2021年02月21日 Z1R純正マフラー再塗装

Z1R-II

今シーズンの雪はバイク乗りには手ごわい。
ドカンとまとめて降り、圧雪が分厚い氷になり、なかなか溶けてくれない。
2月だからしょうがないのだが、それでも時折「4月上旬の天候」という日にぶつかることもある。
待ってました!とばかりにロードへ繰り出す連中も多いが、今回の「丁度いい日」は整備に当てることにした。
冬の間にやろうと思っていたマフラーというかチャンバーの再塗装だが、気温が1ケタだと本当に何もやる気が起きないので、こういう天気を狙っていたのだ。
雨が少しパラついてきたが、気温は申し分ない。

順番にエキパイの根元を緩めていく。
…のではなく、すべてのナットにソケットが入るか、カジリがないかを確認しているのだ。
考えなしに外していって、最後のひとつかふたつのところで工具が入らないとか、ナットがカジって回らない場合、1本か2本のスタッドボルトで重いエキパイとマフラーを支えることになる。
親指と人差し指で長い棒を持ったら、支えられないのと同じ理屈。
指なら離せば終わりだけど、スタッドボルトはポキリと逝ってしまう。
Z1Rについてしかお話できないが、まずはマフラーから外していく。

抜いたマフラーは、傷がつかないように安置。
お手伝いさんがいたら、マフラーの裏側についた汚れを落としてもらうとよいでしょう。
もちろん『空冷Zとの戦い』は孤独のメンテなので、基本はソロです。

そしたら、ジャッキで弁当箱みたいなチャンバーを支える。
こうしておけば、スタッドボルトに負担をかけることなくエンジンからエキパイを外せる。
Z1Rは弁当箱を2本のボルトでマウントしているので、何かあってもスタッドボルトにテンションがかからないように作られている…というのは、今日初めて知った(笑)。
エキパイのナットを全部抜いても外れないので、メチャクチャ焦った。
そして、おまけにボルトが1本何処かへ脱落しており、マウント用のラバーも無かった(笑)。
どっちにしてもラバーも生産終了品なので、何か別のパーツで代替するしかない。

外したエキパイ+チャンバー。
レストアマニアには嬉しいヤレ具合だが、こちとらやりたくてやっているわけじゃないのでゲンナリ。
そして、家からバイクを出す時、ちょっとスロープで下を擦るんだけど原因が判明。
チャンバー本体じゃなくて、2番3番エキパイを停めるクランプだった。
角度を変えてやればOKでしょう。

まずはサビを落としてやる。
100番くらいのゴツいペーパーでやるのもいいけど、令和の時代に巌窟王みたいなことやっていられないので、インパクトにワイヤーブラシをつけてガリガリ削ってやる。
調子こいて片手でトリガーを引くと、インパクトごと持っていかれるので両手でホールドする。
削ったり磨いたりするものは、しっかり固定する。
こいつは、足で踏みつけて固定すればOK。

ある程度、頑張ってみたんだけど、だんだん疲れと飽きが。
こういう作業は持久力と集中力の勝負なので、クスリ(ケミカル)の力が使えるなら、そっちを選びましょう。
塗膜もワイヤーブラシが入らない部分は「塗料はくり剤」を塗りたくって、スピード重視。

まあまあいい感じ。

もはやメッキしたようにしか見えないのは、だいぶ視力が落ちたからでしょうか。
謎のオブジェにしたかったわけじゃなくて、水洗いしたので乾燥させているところ。

何かに使って半分くらい余っていた耐熱塗料があったので、これを使ってみる。
半端なスプレー缶を次回も使えるようにするには、使い終わった後、逆さにして何回か吹く。
ノズルの中にたまった塗料が逆さ噴射で飛ばされ、目詰まりを防ぐのだ。

こういう部品なので、多少下地が荒くても気にせず塗ってしまう。
ダメになってきたら、また塗ればいいわけで。

この耐熱塗料は1回塗ったら30分くらい置いて、また重ねて…を数回繰り返せ、と書いているので、言われた通りに重ね塗り。
そんなに厚ぼったい塗膜にならない感じ。
それよりも、このマフラーやエキパイのサビを何とかしたい。

いまではイロイロなケミカルやら専門の工場があるので、昔よりはケアできるんだろうけど。

乾いたら、外した順番とは逆にパーツを組み付け。
エキパイが拘束されているのは、作業中にホルダー(フランジ)が脱落しないように。
いつものことだけど、どれがどこについていたのか、うろ覚え。
エキパイの2と3番にも微妙な違いがあって焦る。
マニュアルを見たら「裏に刻印がある」と教えてくれたので一安心…と思いきや、刻印は見当たらず。
ダメならまたやり直せばいいや、と適当に組み付けていく。
一応、チャンバー側のクランプは緩めておいて、スタッドボルト側で固定できたら、増し締めすることに。

ちなみに、これが展開図。
単純な造りに見えても、オートバイはいろいろな部品で構成されているのが分かる。

マフラーの中から、謎の遺物が出土。
ガスケットの類らしいけど、どう頑張っても「元通り」にならないし、こんなパーツじゃないハズ。

本来はコレ。
鉄製の輪みたいなものだが、買うと1個2600円以上もするので却下。
抜けてこなければ問題なし。
組み付け時の写真は、ありません(笑)。

耐熱塗料は高温で焼いてやらなければならないので、とりあえず、近所をひとっ走り。
スタートが遅かったので、すでに夕暮れが(笑)。
おまけに、どこかのホルダー、組み付けがイマイチだったらしく「パスパスパス…」と排気漏れが。

作業は深夜にまで及んだ。
とか書けばカッコいいかもしれないけど、5分くらいであっさり解決。
それより問題だったのが、塗膜がまだ柔らかいうちに、田舎道をバンバン飛ばしたら、表面に小石がいくつも突き刺さっていたという…(笑)
走っているうちに、いつか取れるでしょう。

今回、久しぶりにエキパイとマフラーを組み付けてみたけど、純正マフラーは重い(笑)。
ちょっと前に近所のカワサキ乗りが持っていたチタンEXを持たせてもらったけど、感覚的にはマフラー1本の方が重いんじゃないのか?というくらい。
集合を入れれば必然的にセンタースタンドも外れるわけで…試したいよね(笑)。
ちなみに、ホイール、マフラー、タンクを変えたら、当たり前だけどメチャクチャ軽くなる。
その代わり、メチャクチャお金がかかるけど(笑)。
がんばって働きます。

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