2022年10月11日 Z1Rの燃料計をデジタル化 おまけ

Z1R-II

先日、燃料計をデジタル化した我が家のZ1R。
デジタル表示になって見やすいことは見やすいんだけど、センサーがいい加減というか精度が落ちているせいか表示が乱高下。
「結局オドメーター頼みかい!」というのも残念なのでセンサーをどうにか直そうと…

これがガソリンタンク内部に搭載されているセンサー。
サービスマニュアルの名前は「フューエル・ゲージ・センダー」。
ガソリンがどれくらい入っているかという情報を送る(send)ので、センダー、というわけ。

カバーを取ると、このように抵抗が現れる

前回も説明した通り、スライド式の可変抵抗が内装されていて、フロートが上下すると抵抗値が変わる、というものである。
ここが機能しないと、正確な抵抗値をメーターに送れない。
現行車両なら迷わず52005-1011を発注するんだけど、当然ながら廃盤。
あとは空冷Zの駆け込み寺、ドレミコレクションから販売されているリプロ品もある。

ドレミコレクションのフューエルゲージセンサー お値段は10527円

配線を組み替えると直るのかどうか分からないけど、ここを作り変えるのは大変。
前回、表面に出ている配線をアップデートした時もかなり苦労したし。

近所に住んでいたけど、もう亡くなったZ1RライダーのSさんが「ここが壊れたらEX-4のパーツが使えるんだぞ」と言っていたような気もするけど、もう20年以上も前の話なので正確かどうか分からない。

ヒントになったのが、このパーツ。

フューエル・ゲージ・センダーとガソリンタンクの間に挟まるガスケット。
随分前に購入したものだが、旧来のパーツ番号から変更になっている。
そして、この番号で共通になっている車種があった。
つまり、フューエル・ゲージ・センダーの取り付けピッチが共通の車種があるのだ。
手っ取り早いのは空冷Zだが、Z1~Mk2までのいわゆる第一世代のZで燃料計を積んでいるのはZ1Rだけ。
あとはZ1100GP、Z750GP、Z1000R、Z1100R、Gpz1100などのJ系エンジンのマシン。
マニアな方々ならご存知の通り、こういう場合はP(ポリス)から探ると、共通部品でも安く手に入ることがあるのだが、残念ながらポリスのパーツは廃盤。

いろいろと情報をかき集めた結果、候補は2つ。
Z550用の 52005-1025 \7,062
Z1100GP用の52005-1026 \7,414
どちらも似ているのだが、Z550用のパーツはフロートにつくアームが長い。
長いということは、フロートが上下する角度が小さい。
おそらくタンクの背が低い分、アームを長くしないとダメなんだろう。
ブログで検証している方がいて、長さを見たら本当に長い。
じゃあZ1100GPやローレプ用のはどうなのか…こうなったらエイヤ!で買うしかない。
失敗したら、また純正部品の墓場へ…(笑)。

というわけで、やってきた52005-1026。

到着して気づいたんだけど、さっき紹介したリプロ品そのもの…じゃないんですかね(笑)。
写真撮るの忘れたけど、センサーのカバーも付属します。
Z1Rの純正品はゴムだけど、Z1100GPの場合はプラスチック製。

メインハーネスに繋がる2Pカプラも同じ、配線の位置も同じだからポン付け可能。
肝心の取り付けピッチは…

取り付けピッチは見事に一致!
横から見ても、ほとんど変わらない。

ただ、上から見るとZ1Rの純正品はアームがL字に曲がっている。
わざわざ大きく曲がっているのは、タンク内の凹凸を迂回しているせいだろうか…
ちょっと嫌な予感がします(笑)。

次に抵抗値を計測。

フルボトム、すなわち燃料が空になった状態だと115Ω。

満タンでフロートが目いっぱい上がった状態だと7.1Ω。
じゃあ、115Ωと7Ωね、と判断するのは早計。
タンクの中でフロートがフルスイングできるかどうかは、取り付けてみないと分からない。

ハイ、取り付けピッチはOKです。

ボルトもZ1Rのモノで長さも足りる=土台の厚みもほぼ同じ。

ひっくり返して、満タンになっている状態を作り出した場合、フロートが何Ωを差すか…
10.8Ω。
ということは、このままだとガソリンタンクの天井に当たるんだろうか?
ガソリンを入れて計測すると、満タンで20Ω近くになった。

やっぱり、この微妙な角度の違いのせいだろうか?

それでは万力とペンチでアームを少し曲げてみる。
若干の違いはまだあるけど、これくらいなら誤差の範囲でしょう。
もう一度、搭載して計測してみる。

ガソリンが空の状態で113.9Ωだから、そんなに変わらない。
次に満タンだと…

満タンになると15Ω。
さっきよりも若干抵抗値が減った。
フロートの角度が変わって、アームがより上に来るようになったので当然といえば当然なんだけど、加工したことが結果としてちゃんと現れたのが良いね。
これで、何も変わらなかったら困る。

で、もう一度カウルを外し、メーターを設定し直して完成。
作りながら思ったんだけど、これがタンクの小さい1型のZ1Rだったらどうなんだろう。
純正部品も番号が違うんだろうか。
気になって調べてみたら、1型は52005-1002なのでセンサーは別物。
もしかしたら、Z1R1型(Z1000D1)の場合、52005-1025を加工するとよいのかも。
Z1Rは明らかにD1オーナーの方が多いので、そこら辺は要注意ですな。

それから付属するカバー、これがプラスチック製で深さもあるので「取り付けたら、キャブの屋根とかシリンダーヘッドに当たらない?」と心配になるんですけど…

写真がピンボケで申し訳ないですけど、余裕あります。
Z1Rの純正品はゴムが硬化してしまって、ハメるのがすごく大変だったりする。
そのうえ、配線とセンサーの間に入っているので、このカバーだけを外して作業することが出来ない。
Z1100GP用のパーツはカバーが後付けで装着できるのでとても便利です。

□ 追記 □

実は設置した後が大変というか、思い通りにいかなかった。
おおむね燃料が半分まで減っても、ゲージは90%くらいを差したまま。
おかしいな、と思ってガソリンタンクを空っぽにすると、これはちゃんとエンプティになる。
ところが、満タンとか半分とか4分の1とか4分の3とか、半端な位置を測定してくれない。

デジタル燃料計は、おそらく満タン時の抵抗値、空っぽの時の抵抗値の差を等分にして「この抵抗値なら半分」と予想して表示しているのだと思う。
多分ね。

一方、センダーの抵抗値。
たとえば満タンで10Ω、エンプティで110Ω。
フロートの動きによって60Ωを差した時が真ん中だと思うでしょう、心情的には。
ところが、そうとは限らない。
満タンにならなくても、フロート自体が10Ωをさせば、燃料計は「満タン」と判断してしまう。
ここの調整が本当に難しい。

曲げたフロートの針金も、もう一度戻したり、メーターの設定値を微妙に変えてみたり。
個人的にはエンプティの値を厳しめにしておいて、実際はまだガソリンが残っているけどエンプティ表示した方がいいんじゃないかと…

なので満タンを8Ω、エンプティを110Ωくらいに設定しております。

ボタンひとつなので、設定に時間がかかる
4リットルのオイルジョッキを使いながら、ガソリンタンクの分量を計測…