ツーリング用テント 再考

ぶらりバイクの旅

いちばん長く愛用していたのは、DUNLOPの「ツーリングテント R215」。

旧世紀(という言い方になる)、何かよさげなテントはないだろうか、と昔の職場に顔を出して、図々しくも社割価格で買わせてもらったテントだ。
品質、設計ともども非常に優秀で、ホント優秀過ぎて「買い換えよう」と思わせないほど(笑)。

そんなにすごいのか!?
と疑われそうだけど。

このテントにしたのは理由がある。
バイクに積んだ荷物を無造作に放り込んでも、スペースが十分に確保できる。
さらには出入り口が2か所、両側に前室があるので、テントの中までは入れたくないけど、人目に付くように置きたくない荷物を出入り口と反対側の前室に置ける。

25年以上前の製品なので、一部の素材が加水分解しているだけで、ダメージはあまりない。
手荒に使っていたわけではないけど、ものすごく気を遣ってきたわけじゃない。
本当にありがたい限り。

とはいえ、今時のテントと比べると古さは否めない。
特に気になるのが収納サイズ。
広さや形状にもよるが、ソロ用の小さいテントだと1.5リットルペットボトルの半分くらいのサイズに収まる(実際、もっと小さいかもしれない)。

DUNLOP VS-22A

そこまで小さなテントは求めていないが、前室つきで2人用のテントでも相当小さくなるはず。
あれからDUNLOPブランドのテントはどうなっているんだろうか?
というわけで、購入したのがDUNLOPのVS-22Aというテント。

驚いたのが収納時のサイズ。
しまう時は筒形の収納袋に入れるのだが、直径は20cm以下、長さはポールを入れなかったら35cmくらい?
重さも2kg以下だし、リュックサックにも余裕で収納できる。
これは驚いた。

R-215も畳めばそれなりに小さくなるけど、せいぜい枕くらいの大きさで2.2kgくらい。
違いは一目瞭然。

あれ?テントの収納袋が違うんじゃないのって?
後から説明しますんで、まずはお待ちを。

R-215 と VS-22A サイズの違い

本当にこれで旧モデルと同じように
「両側に出入口」
「両側に前室」
「2人サイズ」
を実現してるんだろうか?

R-215の公式スペックは間口220cm×奥行120cm×高さ125cm。
一方のVS-22Aは間口205cm×奥行120cm×高さ100cm。実際に比較してみよう。
諸事情により屋内撮影、ペグが打てないのでフライシートはつけなかったが、雰囲気は伝わるはず。

奥行きのサイズは同じということで、御覧の通り。

間口はR-215が220cmなのでVS-22Aよりも15cm長い。
身長175cmそこそこの自分には、そんなに問題じゃない。
どうしても気になる人は、間口が225cmのVS-22TAというモデルもある(他は変わらず)。
大きな違いがあるとすれば、それは屋根の高さと幅。

旧いモデルのシルエットは台形で、算数でいうところの「上底」の長さは50cmを超えている。
一方、新モデルはというと、二等辺三角形に近い感じ。

中に入って天井部を見上げると一目瞭然。
もしかしたら、若干だけど圧迫感を抱くことになるかも?

進化した部分もあって、なるほどな、と思ったのが「網戸」がわりのメッシュ生地。

旧いモデルは、壁の生地(という言い方になる)とメッシュの生地が別に重なっているので、出入りする際は、ふたつのファスナーを開け閉めしなければならない(夏場、メッシュだけを閉じている場合は除く)。
家の窓と網戸と同じ理屈。

しかし、VS-22Aはメッシュの生地が壁の生地に縫い付けられているので、出入りする際は1組のファスナーを開けるだけでいい。
2回開け閉めするのは意外に面倒なので、これはありがたい。
ただし旧モデルは出入り口すべてにメッシュ生地がついていたが、VS-22Aは出入り口の半分だけ。
両方の出入り口についているので、風通しはよいはず。

ほかにも細かい気配りが。
ポールを固定するパーツ。
旧モデルはU字形のパーツにパチンとはめ込むタイプで、それなりに力を入れなければならない。
しかし、VS-22Aは写真のような形状。

C状のパーツが向かい合っていて、開口部から入れてひねるだけ。
余計な力が要らないので、パーツへの負荷も小さいと思われる。

それと設営時、テントのハトメ穴(のようなところ)にポールの先端を取り付ける場合、慣れていないと片方の穴を通しているうち、反対側の穴から先端が外れて、以下繰り返しとなって四苦八苦することもしばしば。

VS-22Aは地面から近い部分がスリーブになっている。
これが抜けを防止するので設営の手間を省いてくれる。
「そんなの慣れたら関係ない」
と思うかもしれないけど、テントを設営するのが必ずしもベストなコンディションとは限らない。
到着時刻が遅れて真っ暗だったり(よくある)、風が強い、雨が降っている…
そういう時、こういうちょっとした工夫に助けられることもある。

ここまで素晴らしいテントなのだが、残念ながら廃盤。
販売元のHGSの担当者からも「いま各店舗が在庫している分で終了」となるらしい。
いまの最新モデルだとVLシリーズになるみたい。

VS-22Aの弱点

ほぼ死角なしのVS-22Aかと思われたが…

開封時にカッターを使用したわけでもないのに、いつの間にかこんな傷が出来ていた。
もしかしたら、収納時、テントのバックルなどのパーツが当たったのだろうか。
未使用品なのにショック…が、遅かれ早かれ、こういう事態に遭遇したのかもしれない。
他に持っているテントもそうなんだけど、この巾着袋のような収納袋は好きじゃない。
入り口が狭いから、うまいこと畳まないと収納できないのよね。

なので、キャンバス生地で作られたバッグ、奇跡的に同じサイズだったので購入。
横から開けるタイプの方が、使い勝手が良いと思う。
それか少々サイズが大きい袋を買ってもいいんじゃないかと。

いずれにせよ、実際に使ってみないと良し悪しは分からない。
せっかくテントを新調したんで、今年はたくさんキャンプツーへ出かけたいものである。