2020年 7月 5日 燃料計のメンテナンス

コロナ禍に見舞われて以降、何故か毎週のようにマシンをバラしている。
だいたい土日に駆り出される競技の方が、コロナの影響でまるっきり止まっているので、独りで黙々とできるのがバイクいじりだから、というのもあるけど。

今回のネタは燃料計。
何かの時、あちこち配線をいじって以来、どうも調子が悪い。
いつも燃料計が満タンを指している。

これじゃ、いつガス欠になってもおかしくない、というわけで…


「SP武川のコンパクトLCDフューエルメーター」
を購入!
電圧計に続いて燃料計もデジタルになりました!!

と言いたいところだが、コロナ禍のいま、遊びにお金はかけられないので、いつも通りの「ゼロ円整備(ホントは前に買った在庫を使うから、ゼロ円ではない)」。


何が悪いのかを調べるのに、関係しそうなパーツを取り出す。
まずは、フューエルレベルセンダーでしょう。

何でこんなに錆びてるの…!?
と、驚いた方もいるでしょうが、コレは1996年の11月、シドニーで「売ります・買います」の新聞広告を見て購入したZ1Rのタンク。

すっかりホコリをかぶってる。

もはや出土品レベル。
これでも、錆を落として再塗装すると、ピカピカになるんだからね。
これ以上、朽ち果てないようにしないと。

何でこんなのを引っ張り出してきたかというと、もしかしたら、こっちのパーツの方が程度が良い可能性もあったから。
んなバカな、と思うかもしれないが、見た目はスクラップでも中身はマトモという場合があるんですよ。

フューエルレベルセンダーを取り出すには、滅多に使わない8mmソケットを使う。

これが燃料の量をメーターに伝える装置。
バイクもクルマも基本的に造りは同じ。
タンク内のフロートが上下することで、可変抵抗器の抵抗値が変化して、それによってメーターが変動する。

ツッコミどころ満載の図だけど、意味合いはこういうこと。
抵抗の値が大きくなれば、電球の光は弱くなり、抵抗がゼロになれば、強く光るのと理屈は同じ。
水門みたいなものである。

可変抵抗の値を変えるのがフロート。
アームの根元が金属製のハコに繋がっていて、この中に可変抵抗器が収まっている。

可変抵抗がパーになってると、まともな信号がいかなくなる。

サービスマニュアルによれば
満タンで目いっぱいフロートが上がると0.5~5.5Ω。
空になってフロートが下がると102~118Ω。
随分と幅があるけど、そんなものなんでしょうね。

これがフロートが落ちたところで、タンク内のガソリンがゼロの状態。
114.7Ωなので規定値範囲内。

やや極端だが、満タンになったところ。
これも、また範囲内なので、悪くはない。

出土品の方も調べてみたけど、こちらもそんなに悪くなかったのだが、今回は出番なし。

ただ、従来品はメインハーネスに繋がる配線が、やや接触不良気味。
配線をグニグニ動かすとテスターの数値が大きく変動する。
後々のために、ここは新造してやりましょうか。

メーターに繋がる配線はフューエルレベルセンダーに直づけされているので、半田ごてで溶かして抜き取る。
ちなみに大昔のはんだは、融点が高いらしく、なかなか溶けてくれない。
ブーストついた半田ごてで溶かして、古い配線を抜き取る。

アース線は小さな丸型端子をネジ止めしてるんだけど、固着気味。
ラジオペンチで挟んで回したらパキっ!と回ったので、ネジロック入れてたのかも。
バラシを想定していないパーツだろうし。

あとは同じような長さに配線をカット。
端子をつけて、カプラーに入れたら終了。

実は作り直したので、写真は2セット目。
前よりも、5センチほど長めに作ってカプラーの結線位置を後ろにずらす。
さあ、これでどうでしょう?

配線を新造したが、症状は改善しない。
何度もタンクからパーツを取り出して抵抗値を計測。
こっち側には問題ないと判断。

Z1R乗りなら誰もがイヤな「カウル外し」によって燃料計自体をチェック。
サービスマニュアルによれば
「茶と黒/黄の抵抗値は60~80Ω」
と書いてある。

図の通りにやってみても、その抵抗値にならない。
サービスマニュアルと現物を見比べること数分。

サービスマニュアルは左の端子に茶色の線が来ている。
我が家のZは右のボルトに結線。

これはもしや、結線ミスでは?
端子を兼ねたスタッドボルトから丸型端子を外して、入れ替えてやる。
すると燃料計がゼロを指している。
空のガソリンタンクを入れているのだから、当然である。

キーをONにしたまま、ガソリンをタンクに注入してやると、どんどん燃料計の針が右に傾いていく。

ガビーン(死語)。
いったい、いつ間違えたんだろうか…?

言い訳させてもらうと、Z1Rの燃料計っておかしな造りなのよ。
どこにも固定されるわけでもないのに、スタッドボルトが端子になっている。

画像はオークションサイトから拝借。
左が茶色(12V電源)。
右がフューエルレベルセンダーの線に繋がる。

昔、自分で作ったマニュアルには、どうやらそういう風にメモしていたけど、バイク屋に置きっぱなしにしてたら、東日本大震災の津波と共に海の藻屑となった。

このボルトの先が何かに触れたら当然短絡。
謎の作りだけど、昔のメーターってこういうのが多いのかな?
剥き出しのままじゃ危ないので、ホームセンターお馴染みのピンクの燃料ホースでボルトを隠しておく。

少ない時の燃料表示はいいとして、満タン近くになっても満タン表示にならない。
いま9割近く入っているはずなのに、表示は3/4。
デジタルメーターだと補正できるけど、アナログではこれ以上、やりようがない。
どうやら、実際に入っている量より少なく表示しているので、まだマシかと…
 
これが逆だったら、ガス欠との戦いになるし…
いつものように「まあ、こんなもんでいいでしょ」的に終わらせる。
 
そして、この配線新造により、メインハーネスから伸びるサブハーネスを含めたすべての配線が全て入れ替わった。
多分、オリジナルの配線、ついてないんじゃないかな。

ヘッドライト周りはMk-2ベースだし、ウィンカーもブレーキライトも違うものが入ってる。
ブレーキのスイッチハーネスはオリジナル?
せいぜい、そんなところでしょう。

てことは、もはや見た目はZ1Rだけど、正確にはZ1Rじゃない。
何をもってそのバイクというのか分からないけど…
ちょっと前に流行った「テセウスの船」だよね(笑)。

そういえば、燃料タンクを空にする機会があまりないので、燃料コックもメンテしてやることに。

こんな燃料コックあった?
と思うかもしれないけど、純正ベースのカスタム。
社外キャブにするとON/OFFのツマミがキャブに干渉するためだ。

普通はピンゲルなどの有名どころを使うのだが、どうしても燃料コックごときに1万円を使いたくない!
ていうか、使えない(笑)!
1万円を1000円の感覚で使えるようになったら、ピンゲルを買おうと思いつつヤフオクで出て来ないから、純正を改造したわけ。
作り方は簡単。
ぶった切ったツマミに樹脂を盛り付けて成型しただけ。

この頃、動きが渋くなったツマミのOリングを新調してやる。
古いパーツも弾力あったような気がしたんだけど、せっかくなので交換。
ホントに変えた方がいいのは、ガソリンタンクとのOリングだけど、何故かここの在庫は持ってなかったので次回にでも。