オーストラリアよりZイズムを込めて 2018 Day 7

Australia 2018

Kings Canyon

天気は快晴。
今回の旅で、実はいちばん行きたかったところのひとつ。
キャニオンという名の通り、切り立った峡谷で、ひたすら壮大。
ウルルもすごいけど、キングス・キャニオンはまた別の意味ですごい。

地図で見ると、エアーズロックからは結構離れている。
1997年当時も地図上の数値と実際の距離感が良く分からず
「アリス・スプリングスの宿に荷物置いて、日帰りでそれぞれ見てくればいいんじゃない?」
とか思っていましたけど、450kmくらい離れてます。
さすがに日帰りじゃムリ。
じゃあ、エアーズロックリゾートからキングス・キャニオンは近いのかと言われると、実は片道300kmくらいある。
自分じゃ運転しないから、マットにお願いするしかないんだけど…(笑)。

ちょこっと早起きして、エアーズロックリゾートからLASSETER Highwayを東に進む。

100kmほど東へ進むと、ちょっとした有名な山を見ることが出来ます。
マウント・コナーというテーブル状の岩山なのですが、北の都、ダーウィンとかテナント・クリーク経由でノーザンテリトリーに入ると「もしや、あれがエアーズロック?」と間違うとか間違わないとか…
昔は「偽エアーズロック」とか言われてたけど、そりゃ見る人の主観によるだろうよ、と(笑)。
さらに、遠くからなので「テーブル状」というか、皿をひっくり返したような形に見えるが、Google mapで上からみると、複雑な形をしている。
反対側から見たら、多分、ぜんぜん印象が違うと思うのだが、どういうわけかマウント・コナーは麓へ行くことが出来ないようになっている。

マットはしきりに「オーストラリア軍は来る時のため、砂漠やブッシュのあちこちに武器庫を隠していて、限られた人間じゃないとアクセスできないようになっている。どうにかして、それを見つけてやりたい」と言ってます(笑)。
アボリジニの聖地です」とか「自然環境保護のため立ち入りを禁止します」とか言われたら「ああそうなんですね」としかいえないし。
ちなみに、マウント・コナーに近づけないのは、軍の施設でもアボリジニの聖地でもなく、私有地だから(笑)。

ちなみに、エアーズロックはこんな感じ
ここもイメージとはだいぶ違う気が…

キングス・キャニオンは、1997年に訪れた時「ここはきっと有名な観光地になるよ」と言われた通り、どのガイドブックにも掲載されるようになった。
が、エアーズロック&風の谷(カタジュタ)ほど大きく取り上げられるわけではない。
ちょっと扱いがぞんざいじゃないの?と思うのだけど、おそらく、起点となるエアーズロックリゾートから、やや外れているからなのだろう。
いまはリゾートホテルもあるようだけど、

でも、個人的には絶対に外さない方がいいと思っている。
世界の中心で愛を叫んだ場所が、実はここだった、ということは置いとくにしても(笑)、キングス・キャニオンの眺めは壮大である。
写真と一緒に解説させてもらうが、とにかく、たくさんの絶景ポイントがある。

まず、駐車場から登山口へ向かう。
そう、ウルルと違って、峡谷内部を歩き回ることが出来る。

昔来た時は、こんな親切な看板はなかった気がする。
マット氏は膝が悪いので、カイと川沿いの道を歩くことに。
で、我々親子は、現役のスポーツクライミング選手と監督なので…まあ、監督は別に関係ないんだけど、とにかく、このくらいは歩けないとダメでしょ、ということで6kmほど歩く「KINGS CANYON RIM WALK」を行くことに。

まあ、ゆっくり歩けば大丈夫でしょう、と思いきや。
最初に現れたのが、なかなかな急こう配。
現役選手は、すいすいと直登していきますけど、中高年はそうもいかない。
細かくジグザグに、歩幅を小さく歩いて行きます。
大昔、国会でいい大人たちが繰り広げた「牛歩戦術」みたいな感じですけど(笑)、異様なほど小刻みに歩く。

何やら姑息な感じだけど、長距離を攻めるならコレ。
そうやって歩いているうちに、だんだん身体も慣れてくるので、そしたらペースを上げていけばいい。
登り切って振り向くと、もうすでに絶景が。
眼下に砂漠が拡がっていると思いきや、まばらではあるが木々が生えている。

あとは、ゆるやかなアップダウンを繰り返すだけ。
以前はなかったと記憶しているが、トレッキング・ルートを示すボードがそこかしこにあるので、迷うことはないと思われる。
途中、クライマーがみたら登りたくなるような岩がたくさんあるが、無茶をすると危ないし、SNSで叩かれるので自粛(笑)。

写真をご覧頂ければ分かるように、岩も場所によって随分表情が違う。

そして、20年前と同じ場所に到着。
出来る限り、同じような感じで撮影してみました。

当り前だけど、20年くらいじゃ自然は変わりません(笑)。

峡谷の根元には滝と沢が。
豊富に水があるせいか、ここだけ、植生が南国ジャングル風。

先に進むと、岩肌に金属のプレートと墓標らしきものが。

いったい何があったのかと調べてみたら、こんな記事が。
アントニーさんという方が雷に打たれて亡くなったらしい。
この旅がなかったら「ノーザンテリトリーで雷なんてあるの?」と思ったかもしれないが、嵐に近い大雨、雷を経験してきたので十分理解できる。
しかも、現場周辺は遮蔽物もないし、もしかしたら「もう少し先にいけば身をひそめられるはず」と思ったのかもしれない。

この辺りまできたら、あとは下るだけ。
サクサクと降りてゆき、登山道入り口に戻る。
歩いてみたら、所要時間の半分でクリア。
まだまだ脚は丈夫みたいです(笑)。
1997年当時、オーストラリアのあちこちを歩いてきたけど、ここはもう一度訪れたい場所のひとつだったので、連れて来てくれたマットとトレッキングに付き合ってくれた息子には感謝。

キャンプ場に戻ってから夕食のパスタを詰め込み、三度目の正直、夕陽に染まるウルルを撮りに行く。


イメージ通りの写真が撮影できました(笑)。
まあでも、こないだの雷雨の方がレアだったかもしれませんが。

オマケ。
トイレ・シャワー施設にいたカブトムシ(?)。

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