Kawasaki Z1R のクラッチレリーズ交換 | 空冷Zとの戦い Kawasaki Z1R ブログ

2021年10月31日 Z1R クラッチレリーズ軽量化

Z1R-II

十数年前、バイクから離れて車検も通さかった時期があった。
ブランクのせいなのか、クラッチを切る時に手首の腱(筋)が痛み出して大変だった。
PMCのイージークラッチキットを購入したらどんなものか?
と山形に住む空冷Zの大先輩に相談したところ「空冷Gpzのクラッチレリーズはボールベアリング式だから、純正流用してみては?」とオススメされて装着したのが2010年。
もはや10年以上経っているとは驚きだ。

J系クラッチレリーズを流用する方法

PMCのイージークラッチキットを空冷Gpz…つまりJ系の純正流用でやっているだけなのだけど、ポン付けできないせいか、あまりWeb上でも出てこない。
Z1~Mk2(Z1R)までの初期ZにGpzを含めたJ系のパーツを組み込む方法はこんな感じ。

1.カバーの形が違うので、端っこを似たような感じに削る。
2.ボルトのピッチが微妙に違うので長穴加工する。
3.長穴加工した部分に使うボルトの長さが違うので、長いボルトを探してくる。

と、書くのは一瞬だけど、カバーの成型、長穴加工などの切削加工が必要なので、フライス盤などを持っていないサンメカには難易度がグっと上がるカスタムプランである。

ボールベアリング式に訪れるトラブル

大喜びでつけたハズのJ系クラッチレリーズだが、うまいこと機能してくれないことがある。
クラッチケーブルのせいなのか、プッシュロッドの長さのせいなのか、個体差の影響なのか、だんだんとルーズになってきて、クラッチが切れなくなってしまうほか、ニュートラルに入りづらくなる。
特に、渋滞で何度もレバーを握っていると、特有の「病気」が発動するらしく、先日も渋滞でストップアンドゴーをやっている間に症状が出始めた。

こないだのは特別ひどく、クラッチを握ってもプッシュロッドを押し切れなかったのか、そのままズリズリ走り出して、クラッチが切れないものだからニュートラルにも入らず、はじめてキルスイッチを緊急事態で使用した(本当はこれが正しい使い方)。

よそのブログで見る限り、ボールベアリング式に換えたオーナーたちが抱える症状の様子。
しばらく走り出してエンジンが暖まってくると発生するのは、熱膨張によって冷間時とのクリアランスが変動するからなので、それ自体は不思議なことではないようだ。

そこまでひどい状態が再発したら厄介だ。
すぐに寄せられる場所があるならまだしも、前にも先にも行けないようなところ、上り坂の途中でそんなことになったら…

Z1R純正スプロケットカバーに戻してみる。

先日、クラッチがイカれた場所というのが「上り坂」「渋滞」「一方通行」「駐車場待ち」という逃げ場のない状況だった。
駐車場到着まであと少しだったので、車列の脇をすり抜けて広い場所に逃げられたから良かったものの、前にも後ろにも行けないところだったら危うかった。

なので、再度Z1R純正に戻してみる。
純正のクラッチリレーズは何処かへ紛失したらしく、随分前にオーストラリアの友人が来日した時に持ってきてくれたクラッチレリーズを使用する。

どこのメーカーの製品か謎。
単なるZ用パーツ、としか分からない。

長いこと書斎の茶箪笥に放り込まれていたもの。
一時は返却しようと思っていたのだが、ありがたく装着してみる。
M6の10mm六角穴付ボルトはネジネジ箱のストックから。

Gpzのクラッチレリーズと比較すると、こちらの方が回転軸からケーブルを引っ張る部分の長さが短いので、やはりこれまでよりも強い力が必要となる。

とはいえ、走り出して流れに乗ってしまえば、左手に辛さを感じることは無い。
が、信号待ち、渋滞でのノロノロ運転に突入すると、やや厳しいか。
これがしばらく重なって、細かいクラッチワークが必要になると左手にダメージが蓄積されていくのが容易に想像できる。

昔、あまりの痛みに、クラッチレバーが握れなくなったことがあった。
その時は、左手をCの字に固定して、肩と肘でレバーを引いていた。
おそらく腱鞘炎の一歩手前だったのかもしれない。

そして、いっぺん楽を覚えた人間は、とことんまで「楽したい」と考えるものらしい。
性懲りもなく、もう一度どうにかしてみることに(笑)。

リリースコンプ、リテーナーを純正新品に交換してみる

リリースコンプ 13102-1012に置き換え

とある信頼できそうなショップの作例のパクリなのだが…
Gpz1100Fなどのストローク量が長いレリーズは確かに動きは軽い。
その分、引きしろが減り、つまりはプッシュロッドを押し込む量が減ってしまうので、うまくクラッチが切れなくなる…

という説をもとに、Z1000Rのパーツに交換する作例があった。
なるほど、それは一理ある。
それにしても、車種によってリリースコンプの長さが違うことを知らなかった。
早速、パーツを購入してみる。

13102-1012 リリースコンプ クラッチ
古いリリースコンプとの比較。プッシュロッドとの距離が全然ちがう。

比較して初めてわかる違い。
ちなみに、クラッチワイヤーの端部からの第一関節(?)までの長さは、だいたい22mmで共通している。

で、新品のパーツを組み込み、ドキドキワクワクしながら試してみる。
悪くても純正より重くなることは無いだろう。

と、思いきやビックリするほど重くなる(笑)。
どれくらい重いかというと、体感的には、純正品とほとんど変わらない。
ワイヤーの引きしろが増えた分、プッシュロッドを押し込む量は増えるんだろうけど…

これだったら、わざわざ高いお金を払ってイージークラッチキットを購入したうえ、いちばんのキモであるリリースコンプを純正品に換える意味がないのでは?
もしかしたら、純正品よりも若干軽くなるのかもしれないけど…お金を払った分の効果があるかといわれたら疑問。

現に、Z1R純正スプロケットカバー&例のレリーズで試してみたが、正直なところ体感的には違いが分からなかった。
そりゃそうだ。
Z1R純正についているパーツと、今回購入したZ1000Rの純正品、どちらも長さは同じくらい。
つまりは、引きしろが一緒ということは、プッシュロッドを押し込むために使う力はそれほど変わらない、ということになる。
ということは、ボールベアリング式にするのは無意味なのではないだろうか?

上がボールベアリング式の純正新品、下がオーストラリアからやってきたモノ。サイズは一緒。

リテーナ クラッチリリース(14020-1091)、衝撃の事実

そもそも、球がカツン、カツンとずれたような音は何なのか。
以前から気になっていたのが、3つの穴が開いたこのパーツ。
ボールベアリングを支持するパーツなのだが、昔、何かの拍子で純正のボールを失ってしまった。
しょうがないので「きっとこのサイズだろう」と7mmのボールベアリングを購入して使っている。
それが正しいサイズなのか分からないが、我が家のZ1Rは7mmボールが素通りしてしまう。

7.5mm、8.0mmでは、いかに?

7.5mmでも素通りする…では8.0mmでは、どうなの?

8.0mmを通してみて気づいたのだが、ベアリングを受ける部分の穴がご覧の通り、それぞれ違う感じだから、もはや使用限界を超えているのだろう。
ちなみに7.5mmのベアリングをつけて組んでみたら、以前よりは悪くないみたい(感覚的だけど)。

というわけで新規購入。
部品番号は、92045-1001から14020-1091に変更されていて、J系の車両だけではなく750FX-IIやZ750Tなどの後期モデルで共通らしい。

新品はこんなにもキレイなうえ、ベアリングもちゃんと付属している。
それにしても、袋の中でベアリングが脱落しないなんて立派な新人である…?

あれれ?ベアリングが外れない?
という小芝居を打ちたくなるほど、驚いた。

なるほど…薄い鋼板を2枚張り合わせ、わずかにせり出した板同士でボールベアリングを支持しているわけね。
今思えば、ベアリングを支持するパーツが2枚合わせの時点で気づけないのがザコ…
中古部品しか見たことが無い悲しさよ…

このパーツを新品に換えても、テコが短い方(13102-1012)を装着してクラッチを握ると重い…
そして、もう一度言うが、わざわざ短いパーツを購入してボールベアリング式を選ぶ意味はない。
何万円もするパーツではないけど、劇的にクラッチが軽くなるわけではない。
だったら純正のまま、もっと左手を鍛える方が前向きなんじゃないだろうか。

と、思いながら、『リリースコンプ』を最初についていた長い方に戻してみる。
やはりというか、劇的に軽い。
おそらくビジュアル的にはPMCのイージークラッチキットも長さが同じだから、感覚は似ているだろう。
この軽さだったからこそ、細かくシフトチェンジが必要だったダートの峠道、白神ラインも超えられた気がする。

そして、再度路上テスト。
出来るだけ早くエンジンを暖めて、クラッチ切れが悪くなるシチュエーションを作ってみる。
すると、思いのほか早くから症状が出始めた。
気づいたのは、赤信号や一時停止などでシフトダウンして完全停止、1速からニュートラルに入れる時。
だんだんとNへの入りが渋くなるというか、力いっぱい踏み上げないとギアが抜けなくなる。

いったん路上から戻り、エンジンが暖かい状態で微調整。
再度アジャスターをいじって、プッシュロッドの当りを強くしてやる。
クラッチレバーに指を添えながら調整すると、レバーがピンとしてくるから分かるハズ。
これで再度エンジンをかけてみる。
ギアチェンジもスムーズになり、クラッチの切れも良くなった。

1000km近く走って不都合はなかったので大丈夫だと思うのだが…
若干、無駄金を使ってしまった(笑)。
リリースコンプの方はメルカリ候補?

いやいや、もし何らかの不具合が出た時、バックアップとして持っておこう。
こういう無駄な買い物が、後から微妙に役立つこともあるんです。

Z1Rのクラッチを油圧化する方法もある

いよいよもってクラッチが重いようなら…
思い切ってクラッチを油圧化する方法もある。

ベアリアスによる油圧クラッチキット STDカバー用
クラッチキットが14,000円(税別)。
水冷Z用の油圧クラッチレリーズ(13231-1068)が約7,000円ちょい。
マスターシリンダーとクラッチレバーが一緒になったのが、約10,000円。
メッシュホースが5,000円くらいでオーダーできる?

ということは40,000円くらいあれば、油圧化できる。
しかもSTDルックスなので違和感も少ない…
ハズが、この40,000円がなかなか捻出できないのが貧乏ライダーの悲しいところ。

おまけ:スプロケットカバー ボルト類の新調

ところでスプロケットカバーを固定する4本のM6ボルト。
125mmが2本、71mmが2本、純正品が廃盤になっている。
案外、簡単に入手できそうなのだが、部分ネジでこの長さ、というのがなかなか難しい。
サイズやらピッチは分かっているので、ミスミのECサイトから発注。
ついでに、どこかへ行ってしまって、これまた入手が難しいテールランプのカバーを止めるネジも一緒に発注。
不人気商品は高額になりがちで、スプロケットカバーを止める長いボルトは1本200円以上だった。
1000円が2000円になるようなら考えるけど、単価が安い商品なので…

別に何でもいいんでしょうけど、テールランプカバーを止めるボルト。
キャップボルト。

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