唐突だけど。
サービスマニュアルによればフロントフォークのオイルって1万キロごとに交換するんだって。
シールからフォークオイルが漏れたり、何かしら不具合がないと変えないのよね。
あと、明らかにダメになってきたな、と気づきのあるバイク。
これは「やらなきゃな」となるんで。
Zは不具合が出るところはすぐに対応するんだけど、大丈夫なところは割とスルーしてる。
それでも乗れるしね。
オーバーホールに必要な部品
1.フロントフォークシール
純正部品のパーツナンバー:92049-1216 1個1258円。
ふたつ必要なので2516円。
一方、PMCのシールセットは2個で1100円。
※すべて2025年12月ごろの価格。
ご存知の通り、純正部品はこれが株価だったら驚きの値上がりっぷり。
社外品もいずれ値上がりもしくは廃盤になる可能性大。
2.フォークシール ワッシャー と サークリップ
純正部品 ワッシャー:44043-044 1個341円(2個必要)
純正部品 サークリップ:44044-012 1個1549円(2個必要)
サークリップが異様に高額。
この辺、36πの他車種流用でいいんじゃない?と思ったりもするけど。
PMCのフォークシールストッパーセットは1650円でお得感あり。
3.フォークシリンダーボルト
純正部品:44041-040 1個341円(2個必要)
8mmのキャップボルト。
ナメてボルトが抜けなくなる事例の対策品として、ボルト穴が深いステンボルト(社外品)も販売されているけど、2695円と高額。
4.ワッシャー(ガスケット)
純正部品:44045-057 1個275円(2個必要)
上記のボルトに使用する銅ワッシャー。
5.フロントフォークピストンリング
純正部品はシリンダー&ピストンユニットとして存在するが、一式(ASSY)のパーツとなっていて、残念ながら廃盤。
ここが壊れたら、もうKYBに入れ替えるしかないんじゃないのか?
唯一、パーツとして存在するのが、フロントフォークピストンリング。

摘出したパーツ。
元の色がこうなのかどうか不明。

PMCからリリースされているフロントフォークピストンリング。
Z1Rは81-5481が正解なのだけど、四角穴タイプという文言に引っ張られて、81-5482(白い方)を買ってしまった。
どう対処したか、というのは後述で。
6.フォークオイル
1980年当時の指定は10W-20だが、いまのグレードだったらG10でいいでしょう。
個人的にはヤマルーブに信頼を置いているので、ヤマハを使用。
かき氷のイチゴシロップみたいな色だった。
7.そのほか
フロントフォークダストブーツ、フォークのトップキャップは必要に応じて買いそろえたらよいでしょう。
フロントフォークの摘出…の前にタイヤを外す
ざっくりいえば、タイヤを外して、フォークを抜けばOKなのだが、ちょっとした手順がある。

当たり前だけど、まずは前輪を浮かせる。
センタースタンドがなければ、リアホイールをスタンドで浮かせて、さらに前輪をジャッキアップしてやる。
数センチも浮けば、フロントタイヤ&ホイールは抜ける。
フロントタイヤを外す前に、キャリパーとスピードメーターケーブルを外す。
キャリパーは、じわじわとパッドが戻ることもあるので、Fディスクと同じくらいの厚みの板などをかませておくと、後が楽。
外したキャリパーは、適当に引っかけておくと事故の元だし、ホースに負荷をかけるのはよろしくないので、サポートの穴を利用してどこかにフローティングしておく。
そしたら、フォークのホルダーを止めているナットを外すのだけど、単に外していくと、最後のスタッドボルト1本にタイヤとホイールの全重量がかかってしまう。
ねじ山にもよろしくないので、タイヤと床の間に板をかませながらホルダーを外す。
すると、ストンとホイールが外れるのでOK。
フェンダーは最初に外すのかと思ったけど、ステーの形状のせいかどうしても外れない。
昔、フェンダーを入れ替えた時、こんな苦労した記憶ないのだが、どうにもならないのでホイールを外してから下に引き抜いた。

こんな感じになる。
そしたら、フォークを固定しているクランプ?ホルダー?のボルトを外すと自重でフォークが落ちてくる。
今回、助っ人としてCB750に乗ってるナナオさんがやってきてくれたので、フォークを抜く時に持っていてもらえたけど、独り作業でやるならフォークが落ちてスタッドボルトを折ることがないよう、台を置くとか万が一の準備をしておく。
フロントフォークの摘出からのフォーク分解

フォークを抜いたところ。
ちなみに、フォークのトップキャップが固着していたり固かったらイヤなので、外す前に12.7mmのソケットで外しておいた。
この時、インパクトがあるとよい。

フォークスプリングを抜いたら、念のためフォークの長さを計測。
ヘタってくると縮んでくるわけだが、純正だと511mmを下回ったら交換。
通常は521mmだが、計測したら520mmくらいだった。
けど、このスプリングはホワイトパワーだったから本当のところ、この長さでよいのかどうかは謎だったりする。
お約束のトラブル発生
オイルを抜いたら、片方は真っ黒。
まあ経年劣化でそうなるよね。
ところが、もう片方はエクトプラズムのような白い粘液状。
ナナオさん曰く「量も左右で違う」とのこと。
長いことほったらかしだったので仕方ない。
片方はシールから水分が入り込んで乳化していたのかもしれない。
次に、フォークをひっくり返し、スタッドボルト側についているボルトを外す。
インパクトがあれば簡単よ、とZの大先輩に教わっていたのだが、これがなかなかしぶとい。
家にあったインパクトドライバーMAX打撃で打ち込んでもダメ。
ラスペネで30分くらい放置してみたり、トーチで炙ってもダメ。
こうなったら、恥をしのんで近所のバイク屋で外してもらおうか、とも思ったけど、とりあえず12.7mmのソケット対応の六角ビットを購入。
それで回してダメだったら、バイク屋へ頼もうということに。
往復小一時間かけてアストロプロダクツへ行って工具を購入。
で、エアのインパクトで回したら、一瞬で取れたという…

ボルトをナメる事案が多発するのも分かる気がする…
ちなみにインパクトドライバー、自分が使っているのはインパクトドリルなので、よくみたらドリルチャックのところが空回りしていた。
締め込み過ぎたホイールナットも一撃で外す力を持っているので、いけるかと思ったのだが…
とりあえず、もっててよかったエアツール(笑)。

無事に抜けたシリンダー&ピストンユニット。
目立った傷みはない。

ただ、ピストンリングは、劣化を通り越して朽ち果てていた(笑)。
購入リストにもあったピストンリングをつけたわけだが、発注ミス。

Mk2の方かと思ったけど、正解は81-5481だった。
開けてみるまで分からなかったから致し方ない。
白い方を入れようとするとピストンリングの溝が合わない。
仕方ないので、400番のペーパーでひたすらやすりがけ。
どうにか溝にはまったのでOK。
シールの打ち変え
アウターチューブについているフォークシールを交換する。
鉄芯とラバーでつくられた、オイルシールと同じつくり。
なので、基本的に圧入している…ので、引っ張り出す時は一苦労。
マイナスドライバーやタガネで引っ張り出す手もあるけど、内側を傷つけることもある。
悔しいが専用工具で引っ張り出す。
が、長年放置したシールは固着して外れない。
力任せに引っ張りすぎると抜けた後が怖いので、焼き切ることに。
シールが外れると同時に、ワッシャーも抜けてきたが、テーパー状に歪んでいた。
圧入で変形したんだろうか。
シールの当たり面を清掃したら、いよいよ組み付け。
アウターチューブをひっくり返し、銅ワッシャーを入れる。
入れるためには前のワッシャーを外さなければならない。
…が、外れない。
こじるきっかけが見えない。
タガネで引っぱたいてもいいんだけど、ちょっと怖い。
そして、ここまで順調そうに書いているけど、なかなかスムーズに進まないせいで既に夕方。
朝9時過ぎから作業しているのに(涙)。
表面を傷つけてワッシャーの密閉性が落ちるのもイヤなので、とりあえずインオペ。
とりあえず、このまま組み付けることに。
シールを圧入する際、スライドハンマーを使って叩き入れる。
新しいシールの外周にオイルやら潤滑剤を塗り、ガッツンガッツンと叩く。
この時、古いシールを使って圧入用のSSTにするのが定石。
叩いて叩いて叩きまくる必要はないけど、少なくともサークリップが入る溝が見える位置まで入れないと定位置におさまっていない証拠。

ここまで来たら、あとは早い。
フォークオイルを入れて組み付けるだけ。
Z1Rのオイルは180㏄~188㏄。
量よりも油面優先ということで、とりあえず200ccくらい入れる。
油面は420mm。
多めに入れて油面に合わせて抜く、という作戦。
またもトラブル発生
持っているシリンジがMAX60ccなので3回+アルファで規定量は入る見込み。
オイルを少しずつ入れてストロークさせてエア抜きして…と思いきや、底のボルトからオイルがドバドバ溢れてくるではありませんか。
内部パーツのとも回りが原因?
実際、サービスマニュアルにはSSTを使うよう指示されている。
パーツの先端には17mmのナットがはまるようになっている。
じゃあ、SST作ればいいのでは?と、またもや買い出し(笑)。

何のことは無い、全ネジ+ダブルナット。
こいつで押さえながら固定すればOKでしょう…と書けば一瞬だけど、ダラダラ流れたオイルの処理とか清掃とかマジで大惨事だった。
油面調整
心配だったオイル漏れもなく、いよいよ油面調整。
420mmを計測するSSTは事前に作っておいた。
スケールをオイルゲージみたいに使う例もあるけど、吸い上げの方が楽じゃない?

500mmくらいのパイプにストッパーつけて、シリンジで抜く作戦。
できるだけ垂直にするってんで、レーザー墨出し器で油面を水平に(笑)。
単に出してみたかっただけ。

あとはトップキャップで蓋をして、分解と逆の手順で組み付ける。
ハンドルだけになって気づいたけど、ステムベアリングもちょっと怪しい感じ。
フロントホイール用の新しいベアリングも用意していたのだけど、ここも時間切れ。
本当は二人いるから動画とって配信しようと思ったんだけど、それどころじゃなかった。
写真もほとんど撮る機会がなく…今度は頭にカメラつけて常時録画しておこうかと(笑)。
おまけ
組みつけも終わったし、エンジンでもかけてみようか、と今年初の火入れを行ったが、まるで安定せず。
プラグは4本とも真っ黒け。
年末にOHしたのに…

翌日、朝から泣く泣くOH。
ついでに放置してたパーツの入れ替え。


別にどこも汚れていないし、詰まっているわけでもない。
全閉時のスロットルバルブだって4枚同じだし、パイロットスクリューも極端に開けているわけじゃない。
けど、一応、フロート付近をチェックして通路にエア吹いて。
パイロットスクリューも一本ずつ外してチェックして。
チョークを引いて火を入れたら、すこしだけあおってチョークを戻す。
午前中に30分、午後から1時間ほど走行したが、おかしなところはない。
吹けがすごくいいわけじゃないけど、レーシングキャブを入れてこの感じだったら実用的。

すぐにプラグ外せるよう、T字もって走りました(笑)。
