ゴールデンウイークの帰り道、突如、エンジンが不調に陥ったZ1R。
どうにか帰宅してプラグをチェックしたら、1本だけスーパーブラックに。
素人なので「気温が上がって燃料が濃くなったんだろうか」という方向性に行くのは仕方ないところだけど、低回転から中回転のPS領域だったら、高速でぶっ飛ばしている間は何ともないハズ。
なのに、こないだはアイドリング中はそれほど問題なく、高回転域になると怪しくなる。
かといって、銃声を轟かせるほどでもなく…
本当はあまりよろしくないんだけど、プラグを真鍮製の柔らかいブラシで磨いてカーボンを落とし、再度チェックすることに。
町内を一周してみるのだが、100mほど走ったところで
「グン………グン……」とエンジンがガクガク言い出し、一気筒死んだような感じになる。
帰宅してプラグを抜いてみると、またも真っ黒。
スパークプラグチェッカーを使って火の様子を見たが、バチバチと火花は飛んでいる。
少なくともプラグまで電気は飛んでいる。
次にプラグを外し、先端を導通する場所にくっつける。
で、エンジンを回してみると、バチバチバチ…とプラグに火は飛んでいる。
プラグが死んでいる、というわけではなさそう…だが、もしかしたら瀕死の状態なのかもしれない。
次にド新品のスパークプラグを入れて、テスト走行してみる。
なかなか調子が良い。
何だ、プラグが死んでたのか…でも、さっきは普通に火花が見えたけどなあ…なんだろうな…
と、思いながら帰っていたら、やっぱり途中からガクガク言い出した。
ちょっとぬぐってしまったけど、ド新品のスパークプラグも真っ黒にカーボンが着いていた。
ということは、もはやキャブというか、インシュレーターよりも前に原因があるのだろう。
燃料が思い切り濃いのは何故か?
PSの戻しも既定の3/4から1/2に絞ってもダメだし、アイドリング状態で変になることはないのだから、メイン系なんだろう。
けど、メイン系が変わるってことあるの?
もう二度と使うことはないと思っていたのだが…いや、せめてあと数年は使わないだろうとおもっていたものが、こんなにも早く再登場するとは…
みなさん、お馴染みの「キャブ土台」(笑)。
キャブをひっくり返した時、安定させるための器具です。
プラケースは、フロートチャンバー内のガソリンを受けるヤツで、バイク屋さんからガメてきたものです(笑)。
まず、メインジェットがどういう感じなのか、せっかくなのでフロートチャンバーを外さないでアクセスしてみましょう。
このボルトはレーシングキャブの特徴ですね。
怪しかった気筒のボルトを外してみると…
ものの見事にノズルガイドがキャブから外れていました(笑)。
以前、これを壊した恐怖から、締め込みも甘かったんでしょうか。
せっかくなので、他の気筒もチェックしたけど、全部しっかりと締まってました。
何が大変かって、キャブをもう一度、車体にインストールする作業。
やったことがある人は分かる通り、右を入れると左が外れ、左を入れると右が外れる。
均等に力を入れようとすると、絶対に入らないか、センタースタンドが外れそうになる。
こんな時はベルハンマーを使ってやるといいでしょう。
昔、メタルラバーというのも購入したハズなんだけど、引っ越しのドサクサで紛失したのかも。
メタルラバーは、ゴムパーツを傷めないという触れ込みでしたね。
もう一度、組みつけてテスト走行してみる。
感覚的には、特に変わったこともなく、低回転~高回転もスムーズに吹けてくれる。
三度目の正直、うまくいったでしょうか?
燃焼室に残った煤を拾った感じではあるけど、それ以上のカーボンは着いていなかった。
スパークプラグの異変という「結果」から、ノズルガイドの脱落という「原因」に辿り着き、さらにそれを「解決」という、まさに教科書どおりの作業でした。
トラブルを期待してる読者の皆さんには、ちょっと物足りなかったでしょうけど…(笑)。