からの道はまあまあよかったけど、途中からまたも落ち葉や枝が堆積した、超マイナールートに。
荷物のない状態かオフ車だったら楽しいかもしれないけど、初見+荷物満載で攻めるのはキツすぎた。
タイマグラキャンプ場へ向かう道と同じように、落ち葉や枝、ところどころに落石が落ちていた。
軽量車、荷物無しでヒラヒラ走るなら面白いのかな。

もうひとつの県道250号ルートの方が、道幅も広くて開放的。
切り立った崖からの眺めも迫力満点。
ただ、このルートも場所によっては路面コンディションが悪いところもあるので要注意。
ちなみに、路面が2本ともかなり荒れてたので、リアを多用してみたら、峠道を降りたところでベーパーロック(笑)。
あまりのスカスカ具合に、マスターのOリングが破断したのかと思った。

まだ日も高かったが、今日のツーリングはここでオシマイ。
三陸道に乗って帰宅。

恒例のビフォーアフター。

おまけ ホラーの続き

最近、走行中に動画を撮影して、それを切り貼りして載せている。
今回もちゃんと撮影したのだが、先に書いた軽自動車、これを確認しようと動画編集ソフトのビューワーで見ていたら、突然ビューワーの画面が消えてしまった。
SDカードを確認しようとしたら、エラーが出てフォーマットせよ、とのこと。
カメラに戻しても、ほかの機材にカードを入れてもダメ。
何なんだ、いったい?もしかした、確認されたくなかった?
走行中の写真が全くないのはそういうことです。

職場でそれを言ったら「初日、キャンプ場に行く前に写真を撮らなかったら、きっと軽自動車の姿をした「なにものか」に別世界へ引き込まれたのかもしれませんよ。
あそこで写真を撮影したから、留まれたのかも…と思ったら怖いですよね」
と、恐ろしいことを(笑)。