1990年代頃から、あちこちのブランド、メーカーがエンジン内のコンディショニングを整えるケミカル用品を販売していた。
いちばん最初に購入したのが、SUPER ZOILだったと思う。
詳しい機能については公式サイトを見てもらうとして、どんなものかというと…
おおまかには、エンジンを構成するパーツの金属表面に作用して、より滑らかな状態を作り上げ、フリクションをゼロに近づける…つまり、機械的な損失をゼロに近づけようとする製品だと認識している。
いまなお販売されているので、ライダーたちの信頼も厚いんでしょう。
だが、昔もそうだったけど、なかなかお値段が張ります。
次に有名なのが、PEAを含んだ商品。
PEA(ポリエーテルアミン)という物質が、還元力により内部に付着したカーボンを溶かしてくれる。
こちらは燃料タンクに規定量を混ぜるだけ。
有名なのはWAKOS(和光ケミカル)のフューエルワン。
PEA製品は結構昔からあったと思うけど、プロモーションが良かったのか、売れ行き好調らしい。
ただ、新型コロナウィルス感染拡大からのパンデミック、ロシア・ウクライナ戦争、インフレなどの影響でどんどん価格が上昇。
ちょっと前まで1500円しなかったのに、いまでは2000円超えてるはず。
2000円のケミカルを迷いなく入れられる人じゃないと、旧いバイクなんて維持できないんだろうけど、ワタクシのようにいつの間にか自分のバイクが高級品になっちゃったオジさんたちね、こういう人たちはイロイロなものを削って生きているわけです。
800円よりは600円のランチ、150円の自販機飲料ではなく、スーパーで売ってる88円のセール品で喉を潤すわけです。
そんなんだから、デフレが終わらない!
ごもっとも!
でも、お小遣いは上げてもらえない!
文句があるなら、雇用主へ言ってくれ!!
叫びまくりましたけど…出来る範囲内で何とかしたい!
というわけで、今回はこういうものを買ってみました。
写真が縦になって申し訳ないですけど、見やすさ優先で。
優秀なケミカルを数多くラインナップしている、おなじみヤマルーブのPEAカーボンクリーナー。
200mlの容量なので、ほかの製品などと似たり寄ったりなのだが、使用量が違う。
ガソリンタンクに丸ごとドバドバ入れるのではなく、ガソリン量に対して規定量を計って投入します。
タンク5リットルに対して15ccを入れるんだそうです。
ようするに、1リットル当たりの量は3cc。
タンク容量が14リットルであれば、42ccを入れる。
ここで注意。
ガソリンは満タンに。
「水割りワンフィンガーください」と頼んで、水と酒が1:1だったら大変でしょう?
ありがたいことに、計量カップがついている。
こういう容器は、あとで再利用できるから、棄てない方がいいね。
いまさら、塗膜を気にしてどうする?というボロタンクなんだけど、これ以上、ボロになるのを見過ごすこともできないので「じょうご」などを使うといいでしょう。
あとは走っていくうちにガソリンとうまい具合に混ざっていくのでしょうね。
実際、使ってみてどうだったのか。
投入後、70kmほど走ってみたけど、まったく分かりません(笑)。
メカノイズがどうしたとか、レスポンスがどうなったとか、的確に感じ取れるのは、レーシングマシンに搭載されたセンサー並みの感覚を持った人だけでしょう。
じゃあ、どうやって効果を確かめるかというと…
何もケアしないエンジンで1000km走って、スパークプラグやら燃焼室と関連部品をチェックする。
次にクリーナーを投入し続けて1000km走って、同じようにプラグや燃焼室を覗く。
カーボンの付き具合を比較して、量が減っていれば「効果あり」になるんでしょうが、体感できるかどうかは別問題。
残念ながらわが家のZは、キャブセッティングの影響もあるんだろうけど、どうしても一般的な車両と比較するとプラグの寿命が短い。
一方、インジェクションが搭載されたバイクは寒くても暑くても問題なく始動するし、クルマに至っては18万キロを超えてもプラグは未だ交換していない。
ガソリンもレギュラーだし、添加剤も一切入れていない。
また、完調であればZでも1万2万キロ乗ってもプラグに異常はない(自分がそうだった)。
身も蓋もない言い方だけど、まずはケミカル類に頼らずに、エンジンの調子を整えることが先決。
人間も栄養剤だけじゃ健康を維持できないでしょう?
良好なエンジンを保つために使う、という感じが良いと思います。