MOSFETレギュレーターはトレンドから外れた?
ちょくちょく遠方に住むZの大先輩とチャットでお話しするんだけど、MOSFETはメーカーのトレンドから外れたのではないか、という話題に。
発熱量も少なく、バッテリーターミナル間で14V以上の安定したエネルギーを確約してくれるMOSFET。
脆弱な電装系の旧車オーナーたちからは「時代の嬰児」扱いされてきたMOSFET型レギュレーターへの換装。
最近は「レギュレーター」とひとくくりにしているが、実際は「レギュレート・レクチファイア」で「regulator=制御」「rectification=整流」の通り、交流の電気エネルギーを一定の出力に制御するわけ。
交流→直流にだけしてくれたらいいじゃん、と思うかもしれないが、ご存知の通り、クランクシャフトの末端についた磁石が回転、コイルによってエネルギーを生み出すわけだから、低回転の時はチョボチョボ、高回転の時は出血大サービス、でエネルギーを戻していたら、あっという間にバッテリーがイカれてしまう。
よくレギュレーターの調子が悪くなると、回せば回すほど、電圧が上がって16Vだの17Vの過充電状態になる、なんて話も聞くが、まさにあれになってしまう。
それじゃダメなので「レギュレーター」によって一定の電圧に整えられ、バッテリーが常に充電状態になるのだ。
ところが、レギュレーターにも限界があって「これ以上は無理」となると、GTM(ゴティックメード)のようにギザギザしたヒートシンクから熱にして大気開放する(ちなみに、エネルギーを生み出し続けるためには電源が必要なので、Zだと茶色配線(ACC電源)が使われているわけ)。
損失するくらいなら、立派なもんじゃない。
余力があるってことでしょ?
そういう考えもあるが、熱でも丈夫な電子部品、というのはなかなかないので、やはり長い間熱にさらされていると、不具合の原因になるのは容易に想像がつく(だったら、もっとヒートシンクを大きくするとか、もっと冷えやすい場所に設置したらいいと思うんだけどね)。
一方のMOFSET型のレギュレーター。
Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略。
直訳すると「金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ」で絶縁ゲート電解効果トランジスタを組み込んだレギュレーター。
…何のこと(笑)?
詳しく知りたい方はメーカーページを熟読してもらうしかないんだが、分かりやすくいうと、動作用の電源が小さくて、動きは高速。
ホレ、MOSFET型レギュレーターというヤツはアーマチュアから入る3本とバッテリーに行く2本でサイリスタ型より1本少ないでしょ?
アレです。
で、高度な制御回路が内蔵されているらしく、アーマチュア(ステーターコイル)側から定格以上の電気が供給されても、余剰エネルギーをアーマチュアに戻してやるらしい。
放出したエネルギーはアーマチュアにとって、強く蹴ったボールが壁に当たって顔面に飛んでくるように「負荷」になる。
受け止められる余力があればいいけど、ギリギリのスペックで受け止め続けると負荷になり、コイルがトラブルを起こす、と解釈している。
間違っていたらゴメンなさい。
すべてのMOSFETがネガティブな要素を抱えているかというと、もちろんそんなことはなくて、アーマチュア(ステーターコイル、ジェネレーター)も容量が大きく、パーツの消費電力など、トータルバランスが取れてこそ、なのだろう。
旧車サンメカなら経験済みの「弱いところに対策部品をあてがったら、次に弱い部分がダメになった」的なヤツである。
MOSFET自体に罪はない。
と思っていたら…
現行車両のフラッグシップ的なモデルも、MOSFETを外しているという。
Kawasaki史上最速のマシン、H2のレギュレータもパっと見はMOSFETに似ているが、実はサイリスタ型のアップデートされたヤツらしい。
価格もMOSFET型よりも4000円近く安い。
何だ、コレを入れ替えればいいじゃん。
と思ったけど、どうせやるなら、アーマチュアとセットでしょう。
そして、アーマチュアも、DENSOの新品入れたいところ。
PAMSがジェネレーターコンバートキットでアーマチュア側を正式にアップデートしたのも(以前は欲しい顧客にだけ売りますよ、という感じだった)、両方対策すべし、という意図が隠れている気が。
それにしても、みんな配線ってどうやって美しくまとめてるんだろ。
きっと部屋がキレイな人達ばっかりなんだろうな。
もうちょっと、どうにかしたいんだけど
「自分だけが、分かればいい」という投げやりさ、一方で
「何かあると困るから、配線は長めに作っておこう」という弱気な精神が、こういうダメさ加減を生むのね。
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