2024年06月15日 Z1RのステーターコイルをKLXの純正部品でアップデートしてみる&オイル交換

Z1R-II

やるやる詐欺状態だったZ1Rのステーターコイル改装工事。
正直、腰が重かったというのもある。
場所が場所だけに、開けたらオイルまみれになるし(右側に傾ければ大丈夫だけど)、ガスケット交換も必要だし、配線も組み換えしないといけないから、それなりに面倒くさい。

以下が前回までのお話。

せっかく部品も調達したから、放置するのももったいない。
ちょうどオイル交換時期もきたので、着手することに。

まずは古いオイルを出してしまう。
約1年間、4000kmお世話になりました。
もっと頑張って働いて、3000kmごとに交換できるようになりたい。

何てことないように書いているけど、いつも通り、オイルフィルターを抜くのに四苦八苦。
どうしても芯棒がフィルターのグロメットに噛みこんじゃうのよね。
フィルターごと抜いてしまって、体制の良い状態でフィルターを抜けばあっという間に終わるんだけど、エキパイの弁当箱にひっかかって抜けないんですよ。
社外マフラーだと全部外すしかないので、そこは楽なんだろうけど。
仕方ないので、プライヤーを駆使して無理矢理引っ張り出す。

毎度お世話さまですのキジマのOリングたち。
とりあえず、ドレンボルトとフィルターを戻してしまおうと思いきや、なんとエレメントを発注し忘れ。
昨日、あわててAmazonに頼んだけど、物流も大変なこのご時世、明日配達します、というAmazonは本当にありがたいんだけど、あんな価格でPrime会員になって「明日無料配送」ておかしいよね。
外国人が安く働かされるとメディアは問題視しているけど、外資系に安い仕事回される配達の人たちのことをもっと考えてあげてほしい。

憎いあんちきしょうの顔を思い浮かべながら、段ボール箱に穴を開けていく。
どこから抜いたボルトか、簡単に把握するためです。
ボルトを外す時、パキン!パキン!と音がするのは本当に心臓に悪い。
折れたらアウトなので、ゆっくりとテンションをかけて抜きましょう。
そう考えると、少し暖めた後に抜いたほうがいいんだろうか?

御覧の通り、ボルトがキレイに並びます。
ついでに掃除してやるのもいいですね。

ボルトをすべて撤去した状態。

御開帳。
前まで使用していたガスケットも全然大丈夫そうだけど、発注しちゃったんで新品使います。
木製のテーブルというか、ツーリング用のキャリアに乗っているのがKLXのステーターコイルを流用した新しいバーツ。
三本線のグロメットもすでにインストール済み。

はたして、これがステーターコイルの焼け焦げなのか?
ちなみに、抵抗値はそれぞれ0.8Ωだから、サービスマニュアルの許容範囲内ではあるし、発電量も問題ない。
もう使わないパーツではあるけど、怖い。

それよりも気になるのはステーターコイルとマグネットローターのクリアランス。
治具みたいなものを作って計測すると、5mmくらい高い。
当たるとすれば、まずはボルト。

マジックでボルトの頭を黒く塗り、まずはエンジンを手回しでクランキング。
ダメだったら、この時点でガツンガツンくるから分かるけどね。
とりあえず、変な衝撃はない。
以前、ダミー腰下で実験した時も当たる様子はなかった。

次にエンジンを数秒ほど回して、すぐに開けてみる。
ボルトの頭にマジックの塗り跡が残っているから、大丈夫でしょう。
ありがとうKLX。
これで君を有効活用できる。

そうと分かれば、さっさと作業を進めましょう。
ここから先は時間との勝負というか、さっさとやりたいのでテキストで説明。
トヨタ純正の液体ガスケットを薄く塗って、それでステーターコイルの3本線グロメットとの境界線には気持ち厚めに塗る(実はここから漏れるわけではなく、リード線とグロメットの隙間から漏れる)。

タイヤのホイールナットのように星形を描くように仮締めしたら、トルクレンチで1.1kg設定の本締め。
何度もパキパキ鳴らす人いるけど、一度でOKですからね。
トルク設定の意味がなくなるので。
できれば、液体ガスケットがなじむまで放置。
幸か不幸か、Amazon配達が遅れているので、まだエンジンはかけられない。
数時間放置状態が続いた。

抵抗値はすべて0.7Ωで揃っていた。
とりあえず、ここまで順調。

晩飯を食い終わった頃に、Amazonがフィルターを持ってきてくれた。
次はもっと余裕をもって発注しないと物流がパンクしちゃう。

今回投入したのはヤマルーブのスタンダードプラス。
価格的にはKawasaki R4と同じくらい。
何となくヤマルーブを信頼しているので、今回はこれにした。
1リットル缶を4本買う方が安かった。
入れるのも楽だしね。

いろいろ気になるところはあるけど、まずはオイル漏れがないかを確認。
ドレンボルト、オイルパンをはじめ、今回開け閉めしたダイナモカバー、Zの鬼門ともいえるステーターコイルの3本線グロメット。
ちなみに線を通す穴を液体ガスケットでふさいでも、ほぼオイルは漏れる。
昔、グロメットの外側、コの字型の隙間すべてを液体ガスケットで満たしたけどダメだった。
ここはエポキシ樹脂一択だと思ってる。

ヘッドライトを点灯させて1000RPMあたりでも14.7Vくらい。
発電性能は高い気がする。
一応、3000RPMまで上げてみたけど、14.8Vが上限だったので大丈夫っぽい。
充電の電圧が高いほど良いと思っている人もいるけど、バッテリーの許容量を超えた電気はかえってバッテリーを傷めてしまう。
MOSFETレギュレーター、オープンタイプのレギュレーターなど最近のフラッグシップに搭載されているレギュレーターなら、コントロールしてくれるけど。

このダイナモカバーは初代Z1Rのエンジンについていたもの。
1997年にオーストラリアで不動車になったから、27年ぶりにエンジンの熱にさらされたわけだ。
あっちこっち擦り傷だらけなのは、前のオーナーがつけたのか、自分がつけたのか分からないが、なかなか思い出深い。
本当は今のエンジンに合わせて黒に塗装するのがいいのだろうけど、とりあえず「ニコイチ感」あふれる仕様にしておこう(笑)。

というわけで、構想10年くらいのステーターコイル純正流用はこれにておしまい。
ちなみにこれを真似したい方に注意。
ステーターコイルは新品を購入した方がいい。
実同車から外されたものでも、ステーターコイルを外して売る、ということは滅多にない。
信頼性はゼロに等しい。
いまなら、まだ3万円くらいで新品が手に入るから、それを使った方がいい。
あと、もともとステーターコイルの線がついているから、それを利用してもいいと思う。
ちょっと細いから頼りなく感じるかもしれないけど、この規格のコイルが発電する電気に耐えらえれるように組み込まれているので「力及ばず」ということはない。


バイク用のリフトがないので、どうしても地面にはいつくばって目視確認しないといけない箇所もある。
別の使い道で購入したファイバースコープが、意外に便利だということに気づいた。

こんな感じ。

スマホのカメラに比べたら解像度は高くないが、オイル漏れを確認する程度なら問題ない。

一度はやってみたい、プラグホールからのピストン視認も容易。