藤田まことさんが亡くなった。
76歳で亡くなったわけだから、自分の父よりは長生きだったわけだけど…
昔、昔のその昔、ちょっとしたことがきっかけで、必殺シリーズにハマって。
毎週欠かさず観て、ビデオに撮って、映画も観て、友達も巻き込んで…映画では、ちょうど「必殺!III 裏か表か」をやってた頃。
TVでは、激闘編とか風雲竜虎編だから、まあコアなファンからすれば「新参者」だったんだろうけど。
この頃、すでに中村主水は不動の地位を築いていた。
だけど、他の仕事人たちからすると、極めて異質の存在。
世間を欺く表の顔にしても、脇役たちは自由業というか、いざとなったら体ひとつで江戸を離れることができる職業が大半。
必殺シリーズのルーツでもある藤枝梅安もしかり(梅安は鍼灸師)。
ところが、中村主水は役人であり、家に帰れば婿養子。
あれだけ剣の腕があるならば、剣術指南でも十分やっていけたんだろうけど(それもまたカネとコネがないとのし上がれなかったのかも)。
いずれにせよ、組織にどっぷりつかり、家では立場がなく、背中には見えない鎖が何本もつながれていただろう。
もっとも仕事人に向かない環境に居ながら、彼は仕事人としてハードボイルドな世界に生き続ける。
そういう「二面性」「カッコ悪い、カッコよさ」は、幼少時に観た宝島のジョン・シルバーにも通ずる処がある。
だけど、本当は彼らは、ヒーローの王道を進み続けるほど強い人間ではないし、そんな柄じゃないと逃げ道を作っていたのではないかと…
今回のお題は、奇しくも「何となく面倒くさくて、伸び伸びになっていたものをなんとかする」ということ。
で、フロントカウルに装着されているスクリーンを交換します。
細かいキズが沢山ついて曇っているうえに、固定用のボルト穴が2箇所破損しており、見た目は悪い。
でも、これが性能とか機能に影響するわけではないので、ついついほったらかしているうちに10年以上の歳月が。
何てことない部品なんですけどね。ただ、チョチョイとつければいいだけですから。
案の定、純正品は既に廃盤。
いくつかのメーカーからリプレイス品を製造販売しているんだけど、これがべらぼうに高い。
相場は15000円前後。大きな流通が見込めないパーツの価格としては、こんなもん?
3000円くらいで何とかならないものか…
今、このオートバイに15000円を払うなら、果たしてココなのかなと。
それこそ、悩みまくっている燃料コックをピンゲルにするとか、機能的な問題を解決した方がいいのではないかと…
じゃあ、いつになったら、この割れてしまったスクリーンを直すんだ?とも考えちゃう。
サーキットも走らなくなったから、伏せてスクリーン越しに景色を見ることはないけど…
換えることで気分転換になるかもしれない。
見える景色がいつもと違えば、何か変わってくれるんじゃないか?
…で、スクリーンを換えてみたわけです。
ロマンティックな言い草の割には、スクリーンを止めるネジはホームセンターで購入した「ナベ小ネジ」。
もー少しカッコいいのが欲しいところだけど、ガマン。
このDIY感が我が家のバイクの魅力ですから(笑)。
単に換えるだけなので、特筆すべきことは何もございません。
と、書いてしまうと、ミもフタもないので少しネタを。
以前装着していたスクリーンは、元々コレについていたものではない。
元のヤツはオーストラリアはノーザンテリトリーの国立公園内のダートで転倒したため、木っ端微塵に砕け散った。
で、もう一台保管していたZ1Rからもってきたものなのか、それとも西オーストラリア州はパースでMAT氏が買ってくれていたものかは不明。
いずれにせよ、純正品ではないみたい。
並べてみると強調されるけど、これまでのは少し赤みがかっている。
スクリーンってもう少し後生大事に梱包されているのかと思いきや、割と普通でした 表面は少し脂ぎっている感じです(笑)。
そもそも、ボルト穴は強い部分ではないにしろ、余計なことをしなければ、そうそう壊れる部分ではない。
取り付けピッチが違うところを「なんとかなるだろう」と、無理矢理止めようとしたり、カウルとスクリーンが微妙に合っていないと壊れるみたい。
あと、レーサーが汎用カウルに汎用スクリーンをつける時、ネジ穴を自分で開けることがあるんだけど、その時に「やらかす」ことも。
Moto Garage Windsのカマタ代表によれば「ドリルビットを手で回して開けてやると、割れを防ぐことができる」んだそうで。
樹脂製品は気温にも左右されるしね。
なので、今回は暖かいお部屋で作業します。
その代わり、家に持ち込む時はキチンと洗浄しないと、家族のトラブルになりますのでバスマジックリンでキレイにします。
カウルとスクリーンの間につくモール(?)というか、ゴムパーツも洗います。
ここは意外に汚かったんで、しっかりと洗ってやります。
で、取り付けようと思ったら、おそれていたことが。
ピタリとつかないというのか、カウルのアール(角度)とスクリーンの角度が合わない。
なので、スクリーンが浮き上がり、ボルトで固定できない。
取り付けピッチは、大きな違いや狂いはないようなので、あまり影響のない場所を選んでみる。
端から2番目を固定して、それから順番にネジを締めていく。
最後の最後まで苦労したのが、ライトの上にくる2箇所。
これは、用意していたネジでは止まらないため、同じようなアタマでアシが長いヤツがたまたまあったので、そいつで対応する。
なんて書くとカッコいいけど、100円ショップのステン・ネジです(笑)。
あまり長いのはどうかな、と思ったけど、裏側にはみ出す分には大きな影響はないので長いネジを買ってもいいでしょう。
つけてみるまでは「どうなんだろ」と思っておりましたが、意外によさげ。
七難隠す、といったところでしょうか。
わざと光を反射させて歪みをチェック。あまり締めこまないよう注意 こうしてみると、何となく引き締まって見えませんかね?
ついでに、数年前に購入したハンドルクランプ固定用のボルトを交換してやることに。
ここ、前にステンキャップボルトでつくりたかったんだけど、ネジ屋にいいサイズのがなくて。
結局、純正品にしました。鉄にメッキだからなのか、サビるんだよね。
作業して初めて気づいたのが、従来ついていたのは13mmだったんだけど、新しいのは12mm。
オレは自分のマシンしかみたことがないから良く分からないけど、Zって不意打ちのような13mmボルトって多くないですか?
強度計算の末なのか分からないけど、12mmじゃダメだったんだろうかと…
それと、前に作業したんだけど、キャブレターのメインジェットを145に交換しております。
前はもう少し小さかったんだけど、71mmワイセコ、TM40-MJN、MJ145というエンジンで乗っている方が、他にもいらっしゃいましたので。
そのデータを参考にさせて頂きます。
とりあえず、キャブはつけっぱなしで交換してやります。
そんなの当たり前じゃん、TMなんだから
というベテラン先輩ライダーの声が聞こえてきそうですね(笑)。
その通りなんだけど、これからZに乗るとか、自分で少しずつ整備してみたいというオーナーのために解説します。
社外品のレーシングキャブレターの多くは、キャブの底(という表現が正しいかどうか分かりませんが)にメインジェット交換用のボルトがあります。
同じシステムのキャブでも市販マシンの純正パーツには、コレがついていない場合が多いようです(例:GSXR750のTMキャブ)。
このボルトを外すと、MJ(メインジェット)がお目見え。
ミクニのメインジェットはマイナスドライバーで緩む(締まる)ので、専用工具を使って交換。
…するのが本当だろうけど、何かに使おうと購入した薄くて小さいラチェットを使っております。
まあ、ジェット専用のレンチも、他のハンドツールと比較しても高いものじゃないから、持っておくとよいかも。
ボルトを抜く時、フロート室のガソリンが流れるので、あちこちにつかないようご注意下さい。
注意といえば、我々素人には少々無理な体勢での作業なので、部品を「イジリ壊し」する可能性もはらんでおります。
特に気をつけたいのが、外したけど、元に収まらない、という状況。
今回の例でいうと、ちょうど写真にもありますようにカムチェーンテンショナーとキャブの下が干渉しそうな場所。
つまり、2番、3番のあたりですね。
手が届きづらい、よく見えない、ということもあって作業性は低下します。
ナナメにMJをねじ込んだりしないよう、注意を払って下さい。
で、「ここはムリだ」と思ったら、勇気ある撤退を。
ワタクシも、ヤバい時は素直に専門店へ直行します。
ムリしてネジをナメてしまったり、ボルトを折ったりしたら、手間も費用も倍以上になってしまう。
お昼ごはん1食分の手間賃で済んだものが、今月のお小遣いでもまかなえないほど高くつく…
特に、キャブは細かいパーツで構成されていたり、かと思えば一体成型になっていて少しでも壊すと全部使い物にならなくなるので要注意。
なので、最初はオフ車のような単気筒のキャブを練習用にバラしてみるといいかも。
なんて書くと「バイクなんて二台も買えないし、置く場所もない!」という声も聞こえてきそうですね。
その通り。このご時勢、そう簡単に趣味のモノにお金をかけられるわけではございません。
だったら、ジャンク品でもいいので、オークションなどで入手してみてはいかがでしょうか?
構造の理解とか、ボルトやネジがどれくらいの力で組みつけられているのか、実感できるし。
慣れてきたら、自分のバイクに装着できそうな4連キャブを買う。
Zなら、GSXRのキャブが同じピッチです。
で、今度は実際に取り付けてみる。
必要であれば、消耗パーツを購入してみる。
本当に自分の組んだキャブが動くのかどうか分かるし、ジャンク品なら多少壊しても惜しくないでしょ?
自分もそうでしたが、実際自分でバラバラにしてみると「なるほど」という部分があるはずなので。
一度、キャブがものすごく調子悪くて「おかしい、おかしい」と言ってた時があって。
で、勉強ついでにばらしてみたら、糸くずのような、よくみなければ分からないようなゴミを見つけました。
直接の原因がそこではなかったかもしれないけど、キレイに掃除して組み直したら、調子が戻ったことがありました。
あと、これはキャブに限ったことではないけど、バラすと再使用できなくなる部品もあるので要注意。
経年劣化で傷んで、新品が必要な部品は、あらかじめ準備した方がいいでしょう。
数時間で終わる作業が、部品がないばかりに滞ることもあります。
開けっ放しで放置したくない箇所もあるでしょう?
サラリーマンにとって、休日はたいへん貴重ですので。