2020年06月25日 Z1RのCP2696(ブレーキキャリパー)の整備

メンテナンス

こないだ久々に200km以上走ったけど、次の日も普通に過ごしていた。
「そんなの当たり前だ」「200kmくらいで騒ぐな」
と言われそうだけど(笑)。
10年以上もロングツーリングに出てないし、週末に乗る機会もなくなった「バイク乗りならぬバイク持ち」にとっては、ビッグイベントだったのよ。

20代の頃、オーストラリア一周の旅に出た当初は300kmくらい走ると、身体がガタガタになったから(笑)。
フィジカル面では強くなったわけじゃないんだけど、多分、力の抜き加減が分かってるんだろうね。

そういや、山形県内を流してたら、たくさんのライダーが走ってて、何人かがピースサインをしてくれた。
薄い菜っ葉みたいなパーカー羽織って、作業用手袋でバイクに乗るようなワタクシめを同じライダーとして扱って頂き、ホント恐縮。

さて、今回は突然だけどブレーキフルードを交換。
情報系ブログのノリだけど「たまにはやっておこう」ということで。
みんな、どれくらいの頻度で交換してんだろ?
年1とかやってんのかな…それとも車検ごと?
クルマだって、そんなに換えないよね。

ちなみに、自分でブレーキフルードを交換したのは数年前。
しかも、ブリーダーをへし折ってキャリパーごと譲ってもらったという有様(笑)。
正確には自分での交換じゃない(笑)。

DT125Rは、たまにやってたのですよ。
フロントだけだし、整備性はいいし(笑)。

Z1Rは20年くらい前、ロッキードのCP2696に換装。
多分、OHとかレストアの時にやってるとは思うんだけど、自分で作業するのは初めて。
基本的に、どれも同じなんで大丈夫でしょうよ。

まずは、ホース片手にブリーダーの位置を確認する。
…が、ない。
いやいや、ないわけない。
といっても、パっと見、分からない。

這いつくばって探したら、キャリパーの内側にいらっしゃいました(笑)。

これ、写真で分かるかな…スポークの根元の左側。
分からない人が見ると、何のことやら分からないブリーダー。

良さげな工具はどれだろう、とコンビレンチを突っ込んでみるが…
10mmも12mmも合わない。
そうそう、ブリーダーって11mmとか13mmが多いのよ。
フレアレンチって、そういうサイズばかりだし。

作業が進まないので、ストレートに行って、ブレーキフルード交換以外には用のない11mmのコンビレンチを購入。

が、どう考えてもブリーダーを外せる気がしない。
そして、仮に回せたとしても、どうやってブレーキレバーを握るの(笑)?

これが正解でいいのか分からんが、キャリパーをサポートから外し、ガラクタを入れていたハコをダミーディスク代わりに固定してみる。

ちなみに、ブレーキキャリパーなどの命に関わるパーツは「ネジロック剤」で固定されていることが多い。
思い切り力を入れるのはいいけど、ボルトそのものに体重をかけたりするとポッキリ折れることもあるので要注意。

作業中にパッド同士が密着しちゃうので、こんな風にしておく。

高さも丁度よく、思いのほかやりやすい。
タンクの量を確認しつつ、レバーを握り、そしてブリーダーも回せる。
絶妙な大きさ(笑)。

そして今回のブレーキフルードは、コレ。
アクティブのブレーキフルード。

何種類か色が出てるけど、Kawasaki乗りらしく「緑」にしておく。
見やすいのは赤かもしれないけど(笑)。

まずは下準備。
ブレーキフルードは塗装を傷めるので、ブルーシートか何かで車体を覆う。
いつだったか、走っている最中、リザーバータンクの蓋が緩んで大変な目にあったので…

ブリーダーにホースを繋いで古いフルードと入れ替えるだけなんだけど、金欠とーさんはセコいので、まずマスターシリンダーの中にある古いフルードをキッチンペーパーで吸わせる。

8割くらい抜いたら、そこに新品のフルードを注入してやる。
その方が古いフルードと混ざる量が少なくなるので、量を節約できる。
ちなみに、この時、レバーにもブリーダーにも触らないこと。
余計なことをやると、エア噛みの原因になるので要注意。

レバーを握り、ブリーダーを緩めると、古いフルードが押し出される。
ブリーダーを緩めるのは一瞬だけ。
すぐに締め込んで、またレバーを何度か握る。
リアブレーキの場合は、ペダルを押す。

これをひたすら繰り返して「入れ替わったな」と思ったら終了。
ちなみに、色がついたこのフルード、いいね。
入れ替わったタイミングがすぐ分かるのでロスが少ない。

ダブルディスクなので、反対側もやっておきましょうか。
すでに片側が決まっているわけだから、楽勝なハズ。
が、フニャフニャして全然先に進まない。
どこでエア噛んだんだろうか?

そして、梅雨の湿気でダミーディスク代わりのハコもフニャフニャしてくる。
次から次へと発生する難題に頭痛がひどくなってきたんで「そもそも、こういう仕様だから良くない」と、ブリーダーを別の場所に移してやる。
不思議なことに、メクラカバーのボルト、ここは10mmなんだよね。
サイズを変えておけば、間違って外すことがないからだろうか?

ハイ、気分転換になりました(笑)。
しかし、あらためてこの位置にブリーダーがついてると、肘や膝に急所が着いているみたいでコワイかも…

いつまで経ってもラチがあかないので、今度は注射器に入れたフルードをブリーダーから注入してやることに。

しつこいエア噛みには、これが効く。
おいちゃんのように、ひ弱な中高年ライダーだとブレーキレバーをニギニギしているうちに、下腕がパンプしてくるから、なおさらである。

やり方は難しくないけど、注射器の中にエアが混入していると無意味なので、ナースやドクターのように空気を出してから、ブリーダーにつなぐ。
注射器から注入する時は、リザーバータンクのフルードは、ほとんど空で大丈夫。
下からどんどんフルードが来るんで、エアを噛む心配はない。

あとはピストンを押しながら、ブリーダーを少し開く。
途中、ブレーキレバーをニギニギしながら、エアの抜けをチェック。
耳を澄ますと、リザーバータンクの近くから、コポコポという音が聴こえる。
ホースが液体で満たされていれば、音はしないはず。
実際、この音が聴こえなくなると、突然レバーに「コツン」と手応えが来るはず。

ダメだったら、ブリーダーからホースを外してやり直し。
ちなみに、リザーバータンクの量には十分注意しないと、下から注入されたフルードが溢れ出てしまうので、視線は常にリザーバータンクに。

3回目くらいでエアが抜け切ったので、まあ良しとしましょう。

ちなみに、注射器を使って古いフルードを抜く方法もあるけど、あまりオススメできない。
注射器に負圧を発生させることで、キャリパーからフルードを抜くのだが、緩めたブリーダーの脇から空気を同時に吸ってしまう。
注射器を使うなら、下から上にやった方が良いと思う。

ついでにリアブレーキのフルードも交換。

こっちは、ホースも短いせいか5分くらいで交換終了。
書いてしまうとあっという間だが、段取りが悪くて、作業自体は数日かかったという(平日の夜に作業してたので)…

当たり前だけど、ブレーキフルード交換した後、いつものように走り出してはいけません。
ブレーキが効くことを確認してから、乗り出しましょう。

そういえば、大昔、何か整備してもらうのに自転車屋に行って。
作業が終わって店から出て、しばらくして、下り坂でスピードを落とそうとしたら、フロントのブレーキがついてなくてメチャクチャ焦ったことがあった。

「くそー!自転車屋め!」
と振り返ったら、店員が汗だくで追いかけてきていた。
「お客さん、すぐに追いかけたけど、ものすごい速さで走ってくから…」
笑い話で済んだけど、そんなこともあるんで気を付けましょう。

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