Kawasaki Z1R オーストラリア一周単独ツーリングレポート番外編 France旅行記

オーストラリアバイク一周

■1997年 8月 6日 Paris

フランス、お仏蘭西編でございます。
フランスといえばおそ松くんのイヤミ。フランス通らしいが、自分をミーと英語で呼んでいたのはおかしいんじゃあ…まあいいか。
フランスというと、何だ?
シャルロット・ゲンズブール、ルノー、ポトフ…。
そんなイメージしかない(笑)。

「まー実際見て、食って、空気を吸えば、またイロイロ見えてくるだろう」
意気揚揚と税関を出たら、いきなりの…いきなりの災難である!

何とロスト・ラゲッジ!
荷物の紛失、というヤツである。
やられた…そもそもヒースロー空港からの乗り換えの時から怪い気配が漂っていたのだ。
「荷物の一部を見失いましたために出発が遅れます」
とかアナウンスして1時間くらい遅れたし。ロストラゲッジと関係あるか分からないが、ヒースロー空港は空港職員が乗客の預け荷物を盗むので有名なのだ。

トラブルもあり、何だかんだで、パリ市内に到着したのは午後3時。
宿泊先が決まらないと荷物が出てきても届けられないので、仕方なくホテルを予約。本当なら、パリだけではなく、ブラブラとあちこちを回りたかったのに…

空港の中にある観光案内所で
「ボクみたいに不幸な人間がいるだろうか?初めてのヨーロッパ、初めてのパリで荷物が無いなんて…」
と、交渉してというか泣き落としの演技で、2つ星のホテルを一泊税抜き230フランで、5日で税込価格1170フランにディスカウント。
※1997年8月頃のレートは、1フラン20円弱。20円換算でも素泊まり4600円。貧乏旅行者には痛い出費である。

ホテルは凱旋門のすぐ側。
シャンゼリゼ通りから、少し路地裏に入ったところにある小さなホテル。
しかし、何とパディントンを出発して以来、初めての1人部屋!
本当なら気持ちも晴れやかなのだが、着替えも何もない…
ホントに出てくるのか、オレの荷物は…
のっけから、大波瀾のフランスである。

■1997年 8月 7日 Paris

気を取り直し、とりあえず市内観光へ繰り出す。
まずはオペラ座を見に行ってみる。
パリ市内は網の目が如く地下鉄が走っていて、大抵の場所には駅がある。
路線図を見ると複雑そうで頭がクラクラしてきたが、地図とにらめっこするより、実際使ってみると意外にカンタン。
実にシステマティック。

ただ、キップ一枚買うにもフランス語。
「きゃなーいはぶ(Can I have)…」は通用しない。
「あん、びれ、ぱりろわいやる、しるぶぷれ」である。

たどたどしいフランス語で切符を買ったら、駅員のオバちゃんに「トレビアン」と拍手される。
『大変よくできました』ということなのだろうか。
あんたらも、観光客でメシを食ってるんだから、英語のひとつくらい喋れよな。
そーいう日本もそうだけど、こっちは喋らないんじゃなくて、喋れないんだから。
情けないけど。

オペラ座、パリロワイヤル、マドレーヌ教会、コンコルド広場など有名どころを一気に見て回る。
歴史の重みというか「これぞヨーロッパ」的なデザインの建築物がガンガン視界に飛び込んでくる。重厚かつ様式美の世界だ。

本当は年代によって違いがあるのかもしれないけど、素人日本人にとっては全部ひっくるめてヨーロッパ。
京都を訪れた欧米人も、こんな感覚を味わっているのかも。
 
ちょっと違うのは、ヨーロッパの人々は、そのスタイルに美意識とプライドをもっているんじゃないのかな。
日本のトラディショナルな建物だってもっと残ればよかったのに…
地震や湿気なんていう天敵が多いから難しいのかもしれないけど、現代建築の技術でカバーできなかったのかねえ。
とかいいつつ、個人的には西部劇に登場する家屋に憧れてたりして(笑)。 
 
この時期、夏休みなので、パリは観光客でいっぱい。
日本人もあちこちで姿を見かけた。

凱旋門のレリーフ
マドレーヌ寺院
どこに行っても気になるのはモーターサイクル。クルマのエンジンを積んでいる。
オペラ座の外観
本当に細かい処までよく作り込まれています
建物の中。さすが、豪奢な造りである

歩き疲れて、立ち止まると、もはやお昼を過ぎている。
そんで何故かパリで鰻の蒲焼を喰う。
野田岩という老舗うなぎ専門店の支店なので、味はよかった。
そういや、こういう鰻を食べるのは生まれて初めて。
我が家、いつもスーパーで買ってきた鰻しか食ってないので…

しかも、店の人がもんのすごい親切。
うなぎは何処其処で獲れたもので、以前のものと比べるとこれこれで…と、いろいろ教えてくれた。
腹いっぱいになって、店を出ようとしたら雨が降ってきたんだが
「雨が止むまで休んでいってください」ときたもんだ。

これがサービス業のあり方。
客はこんな小さなことでも満足するものだ。
客が入らなくて困っているなら、もう一度自分の周りを見回してみるといい。
小手先の戦術、利益の追求だけに走る経営者は、ロクなもんじゃない。

顧客の満足度。この対価として売上と利益がもたらされるのだ。
抽象的なコトバばかり連呼して、いたずらに会議を長引かせるヤツもいるが、誰も本気で聴いちゃいないのだ。
「出来るやつほど謳わない」ものなのだ。
ルーブル美術館の近く、チュイルリー庭園の方に行くと見つけられます。
日本の味に恋しくなったら、いってみてちょーだい。

話がそれてしまった。
それにしても荷物、未だ見つからない。
英国航空(British Airways)にクレームの電話をかけまくる。
さんざん文句を言ってやったが、英語だったのであまり気のきいたことを言えなかったのが悔しい。

情けないことに、その日に着たTシャツ、パンツ、靴下をバスタブで洗い、部屋にいる間は素っ裸。
季節が季節だけにラッキーだったが、災害でも起きたら丸裸で脱出しなければならないのだ。

どうするんだ、この先?

■1997年 8月 8日 Paris

BA(British Airways)に対しては、Fから始まる罵詈雑言しかない。
もうパリの旅はそれに尽きる。

全然荷物が出てこないじゃねェか。
このクソ暑い日ざしも、横断歩道の信号がいつも赤なのも、オレの脚が短いのも全て英国航空のせいだ!
カネを払って乗ってやってる客の荷物を何だと思ってるんだ!

そりゃオレは貧乏人だから、あと何回海外旅行でBAを利用するか分からないけどさ。
対応はムチャクチャ悪いし。激怒しても事態は変わらない。
この頃、御厨さと美の「裂けた旅券」を読破していて、マレッタ・クレージュのような女の子と出会っていたら、この時の怒りも忘れていただろうし、多分、そのままパリから帰ってこなかったと思われる(笑)。

そんで、毎度どの国でもお世話様のマックで朝飯を喰う。
「ああ、すんげぇうめえ!!」というものではないが、ISOなみに統一された味は、どこに行っても外れがない。
とりあえず腹にたまるし。マクドナルドは旅の友かもしれない。

今日もまた市内観光。
ノートルダム寺院、映画で有名なポン・ヌフ(ただの橋だった)、クリューニ美術館を回る。
が、連日の猛暑でかなりまいってしまう。

街を歩いてみた感想を言えば「歩いても歩いても、古い建物ばかり」というのが正直なところだ。
だんだん、目が慣れてくる。

日本みたいにあちこちぶっ壊すよりマシなのかもしれないが、それでも飽きがくる。
見る人が見れば楽しめるのだろうが、強烈に見たいという気持ちがないのだからしょうがない。

本当ならバイクや車で走れればよかったのだが、右側通行で事故ったらシャレにならない。それに、パリに限らず、街は歩きや自転車で移動してみた方が、面白いものを発見できる。

看板やマンホール、店の雰囲気。注意してみると今まで見たことがないモノに驚かされる場合がある。
何だかんだ言って、楽しみを見つけてしまうのだ。

■1997年 8月 9日 Paris

この日も荷物が出て来ないってんで、朝から買い物。
Tシャツ、パンツ、靴下…オレ、何やってんだろう。
買い物袋を持ったまま、軍事博物館へ。
軍事博物館といっても、ミサイルとかルクレルクが展示してあるわけじゃなくて、中世の鎧とか籠手とか兜が並んでる。

鎧や甲冑ってカッコいいよね。
良識ある人にしてみれば「人殺しの道具をカッコいいなんて不謹慎」なのかもしれないけどさ…
鎧は日本のもそうだが、ひとつひとつ凝ったつくりでしょう?
動物をモチーフにしたデザインを取り入れてみたり、カービング(彫刻)も細かくて。
 
量産品っぽいものもあるけど、それでもやっぱりひとつひとつ違うんだよね。
あれはひとつの芸術作品といっていいだろう。

この軍事博物館には何百…いや何千という鎧が展示してある。
修復用の作業室らしき場所には、兜、篭手、胸当てとジャンル分けされた鎧が並んでいた。
まるで、メーカーの物流センターだ。
もう、1個くらいもらってもいいくらいイッパイある。
あんなにいっぱいあるんだから、売店で売りさばいてもいいのに。
オレなら迷わず買うぞ。

帰りに、思わずジャッキー・チェンの映画を観る。
ちなみに、ここの映画館、エアコンぶっ壊れてて、涼みにきたオレの思惑はもろくも崩れ去った。

でも、舞台は何とオーストラリアだったのだ。
しかもブリスベン!車のナンバープレートも、テレストラの電話ボックスも懐かしい!

しかも英語の台詞だったので大助かり(字幕はフランス語…て、いつの間にか、英語で映画が分かるようになってたのね、オレ。
偉くなったもんだ。

と、宿に帰ったら、荷物発見の知らせが!このTシャツとパンツの立場は一体…
でも、フィンランドで買ったお土産を日本に送ることが出来るので、ひと安心だ。

■1997年 8月10日 Paris

今日の予定は、最後の最後に取っておいたルーブル美術館。
ニケの彫像、モナ・リザ、ミロのビーナス…本物が置いてあるわけだが、ハイシーズンに加えて入場料半額の日曜日なんで、えらい大混雑。
それに、この美術館は広過ぎる!
駆け足で回っても、どれくらいの展示物が見れるんだ?


こりゃたまらんってんで、見たいものを絞って文字通り駆け回る。
写真をビシバシ撮りまくってる人がいるけど、ガラスケースにフラッシュが反射するから無駄である。考えて撮らなければいかんよ。

前半快調に飛ばしていたオレだが、人混みアレルギーが発症したのかギブアップ。またいつか(そんな日があるんだろうか)来ればいい。

その後、サクレ・クール寺院へ。
街の北部、しかも高台の上にあるのでパリ市内が一望出来た。
クソ暑いなか、苦労して登ったかいはあった。
ところで、こういう歴史的建造物に落書きするヤツいるんだよな。
英語やフランス語に混じって日本人のもあった。
「太郎LOVE花子」とか書いて…

お前ェら、呪われるよマジで。
こういうのは全人類の遺産なんだからさ、せめてガードレールに「タケダ参上」くらいでやめとけよ(笑)。ホントはそういうのもダメだけど。

それにしても、クソ暑いのとロスト・ラゲッジでさんざんなフランスだった。
春か秋に、ちゃんと金持ってくれば、楽しいんだろうけど…もちろん、独りだとつまらない。
今度は、誰かステディな女性と御一緒したいものである。 
それから、やっぱりヨーロッパは物価が高い…次のイタリア、大丈夫だろうか?

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