2022年06月24日 Z1RのUSB給電ポートを改善

Z1R-II

こないだまで肌寒い日ばかりなのに、東北も暑くなってきました。
昨年の今頃は林道アタックばかりしていたのですが、今シーズンは未だ何処にも行ってません。
暑くなって雑草が伸びてくると、虫も多くなってくるので行きたくないんですよね~

さて、今回のお題はタイトルにもある通り、USB給電ポートのリファイン。
着くようにしか着かないパーツなのですが、途中に挟まっている変圧器がどうも調子よくない。
何となくわかっているけど…エンジンの真上という住環境がよろしくないのでしょう。
「えーでもそんなことトリセツに書いてたっけ?」

DAYTONA (デイトナ)の取扱説明書より抜粋

…ありました(笑)。
しっかり書いてましたね。

取説にはポートから500mmと書いているので、長さは十分なような気もするのですが、良い感じに配線を取り回そうとすると…特にZ1Rのようにメーターパネルがついていたりすると、配線が大きく遠回りしてしまって、変圧器がエンジンの真上にしか来ない…

画面中央部、フレームにタイラップで固定されているのが変圧器

ちなみに、これは何をするパーツなのか。
ACC(アクセサリ)電源から頂戴した直流12VのままUSBポートから出力してやると携帯電話などの電子機器にはオーバーパワーになります。
なので、ここで12Vで入ってきた電気を5Vに抑え込んで流してやるわけです。
取説には変圧器と書いているけど、コンバーターの一種です。

もうひとついうと、スマホの充電器(コンセントに差して使うヤツ)の箱は、日本だと交流100V(海外だと240V)から直流を作り出すインバーターと呼ばれております。

話を元に戻しましょう。
このコンバーターがこの位置にあると、空冷エンジンから放射されたとてつもない熱にさらされ、取説にある通り充電が出来なくなる。
外気温20℃程度だった5月のツーリングでもシャットダウンするくらいなので、真夏は早々に動かなくなることが予想される。

というわけで、コンバーターを移設することに。
配線のイメージはこんな感じで。

施工は単純。
コンバーターはシート下のメインハーネスが集中している部分から電源を取り、ボディアースしているので、線を伸ばしてコンバーターを前方に移設する。
従来の配線も活かせるので、これが良いでしょう。

作業を開始する前、電装系をいじる場合はバッテリーを外す、もしくはマイナスを外しておく。
何かの間違いでショートさせたりすると、あちこちぶっ壊したり、感電するので。
12Vくらいじゃ感電しても大したことないだろうけど、火花が散って、散った火花が剥き出しの燃料系にホールインワンして大爆発を起こさないとも限らない。
「でもフューズついてるから大丈夫じゃないの?」
というかもしれないけど、作業中だと未だフューズを介していないこともあるし。
全て繋いで作業を終わらせ、確認してからバッテリーを繋がないと。

ちなみに、スターターリレーの極性を間違え、繋いだ途端にセルが回り出して大慌てしたこともあるので、電装系の作業は十分に注意しましょう。
そこさえ注意すれば、エンジンやキャブなどの整備よりもハードルは低いです。


では、いよいよ作業開始。
まずは配線を止めていたタイラップを撤去して、配線をフリーにしてやります。
カプラがついているのは、フューズを介しているため。
ここはいじりたくないので、同じサイズのカプラを使って線を延長してやることに。

まずは、こんな感じで、おおよその長さを決めます。
ジャストサイズにすると、あとで取り回しを変更した際、短くて届かないという非常事態に陥ることもあるので、やや長めにカットしてやります。
線のサイズは元に合わせてやります(取説では適合配線:AWG14-18 / 0.75-2sq)。
こういう時、自分を含めDIYサンメカは太い線を選びたがるけど、そもそも大きな電流や電圧が流れない限り、規格以上の配線を組んでも無意味…とは言わないけど、太い配線は材料費も高いし、場所を取ってしまうので…

目安がついたら、配線が邪魔にならないようにスパイラルチューブへ入れてやる。
スパイラルチューブ以外でもいいですけど、剥き出しにはしない方がいいんじゃないかな。
てのは、タンクの脱着で引っかけたりする可能性もあるし、それで被膜を傷つけてショートしたらよろしくないでしょ?

スパイラルチューブならカプラをつけてからでもいいんじゃない?
と思うかもしれないけど、長いと緩めるのが大変だから両端がフリーの時に入れた方が吉です。

スパイラルチューブを巻いたら、カプラをつけます。
正直、ここをカプラにするか、はんだ付けにするかは悩みました。
Z1Rから外して他車種につける可能性はゼロに近いけど、後の加工やリファインが楽になるよう、ここはカプラで。

片方のカプラを付けた段階で、配線の長さを調整。
ステアリングステムを境に前と後ろに配線が走る場合、ハンドルを左右にフルで回して影響がないことを注意してください。
「影響するのは左側だけでしょう」なんて考えず、ちゃんと両方に振り、配線が突っ張って切れそうになったりしないように。
パーツと配線が一番長くなるであろうポジションに合わせて、配線をカット。
2Pカプラで間違えることは無いと思うけど、それでもミスをするのが人間なので。
特に電源(+)とアース(-)を間違えると最悪ですから。

コンバーターの移設場所はフロントフォークのホルダーへ。
もともと純正のマスターシリンダーがついていたところで、スペース的にも問題なし。
取付方法は、いつものタイラップ+ゴムチューブのフローティング。

けど、これはビキニカウルでコンバーターが隠れるZ1Rだからこそ出来るわけで、カウルの無いネイキッドだと、配線の長さを逆算したら、やっぱりタンクの下やエンジンの真上になると思う。
水冷エンジンでシリンダーが前に倒れているような…FZ750(例えが古すぎてゴメンよ)みたいなバイクだったらいいかもしれないけど。

シート下、バッテリー付近に設置を想定しているのであれば、もう少し前側のハーネスを長くしてくれないと、うまくレイアウトできない。
DAYTONAさん、リニューアルよろしくお願いします。

ボディアースも混雑してきたから、少し整理しないと…

ボルトは家のおつかいに行った時、立ち寄ったホームセンターで買ったもの。
何の変哲もない、色気もないボルトです。

普通のホームセンターなんだけど、この辺じゃあまり在庫していないボルト類が置いてあり、なかなか楽しそうでした。

ボディアース含めて電装系は、+ドライバーでも回せるボルトにしている。
電気を通す素材なら何でもいいんだろうけど、バッテリーのターミナルは基本的に+のボルト。
作業する際、バッテリーを外すのは+ドライバー、アースを外すのは10mmソケット…ということはしたくないので、こういうボルトにしたわけです。

で、いよいよ実験開始。
全国的に真夏日となった週末なので、テストにはうってつけ。
80%以下になったスマホにインカムをペアリング、音楽を再生しつつ、ナビアプリを立ち上げて、かなり忙しくさせた状態…ようするにツーリング時と同じ状況にして、あちこちを走り回ってみる。

10kmほど走ったところで小休止。
スマホはぐんぐん充電してくれて、バッテリーも95%まで上昇したので大丈夫でしょう。

ところでインカムで思い出したけど。
ちょっと前にオーダーした B+ COM ONE、ぜんぜん入荷しない(笑)。
中国のロックダウンやらウクライナ・ロシア戦争やら、日本の円安やら、とにかく逆風が吹き荒れておりますが、バイク乗りが待ち望んでいた夏も間近です。
安全運転で走りましょう。