2024年10月31日 Z1Rで国道を端から端まで走るツーリング:国道341号線 前編(秋田県田沢湖)

ぶらりバイクの旅

今回で何回目?三回目くらい?
国道を端から端まで走るツーリング。
今回は国道341号線。
秋田県由利本荘市から秋田県鹿角市を結び、途中には有名な田沢湖がある。
いつも通り、スタート地点までたどり着き、帰ってくるまでが大変なツーリング。
今回はノントラブルで完走したい!

走る前から大波乱

ありがたいことに仕事がいっぱいで、本来9月の予定だったが悪天候もあいまってズレにズレ。
毎日のように天気予報と気温をチェック、ここしかない、というタイミングがこの日だった。
寸暇を縫うようにして準備して、あとは空気圧をチェックしておこう、と気を利かしたのが運の尽き。

エアゲージを差し込んだら、プシューとエアが抜け始めるではありませんか。
「え?どういうこと?」
バルブの虫?が戻らない。
顔面蒼白になりながら、バルブを指でこじるも、エア漏れは停まらない。
先端が尖った工具でグイグイいじると、やっと停まった。
念のため石鹸水を当てるとプクーっと泡ができ始める。
スローパンクチュアの状態。
これがYouTubeだったら「終了」の巨大なキャプションが画面いっぱいに表示され、文字通りツーリングは行く前から終わってしまう。
もう一度、バルブをグネグネして石鹸をつけたら、どうやら停まった様子。
コワイ。
怖すぎるでしょう。
数分おいて石鹸水をバルブに垂らしても変化はない。
まあ、いいか。
とりあえず走ってみて、ダメだったら中止しよう。

走ってからも大波乱

おそるおそるスタート。
パンクトラブルは未経験だが、こいつを購入した30年前にフロントタイヤにトラブルを抱えて、ポンプを抱えながらバイク屋まで走った記憶は残っているから、すぐに気づくはず。
ちょっと走ったら給油ついでにエアをチェックしよう…
財布を準備しようと尻ポケットに手を伸ばしたら…

財布がない!

落としたんじゃない。
置いてきたままだったんだ。

慌ててUターン。
せっかくなので、入れ忘れていたパンク修理キットをバッグに入れる(笑)。
ちなみに空気圧は正常+走行熱で少し高くなっていた。
おかげで助かったけど1時間超のタイムロス。
しょうがないので、2回目のスタートは高速道路を併用、時間を稼ぐことに。

紅葉真っ只中の国道108号線

高速を降りたら、宮城県と秋田県を東西に結ぶ国道108号線に乗って、ひたすら341号線のスタート地点を目指す。
鳴子温泉郷を通り抜け、ゆるやかな峠道をひた走る。
同じ秋田へ向かう国道でも、栗駒山を走る398号線よりマイルド。

もう11月になるって頃に走ると、紅葉はすっかり消えて「もっと早く来ておけばよかった」なんて後悔するはずが、見頃といってよいのでは?

温暖化はウソだとか地球は寒冷化に向かっている、という説を唱えている人もいるが、季節がずれ込んでいるのは間違いないね。

スタートから3時間かかって、ようやくプチ目的地の秋田県由利本荘市矢島町へ到着。
そもそも国道341号線の旅を企画したのも、この街へ訪れてみたかったから。

今回は大遅刻のせいで、遠くから拝むだけで終わってしまった郷内水力発電所。桜の季節に再チャレンジ!

鳥海山の北東部に位置しており、市町村合併で由利本荘市に組み込まれたが、もともとは矢島町という自治体だった。
ローカル線、由利高原鉄道の始発/終点の駅もある。
端っこ好きには刺さる街じゃない?

立派な駅舎で、観光客向けのホスピタリティも抜群。

なんとカフェまで併設。
単なる通過点にするには惜しすぎる。
次回は、この街をじっくりと散策したいし、このローカル線にも乗りたい。

で、そろそろ腹が減ってきたので休憩ついでに昼飯。

旅先の一食はギャンブル メシ次第で旅は台無し 果たして何を頼むのか?

『迷宮グルメ 異郷の駅前食堂』終わっちゃったんだよね。
年4回のスペシャルでいいから復活させてほしいよ。

で、今回選んだのが大黒屋というお店。
推定ご夫婦で切り盛りしているラーメン店。
以前、夫婦でと書いたら、後日身内の方から「あれは夫婦じゃないんです」と指摘されたことがあったんで(笑)。
推定ご夫婦ということで。

「中華そば」を注文。
ラーメンのお手本のような、日本人の80%が思い浮かべるようなテイストのラーメン。
ノンストップで走ってきた身体に染み入る。
令和も5年以上が過ぎたっていうのに500円で食べられる奇跡。
ラーメン店の店主は、最低でも豪邸2軒は建てて税金対策で仕方なく高級車を乗るようなセレブになってほしいので、世の中のラーメン店はじゃんじゃん値上げして、そのかわり自分のような貧しい人間には国がラーメンチケットを配給したらいいと思うんだけど(笑)。

国道341号線 スタート

矢島町から国道108号線を30分ほど西に進み、一瞬だけ国道107号線に乗る。
そして、由利本荘市の街中を南北に走る国道との分岐点、ここが国道341号線の端である共に、国道108号線や国道107号線の端でもある。

といっても設定上の話であって、実質的な国道341号線の始まりはここから海沿いを走った先にある。
でも、せっかくだからできる限り設定上の端も外したくない。

毎年のように日本海側の道を走ってるけど、海が本当に近く感じる。
で、この辺り亀田地区から実質的な国道341号線の始まり。

城下町の雰囲気を色濃く残した亀田町を通り抜けると、国道らしからぬ狭い峠道になる。
これはクルマだとキツそうね。
初見だし荷物も満載なので、こういう道を走る時は
「対向車が来るかもしれない」
「路面に砂が浮いているかもしれない」
「路面が泥で滑りやすいかもしれない」
この3つを頭に叩き込む。
特に自分のようなソロライダーは、助けをまともに呼ぶことも出来ないので、低速ノロノロ運転でも安全最優先なのである。

亀田不動滝

唐突に駐車場の看板が現れる「亀田不動滝」。
せっかくなので、立ち寄ってみる。

駐車場から遊歩道と登山道の間のような階段を降りること数分、こじんまりとした川原があり、その上流にあるのが亀田不動滝。

下まで降りるのがおっくうな人には、駐車場そばのトーチカっぽい建物(トイレだった)から観ることも可能。
これはこれでよいのかもね。

分岐点に要注意

雄和高尾山を目指す登山道の途中にある高尾山荘、ここが二股に分かれている。
何となく右側の方が見晴らしがよいので、こっちが国道341号線っぽいけど、高尾山荘を沿うようにして降りる道が正解。
正しいルートを調べていたら…

おや?誰かがいる?

野生のタヌキ(子供)だった。
路上ではねられて死んでる姿はみかけるが、こうして生きているタヌキを見たのは初めてだった。
Z1Rのエギゾースト・ノートにも動じることなく昼寝を始めたタヌっ子だが、できればクルマやバイクには最大級の警戒を払ってほしい。
じゃないと、うかつに近寄ってはねられてしまうからね。

ここからは峠の下り道。
葉っぱは浮いてるし、路面も真っ平ではない箇所もあるので細心の注意を払う。
降りたところにある「石巻の清水」で、高尾山から流れる湧水を頂く。
峠道を終えたら、国道341号線の前半戦は終わったといってもいい。
この先は、途中で国道46号線と合流して角館、仙北市への幹線道路となる。
仙北市まで来たら、今日のゴールは目と鼻の先。

田沢湖キャンプ場

本日のお宿。
本来は2時台につきたかったのだが、トラブルに次ぐトラブルで受付が出来たのは16時頃。
陽が落ちるギリギリ寸前だった。

本来は途中にあるスーパーマーケットで夕食の材料を仕入れていきたかったのだが、そんなことをしているうちに暗くなり、設営に手間がかかったらしんどいでしょ。
なので、受付&テント設営を最優先にしたという…写真も翌朝に撮ったものだし(笑)。

テントを設営したら、急いでスーパーへ引き返し、今日の夕飯を買い込み、テントに食材を放り込んだら、今度は着替えを入れておいたリュックサックを背負って秋田駒ケ岳方面へ向かう。
あまりにも急いでいたものだから、牛肉豚肉鶏肉が入った焼肉三種盛りを買ったつもりが、豚三種盛りだったという有様。

真っ暗闇の山へ何しにいくのか、というと…お風呂。
知人にオススメされていた温泉へ行くのだ。

訪れたのが「元湯 水沢山荘」という源泉かけ流しの温泉。
本来ならば露天風呂から田沢湖が見下ろせるそうなのだが、当たりはすでに暗闇。
残念ながら写真もない(笑)。
日帰り温泉の価格は800円。
夜の8時まで入れるので、ありがたい。
お湯は熱めと温めの浴槽と露天があるので、ゆっくりと楽しめる。
きっとあっちが湖畔なんだろうな、と麓を見下ろしながら湯船につかった。

風呂からあがったら、落ち着く間もなくキャンプ場へ。
さっき買った肉を焼いて、秋田名物のきりたんぽ鍋をグツグツいわせ、ビールをかっくらう。

今回、活躍してくれたのが焚火台。
実はツーリングで自前の焚火台を持って行ったのは初めてだった。
ストーブは料理に必要だけど、焚火がなくても困らないでしょ?
薪も調達しないといけないし、細く割るための斧もいるし。
今回、これなら持ち運びが楽なのでは?というアイテムを発見。

商品名というか説明文にもあるように、約44㎝の袋に収納できるコンパクトサイズ。

すでに箱が細長い
試運転の様子。あまりにも気に入って、家の庭でも何回かやってみた

8時台に寝たものだから、2時くらいに目が覚めてしまう(笑)。
誰もいないキャンプ場は心細かったが(実は管理棟にスタッフが寝泊まりしているのを翌朝になって知った)、しんと静まり返った湖のほとりに出てみる。
丑三つ時、漆黒の湖面が広がる風景は、肝試しにはお釣りが来るほど怖かったけど、夜の世界も独り占め。
耳をすましても、人工の音はほとんどしない静寂の世界。
空には満天の星空が。
スマホで撮影を試みるも、うまく撮れなかった。
下の写真、ギリギリ、オリオン座が分かるだろうか?

10月31日の天気はどうだった?

夜中、寝間着代わりの薄手のパンツ、フリースで出歩いたが肌寒い程度だった。
tenki.jpによれば、10月31日の気温は最高気温が17.3℃、最低気温が5.8℃
日が暮れてからでも10℃近くあったからだろう。

本日の走行距離

出発時:98638km
到着時:98991km
というわけで、353kmだった。

後編に続く
次回はツーリングの模様+旅の装備など