2021年05月05日 Z1R、再び不動車になる | 空冷Zとの戦い Kawasaki Z1R ブログ

2021年05月05日 Z1R、再び不動車になる

Z1R-II

太平洋→日本海の爆走ツーリングの悪影響なのか。
翌日、一瞬火が入ったきり、うんともすんとも言わなくなったZ1R。
まるで「燃え尽きてしまった」矢吹ジョーのように。

2番と3番のエキパイを触ってみると、冷たいまま。
火が飛んでいればキャブのせい、火が飛んでいなければ電装のせい。
プラグコードにチェッカーで調べてみると、ややおかしい。
昨年の春と同じ症状だ。


IGコイルを外して1次・2次抵抗値を計測するも、DYNAのマニュアル的には正常値。
バッテリーを充電しても火花は飛ばず。
Zエンスーの知人たちからは「振動で端子が外れたり、どこかリークしているのでは」とアドバイスをもらい、端子という端子をチェック。

なるほど、怪しげな箇所も見つかったのだが、点火系に影響を及ぼす箇所ではなさそう。
そうこうしているうちに、作業台に載せていたガソリンタンクを床に落としてしまい、ベッコリと凹ませるわ、IGコイルのハイテンションコードを引きちぎるわ、いつにも増して二次被害が拡大。

教訓「作業する際は、周囲を整理整頓しながら」

IGコイルのハイテンションコードは、コイルの向きを変えたことで配線がギリギリだった。
今回も調べてみたら、ダストブーツの中で外れかかっていた。
「ひょっとして、これが原因?」
と配線し直すも結果は変わらず。

それどころか、抜き差しを繰り返していたら、今度はプラグ側の端子が抜ける有様(涙)。
ハイテンションコードだけを購入しようと思ったら、Monotaroで売っていました。https://www.monotaro.com/p/1703/6915/
これを「計り売り」で買えば安上がり?と思いきや1m単位の販売。
 
2本買って2000円(税別)、コイル側の端子も2本要る(約500円)。
問題はスパークプラグ側のパーツが「使い回し」になること。
いろいろ探してみたが、プラグキャップのバラ売りは見つけられず。
だったら、最初からセットになっているモノを買いましょう、と。

一部オーナーの間では有名なガッツさんで購入。
コードの長さは60cmくらい。
本当なら2つまとめてキャブの後ろに移設したいところだが、さらなる出費になるので今回はパス。
いつの日か、ウオタニを導入したら「後方配置」も検討したいけど、次のネタにとっておく。

IGコイルが手元に届くまで、別の作業を続けることに。
次に疑わしいのが充電系。
ステーターコイルの機能チェックである。
前にも散々書いているが、純正だとエンジンの左下側からひっそりと伸びる3本の黄色い線。
線はステーターコイルに繋がっており、3本それぞれの抵抗値を計測することで検査できる。

Z1000Mk2など角Z系のエンジンの場合、サービスマニュアルによれば0.46Ω~0.70Ω。
我が家のZは0.8Ω。
出土品の予備パーツも同じだった。
コンマ1Ωの「はみだし」が、どれほど影響を及ぼしているのか。
このくらいは誤差の範囲内ではないだろうか。

抵抗値が無限大、無反応だと断線していることになるので、そちらの方が深刻。
また、エンジンがかかれば、4000RPMでAC(交流)50Vを計測すれば「エンジン側」からのエネルギー供給については問題ないと判断できる。

これまたエンジンが起動してからだが、発生した交流電気を直流に整流する「レギュレーター」の機能をチェックする必要がある。
エンジンがかかっている状態でコネクターを外し、バッテリーへ還元するエネルギーを計測するのだ。
これが11Vだの12Vでは、バッテリーが供給する電力を補えないので、次第に「貯金を食いつくす」ようになる。
かといって、16Vだの17Vになると完全な供給オーバー。
バッテリーを損傷させてしまう。
もちろん、この場合は十中八九レギュレーターが破損しているだろうから、即、交換しないとバッテリーも道連れとなる。
MOSFETレギュレーターだと、14.5Vくらいが正常らしいので、そこを軸にする。

そういえば、1年前もこのパターンでドツボにハマったのだ。
いまの予想では、火が飛ばないのはバッテリーのエネルギーロスだと思っている。

そこで、以前もよくやったようにジャンプスタートを試みる。
昔、クルマがガソリン車だったので容易にジャンプスタートが可能だったが、ハイブリッド車だとそれが出来ないので、今回は昨年引退したバッテリー、現在使用中のバッテリーともども再充電。
何をやるかというと、バッテリーを並列接続、エネルギー供給量を増やしてエンジンに火を入れる、というSFアニメのような作戦である。

大して大袈裟なものではないが、間違っても直列に繋がないように。
バイク乗りだもの、それくらい大丈夫でしょう、と思うなかれ。
若い頃、自分よりもはるかにバイク歴が長い知り合いから「キャブはどの辺に着いているんだい?」と聞かれて驚いた記憶がある。

それからバッテリーを連結する際、細い配線でつなぐと燃えます(笑)。
火は噴かないまでも、煙ぐらいは。
バッテリーターミナルに繋がる線の太さ、わざわざあのサイズにしているのは、あれじゃなければもたないからで、ジオン公国のモビルスーツも「あんな太くて目立つパイプを外に出したらアカンやん」という声もあるけど、あのサイズじゃないとダメなんでしょう。

市販のジャンプスタート用のケーブルくらい太い線で結線した方がよい。
そして確実に結線しないと、作業中に外れて+側の線が-に触れて、やっぱり火花を散らして、何故か近くの油脂類に引火して火事になる、なんてこともあるので。

しっかりと安全確保したらIGオン、スイッチを押すとセルが回り、無事に火が入りました。
ということは、結線に問題があったわけではなく、バッテリーの電圧がオカシイということに。
またもバッテリーを買い替えなのか?と頭を抱えていたら、またもオーバーフロー。

始動後たった数十秒でオーバーフローということは、やはり問題なのだろう。
1年前、あれだけキッチリ清掃して、さらにはFuel 1まで投入したのに?
いろいろ疑念は湧いてくるが、とにかくキャブをバラしてみることに。

DIY整備やってる感はビシビシ伝わるんだろうけどキャブのバラシは基本的に大嫌い。
DT125Rのような単気筒は、部品点数少ないから良いんですよ。
つけるのも外すのも楽だから。
4気筒は単純に4倍だし、スロットルワイヤー外すのも付けるのも大変だし、いちばんしんどいのはキャブをエンジンに戻す時。
インシュレーター(ゴムのパッキンみたいなの)が新品で硬いと、素手では無理。
潤滑剤塗って、当て木みたいなの使ってグイグイと押し込んでやらないと、まず入っていかない。
ベルハンマーがあるおかげで、だいぶ楽になったけど。

外したキャブはひっくり返すと、フロートに溜まったガソリンがジャンジャン出てくる。
ガソリン、思いのほか、広範囲に揮発するので火気厳禁。
衣類の静電気で着火する可能性もあるので、抜いたガソリンの扱いは要注意。

キャブの屋根を取っ払い、スロットルのリンクが当たらないよう土台をかませる。
よくバラす人は、こんな風に土台を常備していくとよい。
昨年の今頃も同じことをやって、同じことを書いているんだけど、大事なことなのでポイントを書いていきましょう。

2番キャブからオーバーフローしている痕跡が。

手始めにフロートのネジを外すんだけど、この時は押しが70%~80%、回しが20%~30%の力で。
すんなり外れる時は意識しなくてもネジは回ってくれるが、固着気味になっていると男の力でもビクともしない。
たいていの成人男性の腕力なら回るんだけど、力が入りづらい位置にネジがあったりすると、つい回す方に力を入れて、最終的にはネジを舐めてしまう。

ぶっ叩いても大丈夫なパーツだったら、貫通ドライバー+ハンマーで衝撃を与えながらネジを回すんだけど、むろんキャブは精密機械なのでNG。
仮にキャブのような精密機械で固着したら、ラスペネのような潤滑剤を吹き付けて様子を見る。

もしくは煮るとか焼くとか、温めて緩ませる。
もちろんガソリンが残っている場合は火気厳禁なので、熱湯をぶっかけたり、大鍋の中に突っ込むというのもアリ(Oリングや樹脂パーツを傷める場合があるので、要注意)。
熱湯によってワニスも大半が溶けてくれるので、一石二鳥だったりする。

日頃の指導がよろしいせいか、どのパーツもおとなしく外れてくれた。
ジェット類などの「小さな経路」がキモのパーツは先述の通り、グツグツと煮込んでやる。
煮込む、というのは言葉のアヤ。
実際は「湯通し」くらいの感覚。
Oリングや樹脂系のパーツは湯通しできるのか?という問題だが、Oリングはオイルフィルターやドレンボルトのように、常に熱湯以上の温度に晒されているため基本的には大丈夫。
樹脂、プラスチック類はモノによっては熱で変形する可能性もあるので、要確認。

パーツは何で気筒ごとに分けた方がいいのか、聞かれたのだが
「こうしているとバイクを整備しているっぽく見えるから」
ではなく、問題があった箇所を可視化するため。

極論、何の問題も無ければ、洗浄ケミカルが入った容器に外したそばからドンドン突っ込んでやればいいのだが、こういう重整備する時は何処かがオカシイからであって、正常ではない部分を見つけるには、整理した方が好都合。
同じものが4つ並んでいるだけなのに、ひとつだけおかしかったら、そこを重点的にチェックすればいいでしょ?

穴の通り具合を確認したら、脱脂した後、エアで吹いてから組み付ける。
急ぎ慌てたり、グイグイ締め付けると、ネジ山やキャブ本体を破損させる。
最初は手や指で締め付け、締め込む時に工具を使うのはスパークプラグと同じ。

それでもよくやるのが、パイロットスクリューの締め込み過ぎによるニードル破損。
正確な『戻し量』を気にし過ぎて「ゼロ位置」を探ってグイグイと締めるんだろうけど、大事なのは戻し量だから、指で回って停まったらそこがゼロ、くらいの感覚でいい。

あと、これも構造上ありがちなのだが、フロートをマウントするのにシャフトを圧入する際、ハンマーで強くたたき過ぎてマウントを折ってしまうトラブル。
これをやると、もう溶接屋に持っていくしかない。

スムーズに入らない時は、少しペーパーで磨いてやるとか、オイルで滑りを良くしてやるとか。
でも、たいていの場合「手順を間違えている」か「何かを見落としている」か。

とかやっているうちに、テイラーコードが到着。
1本2000円近くする高級配線(涙)。
プラグ側のキャップと端子は出荷時に組み込まれているが、反対側は切りっぱなし。
長さは600mmちょい。
カシメ金具とダストブーツが付属。

コード自体は、それこそリールでも売っているが、カシメ金属とキャップのバラ売り情報がない。
IGコイル側のカシメ金具は単品でも売っているのにね。
切らないで使えば、IGコイルをキャブの後ろに配置してもいいんだけど、今回は定位置に納めるのでカットして使用。

分かりづらくて申し訳ないが、何回か線を這わせて実寸計測。
チキンハートなので線は長めにカット。
圧入は配線をカシメた後、ペンチやプライヤーでカシメ工具を軽くはさみ、ペンチをプラハンでコツコツと叩いてやるとカシメがコイルの中に納まる。
伝わりづらいけど、こんな感じ。


カシメが悪かったり、叩く位置が悪いと…こうなって手遅れに(笑)。

本当ならエポキシ樹脂で固めたかったんだけど、無くしてしまったらしいのでプラリペアで。
機能的に問題の無い場所だったので良かったけど、電極側までやっつけたり、IGコイル自体が真っ二つになったら、もう棄てるしかない。
念のためテスターで計測してみたら、通電しているし大丈夫…のはず。
キャブもOHしたし、配線も直したし、あとはエンジンに火を入れるだけ。

死んだバッテリーと死にかけているバッテリーを連結。
でも、再充電したし、こないだも火が入った。
セルを回すと、さすがに2連装、ものすごい勢いでセルが回るのだが…
火は飛ばず!!
テスターでバッテリーの電圧を測るも、13Vに到達していない…!
何で~?

続きたくないけど、つづく