2022年07月25日 Z1R用リアキャリア?製作 追記あり

雑記帳

昨年から、約20年ぶりに復活したZ1Rによるソロツーリング&ソロキャンプ。
昔は布地のボストンバッグ(数ドルで買った安物)に道具一式詰め込んで出掛けたのだが
「もう遠出することもないだろうな」
と処分してしまった…

考えた挙句、購入したのがホームセンターで売っていたケース。
雨にも強いし、テーブルにもイスにもなってくれる。
あまりにも使い勝手が良くて、日帰り用の小さいサイズ、1泊用の大きいサイズをそろえた。

ところが思わぬデメリットが。
ケースが落ちないようにしっかり固定したら、シートが破けてしまった。
2000年頃、病で亡くなってしまったZ1R乗りの知り合いが「カワサキにも在庫があと5つしかないから、買っておいた方がいいぞ!」と勧めてくれた正真正銘のオリジナル。
これ以上のダメージは避けなければ…!

どうするのが一番いいのか。
ツーリング用のバッグを購入する?

確実に便利そうだけど、便利さとお値段は正比例。
できれば、なるべく安上がりな方法を選びたい(笑)。
それでいて、シートへのダメージはゼロに。

ということは、もはやキャリアをつけるしかない。
Z1Rにリアキャリアといえば、こういう感じ…

ネットからの拾い物です

これは、オーストラリアで購入したギアサックというブランドのキャリア。
自分でも使っておりまして、オーストラリアでのシェア率は90%…だったといっても過言ではない。
キャリアのほかにも、ツーリングバッグなどを作っていて、あちこちでロゴを見かけたんだけど、だいぶ前に無くなってしまったらしい。

多分、コレを元に適当に図面を引いて、鋼材を切ったり曲げたり溶接すれば、似たようなキャリアが造れると思う。
しかし、おそらくこれをやったら、材料費と工賃で何万円にもなる。
他車種市販品を改造もしくはフレーム側の加工でも、同じようにお金がかかる。
お金をかけたら、そりゃ良いものが出来るのは当たり前。

というわけで自分への条件は以下の通り。
1.基本的な材料費として5000円以内。
2.工具はハンドツールのみ。
3.取り外しが安易で、なるべく工具を必要としない。


これで作れたら、世の中のおとっつあんたちも納得するでしょう…?
基本的な構造としては、天板のようなものがあり、それに脚がついて4点以上のマウントで固定する、というもの。

天板として選んだのが、スノコ。
2x(ツーバイ)材で同じように造っても良かったんだけど、ヒノキで造られている堅牢なモノを選んでみた。

これに脚のようなものをつけたら、割と手っ取り早いんじゃないだろうか。
折り畳み椅子などのように、フレームをX字で交差させているモノ…
そんな感じのモノを買ってきて、ばらして取り付けてやれば一丁あがり、なんじゃない?

たとえば、こんな感じのモノですね

構想はイロイロと膨らんでくるけど、まず第一にやるべきこと。
それは「採寸」である。

リア周りの思いつく限りの場所…外装の幅など車体の基本的なサイズはもちろんのこと、ある場所からある場所の距離…左右のウィンカーの幅、ウィンカーからナンバープレートまでの距離など、何でもかんでも採寸しておく。
今回の作例に限らず、何かを自分で作る時は最初に採寸さえしておけば部材や流用パーツを組みつける時に「これ、うまく入るだろうか?」とか「これで足りるかな?」と迷う必要はない。

後になって無駄になることもあるが、写真で残しておけば別のことに使えるかもしれない

なんてことを考えながらホームセンターをうろつくが、ピンとくる製品が見つからない。
仮にスノコにスチール製家具の脚をつけたとして、どうやって車体にマウントするか。
運よくマウントさせるような部品を見つけても、その部品とスチールを繋ぐ手段が「溶接」しかないのであれば、やや厳しい。

悩みに悩んだ結果(ウソ、そんなに悩んでない)、ここも木材で造ることにした。
鋼材は堅牢だけど、そんなに重い荷物を載せるわけじゃないし、ましてや人が乗る場所でもない。
縦方向の重量に耐えられたら大丈夫じゃない?と椅子やテーブルのような四本脚でマウントすることに。

問題は、車体のどこをマウントに使用するか。
前2点は、鋼鉄製の丈夫なウィンカーステーに決定。
グイグイ押し引きしてみたけど、かなり頑丈。
「え?そんなところ大丈夫ですか?」と疑われそうだけど、荷物を括りつける時、ウィンカーステーにグイグイとテンションかけて紐だの網だの回しても壊れなかったから、きっと大丈夫。
白神ラインみたいな林道をフル装備で何時間も走ってもへし折れなかったから、大丈夫なはず。

後ろ2点は、ナンバープレートのステーに空いていた穴。
本当はウィンカーステーのように直径15mmの丸棒のようなものにM8のネジが出て、それをナットで止めるようなモノが欲しかったんだけど、ポン付け製品は見つからず。
マウント位置を確認したかったので、300mmM8全ネジと高ナットで雰囲気をみる。

不格好だけど暫定措置なのでお許しを。
で、問題は、これをどうやって車体にマウントするか。
ここが一番のネック。
通常であれば、キャリア側にマウント用の穴が開いていて、これをウィンカーなどのパーツと共締めして固定する。

けど、街乗りや荷物を載せない時にはキャリアを外しておきたい。
そして、荷物を積載する時、できる限り簡単にキャリアを取り付けたい。

ウィンカーや後付けの棒がステーとなるなら、クランプのようなもので固定すればドライバーさえあれば脱着できるだろうか。
といっても、そんな細い棒を挟めるクランプがあるだろうか。
ちょっと前、仕事でそういうパーツを見つけたこともあったけど、キャリアへ固定するアイディアが思い浮かばない。

完全固定でなくても、軸受けのようなパーツで前後に動かないようにして、キャリアを使うときには荷物と一緒にネットなどで固定すれば車体の揺れでキャリアが外れることはないはず。
で、見つけたのが、この部品。

本来は石膏ボードなどの建材に使用するものらしい。
弾力のある樹脂製で、振動によって割れたり外れることはない気がする。

どう説明したらいいだろうか。
半円よりも、開口部が少し狭いので、ウィンカーステーを「噛んだ」状態になる。
これだと、多少上に引っ張っても抜けてくることはない。

高ナットの方も、突っ込む角度を少し工夫してやると、ガッチリ固定されて抜けてこなくなる。
なかなかよろしいんではないでしょうか。

マウントの場所が、ご覧のように高低差があるため、脚の長さが前後で違う。
また、マウント用のパーツをつけてしまったので、このままでは椅子やテーブルとしては機能しない。
なので、椅子・テーブルとして使うための脚を作らなければならない。

本来、安定性を求めるのであれば、脚はできるだけ外側に配置する方がいいんだろうけど、そうすると天板から脚用の材がはみ出てしまって不格好。

いつも椅子は持って行ってるので、どちらかといえばテーブルや台として使うはず。
不安定になるほど重いものは載せないだろうから、脚は内側に配置。
仮組して試してみたけど、ぜんぜん安定するじゃないのよ。

これで大丈夫でしょう。
ただし、地面と設置する部分が切りっぱなしでは、そこから地面の水分を吸ってしまい、腐る原因になるかもしれない。
そこで、家具の脚につける樹脂製のパーツでフタをする。
濡れた芝生や地面につけても安心でしょう。

そして、さすがに白木のままでは、雨、水分、汚れに弱いので表面処理は必須。
黒いバイクだから目立たぬように黒い塗料でスプレーしたら、木材の風合いが活かせない。
木材が腐らないようにするには、キシラデコールなどが良いのだけど、風合いにはやや欠ける。
経年変化(劣化じゃない)を楽しむのであれば、個人的にはWATOCOオイルがオススメ。

天然油脂(亜麻仁油)をベースに調合されており、木材に染み込むと中で固形化(多分、ゲル状)、木材を丈夫にするという振れこみ。
強度が上がるほど丈夫になるかどうかは分からないけど、木材で造られた我が家の洗面台に使ったら水を弾いてくれるようになった。
一回塗装しただけで白木がアンティーク調になるのだけど、重ね塗りした方がいい。
24時間置いたら、軽くやすりで撫でてやり、さらに塗り込む…と、さらに風合いが増す。

ちょっと写真が白飛びしちゃってますけど(笑)、イメージ的にはこんな感じで。
そんなに脚が高くないので、ともすればイスの座面よりも天板の方が低いかもしれませんが、地べたに置くよりもよいでしょう。

今シーズン、どこかで登場する機会があるといいんですけどね…

8月13日追記

後ろ側のマウントが、全ネジと高ナットのままでは、さすがに見栄えが悪い。
さらに理想を言えば、脱着がもう少し簡単な方法だとありがたい。
イメージ的には、ウィンカーステーのようなパーツがキャリア側のマウントとドッキング。
どこからか、ウィンカーなしのステーを拾ってきて着けたら終わりじゃん、と言われそうだけど、マウント部から140mmもあるウィンカーってないでしょ?

130mmで足りそうだけど、振動でズレるかもしれないから140mmくらいは欲しい

となると、やはり自作。
バイク屋に相談したら「丸棒と全ネジを溶接したら、あっという間に終わる」と言われたんだけど、まずはDIYにこだわりたい。
そして、溶接をはじめ電工ツールを極力使わない手法で造りたい…というのは、DIYサンメカライダーでも、そういう道具を持っていない人の方が多いでしょ?
自分のように100均で買った製品で、とは言わないまでも、休日、バイク用品店、ホームセンターを回って、少ない予算(お小遣い)で買ったパーツを、これまたホームセンターや通販サイトで購入したハンドツールでチョコチョコいじる…

そういう人たちでも創意工夫すれば、どうにかできる、というのが「空冷Zとの戦い」における作例テーマなので「そんなの旋盤使えばいいじゃない」とか「コンプレッサーあれば解決よ」というのは重々分かっているんだけど、マンション住まいだったり、賃貸に住んでいると、そういう工具を置けない場合も十分にあるわけで。
てなわけで、今回もハンドツールだけで何とかなりそうなやり方で進めていきます。

イメージとしては、ウィンカーステーと同様、直径15mm前後の棒をマウントする。
棒から出てるネジにナットで固定すれば終わり。

もしかしたら、家具用の部品などがあるのではないかと期待したが、今回は都合の良い部品は見つからなかった。
なので、先に購入しておいた全ネジをベースに製作を進めることに。
用意したのは、16mm径のアルミパイプ。
ステンレスの方が堅牢だけど、切削が大変なので軽量でハンドツール(カナノコ)でも加工しやすいアルミを選ぶ。
これと全ネジを組み合わせたら、イメージ通りのパーツが出来上がるはず。
当初は高ナットを通し、フレーム代わりにしようと思ったけど、高ナットが13mmでパイプの中を通らないため却下。

最初はフランジナット(ワッシャーとナットが一体になったモノ)をパイプの中に通し、アタマを出さないでおこうと思ったが、脱着の時、パイプ側に工具がかけられないので、ナットの頭が出てしまうけど、こういう向きにして作成。

全ネジをガリガリとカナノコで切り飛ばして…完成したのがコレ。

ガッチリとテンションをかけているので、ナットが緩むことは無いと思います。

思いのほか、アクセスが悪くて、脱着にはナンバープレートを外す必要が。
それほど目立つパーツじゃないから、キャリアを外しても違和感はない…ハズ。

いや、でも多少バイクを知っている人が見たら「何じゃこりゃ」と思うだろうな(笑)。

キャリアを載せるとこうなる。

上から載せているだけなので、振動や段差などで外れてしまう可能性もあるため、空荷でもベルトやゴムバンドなどで止めておかないとダメ。

こんな感じ。
あとは、荷物を満載にして、あちこち走ってみないと分かりませんな…

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