2005年11月10日 Z1R NUTEC NC-900施工&スプロケ530化

Z1R-II

夏のツーリング以来、何かとトラブルまみれのZ1R。
エンジンがまともにかからない、オイルが漏れる…もう限界です。
ひとつずつ問題を解決したいところだが、安月給のうえ子供の召使状態のオレには時間も限られる。

我が家はツマがGSXR750を駆るので(ホントに駆るといった表現が当てはまる)、バイクライフには理解がある。
しかし、そうじゃないダンナの方が多いんではないだろうか。

結果として、バイクが飾り物になる。
飾っておけるならまだいい方で、バイクを降りてミニバンのステアリングを握るだけ…
乗りたくなくて乗らないならいいけど、自分の意志に反して…というのは悲し過ぎる。

それもこれも、バイク…特に旧いバイクは金食い虫なのだ。 
金食い虫は金以外にも、時間もたっぷり食ってゆく。

そんなオレに一筋の光を当ててくれたのが、NUTEC(ニューテック)。
数年前まで「何それ?」というブランドだが、近年はフォーミュラ1、CART、WGP、WSBのチームにオイルを供給している。
もともとフランスのオイルメーカーでレース部門で働いていた人が、何人かのエンジニアと創ったメーカーである。

「より実戦的に、より実用的に」をコンセプトとして開発された商品はオイルだけにとどまらず、数々の添加剤もラインナップに加えている。
そのなかで、ニューテックが積極的にアピールしているのが『パワーアッププログラム』と呼ばれるものだ。

MOTO GARAGE WINDS 代表のカマタさんいわく『非分解整備』という新たなチューニングのジャンルである。
パワーアッププログラムは段階的に4つのステップを踏んで行われる。

STEP1では、燃焼効率のアップをはかるべく、NC-120(キャブクリーナー)、NC-220(スラッジリムーバー&フューエルブースト)。STEP2は効率よい燃焼環境の復活として、NC-900(リ・カバーカーボンリムーバー)、STEP3では圧縮圧力を回復し、熱効率を向上させるNC-202(コンプブーストフォーエンジン)、仕上げのSTEP4がエンジンの能力を引き出すための各種エンジンオイルやオイル漏れを抑制するNC-81が用意されている。

全部やってみたいのは山々だが、実際悩みの種である部分を解決してくれそうなアイテムを試してみることに。
まずは、年月が経つにつれて深刻になりつつあるオイル漏れを解消するため、NC-81プラスオイルシーリングから。
一体どれくらいのレベルのオイルリークが止まるのか。
カマタさんを通じてニューテックに問い合わせると、数秒に1回しずくが垂れるオイルも止まったという。

方法はいたって簡単。
エンジンを暖機させたら一度機関を停止。
オイルの注ぎ口から規定量のNC-81プラスオイルシーリング(オイル量による)を入れたら、30分ほどアイドリングする。
以上。オシマイ。

正直、その話を聞いた時は半分信じられなかった。
大体、ケミカル類の大半は「施工したという満足感」以上の効果はないと思っていたからだ(現に自分がそうだったから)。
多分入れたとしても「あまり止まらなかった」「少し止まった気がするが、結局のところ問題は解決されていない」で終わるのではないか。

しかし…
プッチンプリン並の手軽さで、オイル漏れが止まるなら…
液体ガスケットのてんこもりと、高回転走行後のダダ漏れに嫌気がさしていたので、藁をも掴む気持ちでトライ。

手順は先に示した通り。
アイドリング30分は別として、施工時間はわずか数分。
横でタバコを吸っていても、1本吸い終わるかどうかの短い時間でオシマイ。

エンジンの外側を十分に脱脂して、帰路につく。
普段なら、新たに漏れが出てくる。
おそるおそるエンジンを覗いてみる。

「ああ、やっぱり」
若干の滲みを見つけて、落胆。
しかし、明らかに漏れは減っている。何より驚いたのが、Z系エンジンの宿命ともいえるステーターコイルグロメット(クランクケース左下)からのオイル漏れがピタリと止まっていることだ。
ここは、どんなことをしても止まらず「対策品に交換するしか道はない」と言われていた部分。
他にも「一体どこから漏れているのか分からないが、常にここがオイルでベトベト」という箇所についても、ピタリと止まったから驚きだ。

その後、洗浄&走行を繰り返していたら、随分漏れがなくなった。
残念ながら100%とはいえないが、それでも施工前の状況を考えれば十分合格点だ。

また、NC-81プラスオイルシーリングは、オイル漏れだけではなく圧縮漏れの抑制やフリクションロス・メカニカルノイズの低減にも効果があるという。

これまでエンジンをバラしてガスケットを交換するしかなかっただけに、手軽さもさることながら6300円という価格もかなりあり難い。
オイル漏れに悩まされているならば、一度使ってみることをお勧めする。

次に試したのが、NC-900(リ・カバーカーボンリムーバー)。
燃焼室内だけではなく、ピストン頭部、燃焼室表面、バルブシート、バルブ表面、ピストンリング付近のカーボンを除去し、圧縮圧力および燃焼効率を回復させるというもの。

我がZ1Rは、純正キャブの不調、その後装着したTM-MJNのセッティング不良(今は解決したけど)等により、随分とカーボンがベッタリしている。
プラグ交換の際、ピストンがすぐそこまで見えた時などは、憂鬱な気分になる。

とはいえ、これが現実。
ピストンがそこまで黒いということは、他の部分も随分汚れているハズだ。
オイルシーリングでニューテックのすごさを体感したものの、高温・高圧縮で堆積したカーボンがそう簡単に取れるとは思えない。
実は「取れたといえば取れた気もするし、まだまだ残っていれば残っているといえる」結果に終わるのではないか。

今回のNC-900(リ・カバーカーボンリムーバー)施工には、WINDSのカマタさんに加え、ニューテック総代理店の日本オイルサービス株式会社 ニューテック事業部の後藤 啓介さんに全面協力を頂いた。

施工はこれまた簡単で、特殊装置はほとんど不要。
暖機されたエンジンを停止し、ピストンの高さを揃えたところでプラグホールからNC-900を注入。
ノズルから出た成分が、泡状になって燃焼室に広がっていく。
液剤が発泡するため、少ない量で燃焼室の隅々まで行き渡るらしい。

後は30分ほど待つだけ。
燃焼室ではどのようなことになっているのか。
泡状だった液剤は、赤みがかった色になって燃焼室に
溜まっている。

10分少々が過ぎた頃には早くもカーボンが剥離し、ピストン頭部に刻まれた「オーバーサイズ0・5mm」を意味する刻印がハッキリと見える。
ここまで見ただけでも、効果が判明。

待っている間、後藤さんが抜いたプラグをNC-900に浸す。
これまたタバコを一服二服している間に、プラグはピカピカに。
後藤さんムチャクチャ親切です。
フツーなら、メシフロ寝る寸前の時間帯なのに、笑顔で作業に当たってくれています。
そうこうしているうちに30分が経過。
エアを利用して燃焼室内に溜まった液剤を抜き取る。
中から出てきたのは、真っ黒い液体。

施工後、諸事情により満足の行くように走れなかったが、ガサツな加速感が消えたように感じる。
エンジンを身体の一部と同じように感じるほど敏感ではないが、施工前の部品のひとつひとつの表面をブロックタイヤだとするならば、施工後はスリックタイヤのように滑らかになった感覚だ。
特にゼロ発進から中低速あたりの「エンジンが回り出すまで」が分かりやすいのではないだろうか。

もちろん、それが体感できなかったとしても、カーボン除去の恩恵は大きい。
撮影機材の関係で内部をお見せ出来ないのが残念だが、本当にピカピカになるのだ。

終わったら液剤を抜き取るだけ…しかし、きちんと抜かないとマフラーから煙が出まくってタイヘンらしい
こんな夢みたいな商品が定着すれば、バイク屋さんも仕事がなくなるのでは?
後藤さんいわく「これまで定着したエンジンを下ろしてバラしてのヘビーチューンのニーズは決してなくならないと思います。しかし、それは誰もができるものではないでしょう。色々な事情があって、本当ならチューンしたくても出来ない方々は沢山いるはずです。結局は何とか高い金を出してチューンするか、全然やらないかのどちらかです。その間をとるのがNC-900をはじめとするアイテムなんですよ」

確かに、バラして部品を買って組み上げて…というのは、かなりの費用が掛かる。
例え、自分でフルOH出来るアマチュアメカニックであっても、部品代+作業時間は重くのしかかってくる。
今回の作業は、どれも数十分から1時間以内に終了するうえに、安上がり。
そして何より、客観的にその効果が見て取れるのが、ケミカルにありがちな「良くなった気がする」「多分、前と違う」というような自己暗示(自己満足?)に陥らずに済むので、精神衛生上もよい。
ニューテックが提案する『パワーアッププログラム』は冒頭で述べたような「費用も時間もない」(特にオレのような)ライダーには、ぜひともオススメだ。

最後になりましたが、夜遅くまで付き合って頂いたカマタ代表、後藤さんありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。

話は前後するのだが、以前…もう数年前から自分の中では課題だったチェーン&スプロケの530化。
早く何とかしなければと思いつつ「チェーンが伸びてからでいいや」「まだスプロケの山があるからいいや」と、ほったらかしになってました。
だって、ホントに大丈夫だったんだもの(笑)。

そろそろ尖り気味だなと思った春、ついに発注のTELを入れる。
合言葉は「530」。
それで全てがOKのハズだった…

え?誤植じゃないですよ。
そう…春…春に注文したのよ。

ところが、待てど暮らせど来やしない。
部品発注から整備まで、いつもお世話になってるWINDSのカマタ代表には、会う度に「まだ来ないの?」と尋ねるが、彼も首を横に振るばかり。
「おいおい待ちなヨ。どんなスプロケ頼んでるんだい、アンタ?」
突っ込んでくれた方、センキュー。 

オレが今回欲しかったのが、スーパースプロックスというメーカーのスプロケ。
どうです?WEB見てみました?カッコいいでしょ?

何ていうのかなァ…どうしてこんなことしちゃったの的デザイン…ハッキリ言って性能はどうでもいいです。
日ごろ、キンピカなカスタムを鼻で笑うワタクシですが、この時はじめて彼らの気持ちが理解できました。
 
カッコよければ何でもあり。
座ったら弾きづらいギブソンのフライングVも(エクスプローラーもそれなりだが)、鉄仮面のようにイカついが使いづらいらしいクローズドフェイスリールも、メルカバも見た瞬間にカッコいいでしょ?
 
カッコいいんだけど、来ない。
いつまでたってもバックオーダー。
日本の代理店たるケンソーに問い合わせてもOUT。

待つこと数ヶ月。
もー待ちくたびれました。
ていうか、すでにシーズンオフになりかけてるし。

仕方ないのでアファム頼みました(笑)。
このスプロケにコーディネートしてRKの黒金(ブラックスケールというらしい。カッコいいでしょ?)を用意したのに!!
しかも、結構高いのに(涙)。
これなら、素直にセットで売ってる530コンバートキットでよかったッス。
黒いパーツで構成されているZ1Rが、さらに黒くなりました。

これがいいんじゃない?とオススメのブラックスケール。
しかし本来は…うう、もう言うのはよそう 非常にコ汚いです。ステーターから伸びているハーネスもいい感じでヤレてます。
多分、このバイク、バ○ク王に持っていっても査定ゼロです(笑)

脂がついているので、黒金よく分かりません ていうか、マフラーつけたら、ほとんど見えない?
最後は集合管つけるしかない?
で、インプレ。
乗った時の状況はよく分かりません。
少し、ロングな気もしますが、あくまでメーター上の問題。
鈍感なオレは、そこまで気づきません。ツーリングでのんびり走れれば、問題なし。
それより、駐輪スペースからアパートの前からさらに離れた、人っ気のない道路まで押していくのが楽になりました。
これ、すごく重要な問題です。
ノーマルとはいえ、ドリュリュリュ…と音がウルサイので、よそでエンジンかけてますんで。

エンジンかけてますっていっても、この頃ちっともセルが回りません(笑)。
笑い事じゃないです。
こないだ(といっても、夏の終わり)、山形で隠れZミーティングに参加したのだが、エンジンがかからなくてすごく恥ずかしい思いをしました。
「オレのマシンは勘違い野郎たちのZ以下なのか!?(爆弾発言ともいう。でも、一般公道で空ぶかしはイカンでしょ。おみこしみたいに改造するのは勝手だけど、ウルサイよ。RR誌的カスタムの連中も、公道で2■▲km/h出たとか喜んでないで、サーキットで試合しなさい)」と悲しくなりました。

最近じゃセルを回そうとすると「ペチッ」といったまま、ウンともスンとも言わなくなる。
そのうえ、ウインカーも何も消えてしまう。
「多分、スターターリレーだよ」というWINDSカマタ代表の診断に、とりあえずPMCのリレーを発注。
何だかPMCばかり頼るのも悔しいが。

いや、別にPMCの悪口を言ってるのではないよ。
あそこまでパーツを出してくれているんだから、Zオーナーたちは感謝しないと。
そういうんじゃなくて「ダメだこりゃ、だからPMC」という短絡的な自分が悲しいのである。
他の方々は「あーでもない、こーでもない」といろいろ模索してんだもの。
 
なんて思っても、直ってみれば、本当にありがたいものである。
PMCもいろいろ供給しているけど、モノによっては原車の流用よりも安くつく場合がある。
これからも頑張れ、PMC!
ついでにZ1R2欧州型のメインハーネスを出してくれ、PMC(笑)!!

トラブルといえば、前には書かなかったけど、実はニューテックのテスト中、スロットルワイヤーが断線しました。
10年近く乗ってて、ほとんど何もしてなかったからな(たまに給油したけど、数回)。
後藤さん、顔が引きつってました(笑)。
幸い、切れたのは一本だけだったので、戻り側と交換して帰宅したという…

あと、これも前から言ってたんだけど、TMキャブ入れてから、燃料コックが回らなくなったのね。
回らなくなったわけじゃなくて、ツマミをチョン切ったので回し辛くなったのだ。
10mmスパナが丁度いいんだが、ポケットに入れるにはちょっと大き過ぎる。
というわけで、仕事中に100円ショップ回ってたら、アルミパイプ1mが100円だったので購入しました。
イグニッションキーの他、この始動キーがなければウチのZは動きません(笑)。

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