4連休の後半。
天気も良さげだったので、試してみたい道を走ることに。
観光地としても有名な仙台の「秋保温泉」から西へと進んだ秋保大滝から、さらに西へと進んだ二口渓谷、そこから延々と続く「二口林道」を通って山形県に抜ける道のり。
林道という名前の通り、元々は未舗装道路で、宮城県の秋保と山形県の山寺という2つの観光地を結ぶルートとして工事を進めていたが、豪雨のたびに土砂崩れなどで通行不能になり、そのうち予算も無くなって放置状態だったのだが、2011年の秋に全線開通となった。
オフロード乗りたちにとっては馴染みの道だったのだが、こちとらオンロードのネイキッドなのでダートを走る機会は皆無といってよい。
ルートはこんな感じ。
山形県庁村山総合支所のWEBサイトより抜粋。
通勤からツーリングまで、ほぼ毎日乗っている筋金入りのライダーに二口林道の情報があるか聞いてみた。残念ながら未踏の道らしく情報は得られなかったが「思ったよりも寒いのでフル装備で走って下さい」と念を押される。
何しろ、この頃は新聞配達のオッサンのような「普段着」そのものでゼットを転がしているから、周りからの評判がよろしくない(笑)。
少佐だってノーマルスーツを着ないじゃないか。
しかし、雨の日も風の日もマシンに跨るライダーの意見は貴重。
というわけで、こちらの装備を引っ張り出してくる。
なつかしのVNS-1。まだ健在。
ラングリッツ・レザーのコピーモデルは袖を通すたびに悲しくなるので処分したけど。
これまた久しぶり。20年以上昔、上野で買ったトニー・ラマのリングブーツ。
「ホントにトニー・ラマでこんなの作ってるのか?」と店主に詰め寄ったが、否定しなかったので、自分の中ではトニー・ラマ(笑)。
そういえば、穴の開いたグローブは、ぜんぜん新調する機会がなかったので、敗れたままのを使ってます(笑)。
そして今回は車載工具も持参。
車載工具といっても「こいつらがあれば、きっと生きて帰ってこれるはず」というものを選抜。
だいたい、考えられるトラブルで「道具があれば自走で帰れたのに」と悔やむのが「クラッチワイヤー」が切れるとか、転倒してステップが折れたとか、レバーが折れたとか、そんな感じだろう。
灯火類は、無ければ無いなりにどうにかなる。
クラッチワイヤーも、無ければ無いなりにどうにかなる。
昔、50kmくらい彼方から、クラッチなしで帰還したことがある。
シフトアップは回転数を合わせ、ダウンは無理矢理。
いちばん困るのが信号停止。うまいことニュートラルに入ればいいけど、それは無理なので、キルスイッチでエンジン停止。
ゼットはエンジン停止状態ならクラッチを切らずともエンジンに火が入る。
それを利用して、1速にギアを入れ、押しがけのような感じでセルを回す。
体重が乗ってないので車体は前に進もうとするから、火が入ったと同時にアクセルを開けて、ヒラリと飛び乗る。
書くのはカンタンだけど、一歩間違えれば転倒のリスク大。
切れる可能性があるのだったら、ワイヤーを持って行くのが吉。
積んでいるだけじゃどうしようもないので、クラッチワイヤーを交換するための工具を選ぶ(車種によってそれぞれ)。
それらしくペンチだのレンチだの入れてみたけど、10mm、12mmがあればたいていのことは出来るし、ドライバーは基本でしょう。
チキンなので、予備の配線、強力なテープなども持ち、あとはテスターまで持って行ったという…電装トラブルになった時、どこが原因か分かるので。
どこまで信用がないんだ、このマシンは(笑)。
実は一番困るうえ、新旧どのマシンでも平等に訪れそうなトラブルがある。
それは、パンク。
チューブレスだろうがチューブだろうが、修理キットと空気入れがなければ、いつまで経っても走れない。
というわけで、こんな感じのアイテムが役に立つ。
スペアタイヤがオプションから外された最近の自動車には、よく使われている。
とりあえず、これらを持てば安心でしょう、ということで走り出す。
連休渋滞の国道やらバイパスにため息をつきながら、どうにか1時間半後には秋保大滝に到着。
ここまで来るのに何台かのバイクとすれ違っているから、おそらく二口林道は今日も問題ないのだろう。
自販機で買った炭酸水を少し飲んで、すぐに出発。
二口林道の入り口は、秋保大滝の駐車場から10分足らず。
夏場ともなれば、川遊びの家族連れで賑わうレジャースポットでもある。
木立に挟まれた狭く曲がりくねった道は一応ミニバンでも走れることにもなっているが、幅員が狭いところですれ違うためには、どちらかがバックしなければならない場合もある。
バイクはそうもいかないので、あまりクルマの後ろに近すぎると、下がるに下がれない、ということもある。
特に大型バイクの場合、緩い下り坂だと完全に身動きが取れなくなるので、車間距離は開けておいた方がよい。
それから林道でも、時々陽が当たる場所はいいのだが、年中鬱蒼とした木々に日光を阻まれているところは、路面にコケが生えている。
そういうところは、ウェットコンディションではスリッピーになりがちなので気を付けたいところ。
それから、たまに路面に砂利が残っていて、何度かフロントを持って行かれそうになった。
リアが滑っても、どうにかなるが、フロントのグリップを失ったら、気づいた時には地面が目の前に迫って「ご愁傷様」となるのは、何度も経験済み。
硬くなりがちな上半身をリラックスさせながら、うまく切り抜けよう。
写真が壊滅的にヘタクソなので申し訳ないのだが、二口林道の一番高いところから、山形の街並みを見下ろす…はずが、光で抜けちゃってる(涙)。
今日イチバンの景色だったのに…スマホはダメだな(と、責任転嫁)。
二口林道も終盤に来ると山寺が見え始める。
ちなみに、この近くにはフリークライミングのスポットも。
12時くらいだったので昼飯でも食べようかと思ったが、さすがシルバーウイーク。
多少なりともコロナの影響はあるんだろうが、それでも大混雑。
人混みは苦手だし、そんなに腹も減っていなかったので、山形市方面へ。
といっても市内に入るのではなく、西蔵王高原ラインを経由して蔵王エコーラインに入って折り返すルートだ。
山寺から走り出してすぐ、シールドに大粒の雨粒が。
思わず空を仰いだら、低く暗い雲がベッタリと空を覆っている。
革ジャンを着ているので多少の雨粒は防ぐことができるが、下半身はデニム1枚だけ。
幸い、すぐ「べにばなトンネル」に入ったので、後ろを注意しながらペースダウン。
トンネルを抜けたら大雨…なんてことないように祈っていたら、向こう側は晴れていた。
対向車も濡れている雰囲気はない。
昼飯を食べようかと思ったが、雨が降らないうちに先を急ぐ。
西蔵王高原ラインに入っても、雨が降る様子はない。
休む間もなく蔵王エコーラインに合流して、お釜に到着。
到着と言っても、お釜はスルーして、少し降りたところでトイレ休憩。
遠刈田方面からお釜に向かう道は、ビックリするほどの大渋滞。
それもそのはず、お釜の駐車場付近で、数台の自動車が停まっていた。
あるクルマはボンネットを開けていたり、また少し先では路肩に変な感じで停まったクルマがハザードを焚いていた。
これじゃ進みようがない。
運の良いことに、こちらはスムーズに流れている。
しかし、いつここも渋滞するか分からないので、早めに撤収。
エコーラインを走り終え、いつもなら遠刈田温泉を経由するのだが、多くのクルマやバイクがそちらに折れるので、青根温泉を経由して川崎町へ。
ここまで来ると、だいぶ気温が高くなってきたが、それでも革ジャンを脱ぎたくなるほどではない。
田んぼの色を見ての通り、いつの間にか秋も深まっているようだ。
あとは、また仙台の街中を通って帰宅。
だいたい200kmくらいだったと思うが、9:30から15:00まで、撮影以外はほとんどノンストップで走り切った。
ツーリング程度の走りだったら、まだまだ大丈夫(笑)。
ちなみに、今回のルートだが、Reliveというアプリでこういう動画を作ってみた。ネットが通じなかったこともあり、アプリ上の写真撮影場所と、本来の位置が大きくずれているところもあるけど、なかなか楽しい。
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