十和田湖の朝は久しぶりの氷点下

ソロキャンだと就寝も早いので、必然的に朝も早くなる。
どれだけ寒かったのか、これがすべてを物語っている。

ツーリングでバイクのシートに霜が降りたのは、エアーズロックでテント泊して以来。
あの時はとてつもない寒さに眠れなかったが、ISUKAのポカラXはすごい。
エアマットの位置がいまいちで目が覚めたことはあったが、基本的にぐっすり眠れた。
悪いことは言わないから、寝袋で迷っているならポカラXにしなされ。



十和田湖は時間帯によって大きく景色を変える。
急ぎの旅でないならば、日の出前から日が完全に登るまでの景色を楽しみたい。
普段なら朝飯も何かしら作るところだが、通行規制時間になる前に奥入瀬渓流を走りたい。
コーヒーを淹れて、バランスパワーをかじって朝飯は終了。
ちなみに、コーヒーだけは少し贅沢に。
近所のコーヒー豆専門店から購入したコーヒー豆をセルフでドリップパックに。

奥入瀬渓流

キャンプ場から奥入瀬渓流の入り口(子ノ口)まではバイクやクルマなら10分とかからない。
ただし、さっきも書いたように時期によっては交通規制がある。
詳しくは、奥入瀬渓流エコツーリズムプロジェクトのサイトで事前に確認を。
奥入瀬渓流は、ざっくりいうと十和田湖に流れ込む奥入瀬川のラスト10kmくらいの区間。
渓流や川沿いにつくられた道は珍しい存在ではないが、わずか10kmの間に同じ流れとは思えないほど多くの顔を持っている。
以前もこの道を走ったことがあるが、十和田湖から青森港始発のフェリーに乗るため爆走したので景色を見る余裕はなかった。


こんな風に静かな流れもあれば、轟々と音を立てて流れる箇所もある。



今回は贅沢にも規制区間を往復。
十和田湖を一周するように走りながら田沢湖キャンプ場を目指そうと思ったのだが、十和田湖の北側、岩木山展望所のあるあたりが降雪のため凍結している可能性が。
なので奥入瀬渓流を見た後は宇樽部キャンプ場に戻るようにして国道103号線に合流、そこから田沢湖キャンプ場を目指すことにした。
道の駅おおゆ

十和田湖から30分ほどで鹿角市に到着。
いったん道の駅おおゆで休憩することに。
駐車場に入ると「左多六神社」のノボリが。

中に入ったら、たしかに小さいけど神社がある。
左多六神社、いったい、どんないわれの神社なのか。
かいつまんでいうと、こう。
江戸の頃、ここらに左多六という凄腕の猟師(マタギ)が住んでいた。
あまりにもすごいものだから、殿様から全国どこの猟場でも狩りが出来るライセンスをもらった。
ある日、藩を越えて狩りをしていたら、連行された。
その日はたまたまライセンスを持っていなかった。
一緒に狩りに出ていた犬が家にライセンスを取りに戻るも、時すでに遅し、左多六は処刑。
主を失った犬はいつまでも悲しげな声で鳴いていた。
てか、そんなにすごい猟師なら「あ!左多六さんすよね!サインください!」とかなるんじゃないの?
さらにいえば、当時の猟師が狩る獲物は、ともすれば資源みたいなものだから、いくら殿様でもよその藩の資源を採集する許可は出せないんじゃ…?
トランプ大統領だってメキシコ行って何でも強奪してきていい、とか許可出したら国際問題になるでしょ?
昔話とか寓話って理不尽な展開が多いから、なんかいつもモヤモヤするのよな。
国道341号線からアスピーテラインへ
去年も走ったルートを逆走するように鹿角から田沢湖キャンプ場を目指す。
米代川と熊沢川が交差する国道341号線の起点から、田沢湖の目の前までは信号がない。
ツーリングマップル的にいえば、まさに快走路。
走ってみて気づいたのだが、田沢湖から鹿角に向かうよりも鹿角から田沢湖に向かって走る方が景色が良い。
ご機嫌でアスピーテラインからの八幡平を目指していたのだが、何とここで悲しいお知らせが。


本当に通行止めになるほどの積雪だったのだろうか?
と、疑いたくなるような青空だったのだが、実は341号線もこんな感じ。

しばらくこんな道が続いており、凍結してたらアウトだ。
調子こいて転倒しないよう、細心の注意を払いながらコーナーをクリアする。
峠道を降りていくと、次第に寒さも和らいできた。
途中でオーバーパンツと冬用グローブを脱ぐ。


途中、美味そうな湧き水を発見。
ここでしばし休憩してから田沢湖へ向かう。


田沢湖キャンプ場

昨年も宿泊した田沢湖キャンプ場。
田沢湖をぐるりと取り囲む県道沿いにあり、湖には面していないものの、キャンプ場から渡ってすぐのところにある。
チェックインが14:00からだったので、湖を一周してみる。
田沢湖もまた場所によって景色が大きく変わる。
レンタルサイクルで一周するのもよいかと思う。

そろそろ腹が減ってきたので、周辺でランチが取れるところを探してみる。
訪れたのがキャンプ場からほど近いcoffee&gallery zawazawaというカフェ。
本当は別のお店に行こうと思っていたのだが、店の前に「熊うどん」と書かれたのぼりを見つけて急停車。
昔、北海道ツーリングしてた頃もよく食べていた熊肉料理。
今回はタフなツーリングだったので熊肉で栄養補給。

これが熊の角煮うどん(1,300円)。
臭みもないし、本当に美味かった。
熊肉料理に舌鼓を売っていたら、キャンプ場から電話が。
何とキャンプ場敷地内にクマもしくはイノシシの足跡が見つかり、テントサイトは利用不可に!
ガビーン!
このご時世だし、リスクマネジメントとしては適切な対応なんだろうけど、泊まれなかったら宿無し?
いや、近くに無料の野営場もあるはず…だけど、さすがにそこは怖い。
だが、キャンプ場から「バンガローなら宿泊できますがどうしましょう?」と提案される。
いやもう寝床だけ確保してくれるなら、何でもありがたいです~!
というわけで、多分、超久しぶりのバンガロー。
最後にバンガローに宿泊したのは、25年くらい前。
北海道は稚内あたりでとてつもない大雨であちこちの道路が冠水、出発して30分くらいでギブアップしてバンガローのあるキャンプ場に避難したのだった。


まさに「ありがたや!」な雰囲気のバンガロー。
ブルーシートが邪魔ですね。
電気もつく、雨が降っても関係ない。
ありがたいことこの上ない。
ありがたいといえば、キャンプ場内のトイレ。
便座は暖かいし、ウォシュレットも完備。
露天風呂水沢温泉

去年は慌てて入った水沢温泉。
露天風呂からは田沢湖が一望できるはずが、すでに陽が落ちてからだったので何が何だか分からず状態。
今年はゆっくりと堪能。
風呂場は同じだけど、浴槽が「温いお湯」「熱いお湯」に分かれているのが親切。
交互に入りながら、ゆっくりと疲れを癒しました。
温泉からの帰り道、スーパーで食材を買い込み、タンクバックひとつになって軽くなったZ1Rでクルージング。
オーストラリアで放浪生活していた頃は14時くらいに次の街に着き、荷物をおろしてテントを建てたら、夕食の時間まで周囲を走り回るのが基本。
このルーティンだと身体も疲れないし、訪れた街を楽しむ余裕もある。

今日は田沢湖に落ちる夕日がメインイベント。
キャンプ場のスタッフも、今シーズンファイナルともいえる夕日を撮影していた。


本日の夕食。
BBQとアクアパッツァ風のスープ。
バンガローとはいえ、食い物系のゴミは放置はできない。
食べ終わったらゴミは指定場所へ。

昨日の夜が2528km、本日が2733kmなので約200km。
連泊の時は、このくらいが丁度いいね。
