前回までのお話。
メインハーネス FX/Mk2 流用
とりあえず、暖かくなったので続き。
寒くて手が出せなかった間にも、配線図との眺めっこは続きました。
ハッキリ言って、無線の免許はあっても素人ですから。
後はZつながりで、東北のZ乗り、Z’sわたなべ氏やKたざわさんから情報を頂いたりして、理解を深める。
最近思うのは、エンジンや足回りのチューンといったものは、情報が溢れ返ってるんだけど、電装系のチューンってホントに少ない。
いや、この頃でこそ「電気こそ重要」という記事を見るけど、作例はナシ。
おかげで、すんげぇ苦労してます。
まず、メインハーネス。
前回もお伝えしたように、PMC製の750FXメインハーネスを使用。
配線図を見ると、Z1RはFXの二倍くらい量がある。
「ホントに使えるのか?」と思えてくる。もちろん、無加工では着けられない。
大雑把にどこが違うのかと言うと…
1.燃料計
2.電圧計
3.オートウィンカーキャンセラー
4.タコメーター内のインジケーター(ピカピカ光るところね)のいくつか。
最初は「(Z1RとFXが)このくらいの差なら…」と思ってたけど、これらの違いは大きい。
結論、オリジナル通りのレストアは諦めました(笑)。
メインハーネスはキッチリ新品だけど、各セクションのサブハーネスもかなりキテるのね。
左右のハンドルスイッチ、メーター類の灯火類、ヒューズ、レギュレーター…経年劣化の見本市。
メインを交換しても、これじゃいつどこかで停まってもおかしくない。
しかし、レプリカ品は売ってないし…
思いついたのが逆転の発想。
幸い完全なボルトオンではないにしても、PMCでは様々なパーツを販売している。
特に、FX/Mk2については、Z1Rの倍くらいは豊富なラインナップ。
「FXの配線にZ1Rの機能を付加すりゃいいんじゃない?」
ということで、基本的にはFXの配線とし、そいつに必要な機能を付加していくことにしました。
今回、何が何でも残したかったのは燃料計。
旅に出ることの多いオレには、頼りになる存在だ。
こいつはどうやら簡単な配線加工で元の機能を復活してくれそうだ。
反面、長年必要性が疑問視されていたのが、電圧計。
実は、こいつが動いている車輌を見たことはない。
仮に、電圧が下がったことをお知らせされてもあまりイミがないし。
てなわけで、電圧計は廃棄することに。
開いている窓には時計か油温計でもつけようかと物色中です。
次はオートウィンカーキャンセラー。
知らない人のために書くと、こいつは自動的にウィンカーの点滅をOFFにしてくれる装置。
ハッキリ言って使えません(マトモに使ってる人いるんでしょうか?)。
Zに乗ってから5回くらいしか使ったことないし。
ご大層なリレーとか左ハンドルスイッチが巨大化しているので、取っ払うことに。
多少は軽量化に貢献してくれるでしょう?
これだけで、FXとほとんど同じ。
アタマもスッキリ。
ヒューズボックス SUZUKI BANDIT 流用
ガラス管に入ったレトロなヒューズは、これまで奇跡的に断線したことはなかった。
が、万が一の際バイク屋にも置いてなさそうなので板型に変更。
現行車輌はたくさんのヒューズが使われているが、Zは3系統(Z1Rは電圧計のヒューズが入るが破棄したので関係なし)。
イチバン使い勝手がいいのは、どうやらSUZUKIバンディットのボックス。
ボックス単体で販売されていて値段も安い。
おまけに取付け用のネジ穴のピッチが、レギュレーターと同じときたもんだ!!
ここで必要になるのが、4Pカプラーが2組(正確には1組半。つまり、ヒューズボックスに一組、ハーネス側に半分)。
注意点は、ボックス側につけるカプラー。
モノによっては、無加工では着きません。
バンディットのハーネスから流用するか、そんなのあるわけねえだろうって人は、カプラーを少し削ってやるとOK。
本当なら純正と同じ色の電線が欲しいところだが、分岐もないうえに熱収縮チューブで覆うため、手頃な電線で繋いでやる。
ちなみに、10Aヒューズを結ぶ電線はAVS0.75sqでも大丈夫だろうけど、20Aの方は少々太いヤツがいいだろう。
とまあ、この辺までは初歩的な知識で大丈夫のはず。
特段難しい作業ではないだろうし。
ちょっと面倒くさいのが、カプラーの端子。
はんだ付けとは違うので、圧着工具でしっかり電線と端子をカシメないと抜けてしまう。
慣れれば、はんだ付けより早いし確実なので練習あるのみ。
あと、カプラーに端子を脱着するのも慣れがいるかも。
「このツメを押せば抜けてくるのに…」なんてことも。
コツを掴むことと、後は工具。
某誌ではカナノコの刃を加工してたが、極小ドライバーでもいい。
オレは電材屋で売ってたドライバーを使いました。
ひっこ抜く時は、結構力がいるみたい。
タイミングがあえば、スルっと抜けるけど…
基本的に不器用なのね、オレ(涙)。
ステーターコイル
コイル自体は死んでないだろうけど、コイルから伸びる3本線はかなりキテます。
以前、セルモーターの配線をイジった時、カピカピになっている黄色の線が視界に飛び込んでくる度、イヤな思いしてたのだ。
以前、PMCで取ったZ1/Z2用のハーネスがあったので、そいつを使う(注:ポン付けは初期Zにしか使えません)。
本当にお金があったら、コイルごと取り替えるんだけど…今回は電線のリペアとゴムのパーツの交換。
ここは、別に素人でも迷うところはナシ。
元々着いている電線を注意深く外すだけ。
ココで使用したのはニッパーと三本線を固定しているステーをひん曲げるためのドライバー。
剥き出しになった銅線にストレスがかからないよう、新しい線を平行に取り付ける。
後は、細い熱収縮チューブで覆っておしまい。
ポイントは、新しいパッキンを取り付けるとき、ある程度位置を決めておくと後の作業がラクってとこくらい。
パッキンの穴が線に食いつくので、長い、短いといった時にずらすのが大変。
念のため、パッキンの穴は液体ガスケットでやっつけておく。
※2020年追記
パッキンの穴は液体ガスケットで塞ぐと漏れ出すので、エポキシ樹脂(エポキシ接着剤)がよいです。
あ、それとステーターコイルを外すのには結構手間が要りました。
正直にいうと、2本ナメてしまい、いつものWINDSで取っ払ってもらいました(笑)。
メーター、メーターブラケット
とにかく汚い。
知らないヒトがみたら、ゴミ捨て場に落ちているゴミっていうくらい。
写真を見てもらえば分かるように、サビなのかオーストラリアの赤土なのか分からないものが付着している。
先にも述べたように、インジケーターハーネスなんて出土品のようである。
まずは、外せるものは全部外してしまう。
…と、ここで取れないモノが。
肝心のメーター(スピード)が取れない。
タコは簡単に取れたのに(ていうか、ナットがなくなっているじゃないのさ。どうりでカタカタ動くわけだ)。
スピードメーターの周囲を見ていたら、何やら黒いもので固定されている。
こーれーはーもしかして……コーキング剤ってヤツ?
風呂場じゃねえんだから…誰だ、こんなことしたのは!?
オーストラリアのバイク屋か?
確かスピードメーターの針が吹っ飛んだので、中古品をつけた記憶がある。
金ノコでゲシゲシと削り、何とかサルベージ成功。
めでたく、全部のパーツをメーターステーから撤去する。
とりあえず、メーターステーと入浴。
風呂場でコーキング剤やらヨゴレを落としてやる。
何だか知らないけど、電圧計や燃料系が収まる場所が歪んでいる。
カウルで保護されているうえ、ストレスがかからない場所なのに、何故?
とすごく疑問を感じる。
しょうがないので、プラスチックトンカチで叩きのめしてやる。
大体、○に近づけばOK。
プラモデルばっか作っていた小中学校時もそうだったが
「見えない部分はテキトーに」
が信条ですから。
そしたら、ホームセンターで購入した強烈な塗装剥離剤をぶっかけ、しばらく放置。
とんでもなく、危険なニオイがするので、衣装ケースで隔離施設をつくってやると、お子様のいるご家庭でも安心して作業できます。
そしたら、今度はサビ取り剤と紙やすりでサビを除去。
ブルジョアは、花なんとかG、オレのようなプロレタリアートはサンポールを使用します。
ちなみに、分解途中で気になったバッテリーケース、その下のステーなんかも混浴させる。
モノの本によれば、焼付け塗装というのがいいというので、台所のコンロでステーを炙る。
こんなものかなーと思ったら、外に出て塗装。
見えない部分なので、埃が飛んでこようが、ムラがでようがお構いなし。
とにかく、塗り残しがないようにだけ吹いてやる。
使用したスプレーは、デイトナの純正色なんかではなく、門扉とか鉄格子用の防錆塗料。
絶対サビませんとは書いてないけど、何だかものすごく強そうだ。
しつこいようだが、見えない部分はどうでもよろしい。
この日、すげー強風でボンヤリとスケベなことなぞを考えながら塗っていたら、逆風で腕にまで塗料が!!
風呂に入ってこすっても、なかなか落ちないあたり、強さの証明だ。
どうですか?
キレイになったでしょ?この美しさは、なんていうのかなあ。
例えるなら、おりしもZ1Rが新車で販売されていた頃、日本では「闘士ゴーディアン」ってなアニメをやってたわけよ。
主人公ダイゴの姉(名前忘れた)ってのが、顔の下半分が包帯でグルグル巻き(確かひどい火傷?)なんだよね。
物語の途中で、この姉さんがどっかの泉に入って傷を治すシーンがあって「姉さんキレイだあ!」と感動したのよ、幼少のオレわ。
つーか、姉さんスッポンポンだったから(笑)?
メーター周りを止めるダンパーは、生産終了品。
しょうがないので、ホームセンターで売ってるスポンジシール?隙間とか埋めるヤツ…あれでメーターをグルリと囲ってダンパーにする。
コーキングよりマシってことで。
メーターを取り付けたことで安心してはいけない。
サブハーネスを撤去したことで、このままではメーターは動くけど、ニュートラルランプもウィンカーのランプも点灯しなくなる。
ここで登場するのがPMCの新製品。
FX/Mk2用のインジケーターハーネスだ。
こいつを利用しつつ、最低限の機能を復活させるのだ。
そのためにも、まずは配線を熟知しなければならない。
FXとZ1Rの配線図をじーっくりと見比べる。
そうすると、次第に見えてきます。
ここで分かったのが、それぞれ配線の色が何を意味しているかということ。
たとえば、黒/黄って色はどこの部分を見ても「アース」。
てな具合で探っていくと、どれが何の機能なのか、道筋のようなものが見えてくる。
『読書百遍(ひゃっぺん)意(い)自(おの)ずから通ず』
飲んだくれの父親が、成績不振・素行不良なオレに繰り返していた諺である。
30も半ばになって、その意味が分かりました…ちょっと違う?
いろいろと考えてみた結果、必要なものとそうでないもの。
これらを取捨選択することに。
ブレーキランプ断芯警告灯、ハザードランプ…こいつは諦めました。
あればいいんだろうけど、まあいいやね。
途中からハザードランプも点かなかったし(笑)。
リプロのインジケーターハーネスをツギハギしたら、これもスッキリ
まとめることができました。
感動です。
具体的な変更点はというと…
FXの場合、ウィンカーの表示が左右別個(緑と灰色の線)だが、Z1Rは「TURN」一個だけ。
この線を一個にまとめます。
配線図を見る限り、Z1Rは緑と灰色が一個の電球にきている(作動した瞬間に電位が変わるので問題なしらしいのだが)。
小心者のワタクシは、片方をアース、片方に緑と灰色をまとめました(動かなかったりして)。
あと、青線は全てメーターを照らす電源になっているので、新しく作り直した燃料計の電球と結合させる。
燃料計の作動用電源(茶色)は、サブハーネスにも茶色の線が来てるので、そいつと合体。
アースはアースでひとまとめにする。
で、ここで問題なのが、燃料計のセンサー(マニュアルにはフューエルレベルセンダー。センサーではなくてセンダー)のハーネス。
シート下からメーターまで伸びている。
メインハーネスに並列で増設しようと思ったが、どうやら桃色の線があまっている。
それもそのはず、こいつはカレントリミッター。
スピードメーターと連動する速度規制装置だ。
メーターからウィンカーリレーの辺りまで伸びているので、こいつを利用することに。
まあ、ちゃんと動いてからでなければ「成功」とは言えないんだろうが…おそらく理論上合っている(そんな大したものではないが)。
ちゃんと作動するはず。
実は、この辺まだ完成してはおらず、ここに後は「City Light」のハーネスが付加される予定。
ここの部品、まだ純正で取れるのでラッキー(しかもすげえ安い)。
パーツリストをくれたZ110R乗りのハセ君には、大感謝!!
残っているのは、メーター止める5mmのナット(純正品)と、燃料計用の電球。
最後のお楽しみは、あの窓にキレイに納まる(はずの)時計。腕時計を一個も持っていないので、時計を入れることに決定。
これらのパーツが届けば、メーター周りは完成。
しっかし、ここは試行錯誤の連続だった。すんげー苦労しました。
でも、あんだけハーネスとかカプラーでイッパイのメーター裏が随分シンプルになったのでは…?
ちなみに、配線関係は、やはり純正色を使うのが初心者にはベター。
オレのような地方在住者は、なかなか買い揃えることは出来ないので、通販がいいかも。
ちなみに今回の改造で使うハーネスは「配線コム」や「タイガー無線」でそろえてみた。
タイガー無線は、最近熱気の種類がすっかり変わった秋葉原電気街にある。
仕事で東京行った時、ササっと買ってきました。
ただし、ここは5m単位の販売なのがタマにキズ。
そんなにいらないよーってモノは配線コムがオススメ。
何しろ1m単位で販売してくれる。メール便で送ってくれるので送料は安いし、種類も豊富。
ハーネスのほか、カプラーなども取り扱っている。
次回は、オートキャンセラーを廃棄したことで純正品を使う意味がなくなった左ハンドルスイッチ、イグニッション、そしてうまく行けば完成の予定。
さーホントに動くのでしょうか?
ていうか、どこにつけるのか分からなくなったボルトやナットがゴロゴロしてるんですけど(涙)。
誰か、助けて!!!!!!!!!!!
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