2021年09月15日 Z1Rのクラッチ修理

Z1R-II

先日、若干の遠出により発覚した推定「クラッチのトラブル」。
本来であれば、もう少しチェックを重ねて結論を出したかったのだが、連休にロンツーを予定していたので、とにかく早くエラーを潰したかったのだ。

というわけで、今回もまたMoto Garage WINDS に泣きつく。
「そんなに急いでるなら、必要なパーツは自分でそろえて持ってきて」
というので、まずはパーツ発注。
本当はアフターパーツで安く済ませたかったんだけど、納期の都合上、純正品を選択。

そしてセコいことに「鉄板(クラッチプレート)の方は、そんなに減らないから要らないんじゃない?」と、オーダーしたのはフリクションプレートと、念のためにクラッチスプリング。
クラッチスプリングも、そうそうヘタるものじゃないんだけど、せっかくなので交換(それならクラッチプレートもでしょ、と言われそう)。

交換したのは以下のパーツ
1308-8030  フリクションプレート
92081-1033 クラッチスプリング
11060-1629 ガスケット

以上が、クラッチ周辺を交換する際に最低限必要なパーツ。
それから、エンジン下部を開くため、必然的にオイルも必要。
左側に少し傾けてやれば、オイルはあまりこぼれなくて済むのだが、それだったら全交換した方がよいのでオイルとエレメントも交換してもらう。

1日でも早く作業したい場合、どこに発注するかがキーポイントになる。
個人の感想だけど、比較的迅速なのはWebikeだと思う。
アタシはフリーで仕事している都合上、業販的な感じでいくらか安く購入することが出来るんだけど、通常は顧客から発注があった後、メーカー(もしくは卸)から取り寄せてからの発送なのだが、Webikeはどうやら倉庫に一定数の純正部品をストックしているらしく(ちゃんと在庫数まで出る)、ワンストップで発送されるので翌日には手元に届く。
定価販売とはいえ一定額以上の購入で送料無料になるので、そこはありがたい。

到着したパーツたち。
前も言ってるけど、カワサキの純正部品って色味というより色気を失った気がする。
紅いロゴに「Let the good times roll」とか書いているコピーが良かったんだけど、オフィシャルサイトもカタログからも紅い字は消えちゃったからね。
スプリングだけは以前に造られたものなんでしょう。

パーツの入ったハコを括りつけ、Moto Garage WINDSに直行。
途中でおかしなことになるのではないかとヒヤヒヤしながら走ったが、とりあえず無事に到着。

着くや否や、オイルを落として粗熱を取りにかかる。
自分だったら、絶対にやりたくないけど、プロだからね(笑)。
「あちいよ」と文句を言いながらやってくれます。

クラッチ側のカバーは、若干固着気味。
タオルをあてがって、樹脂ハンマーでコツコツと少しずつ叩いてガスケットを剥がしていく。
この時、焦ってハンマーを力強く振り下ろすとフタが割れてGAME OVERになる。
サービスホール(ドライバーの先端とか入れて分解しやすくする凹み)がないところなので「この野郎」という気持ちになりがちだけど。
アルミのパーツは思いのほか衝撃に弱いので、本当に気をつけて。
コツコツ叩いていくと、やがて音にビビリが入る(ひびの入った瀬戸物を叩くと出るような音)ので、そこまできたら、さらにコツコツ、あちこちの箇所を叩いて剥がす。
この時、脱落してパーツに傷がつかないように、ボルトを1か所、ゆるく止めておくとか、下に何かを敷いておくとよいでしょう。

外れたカバーとクラッチプレート。
紙ガスケットはペリペリと剥がれず、接合面にこびりつく感じ。
スクレーパーで剥がして、蓋の方はオイルストーンでキレイにしてもらう。

スプリングを外したら、いよいよプレートを交換。
見た目ではあまり変化が無さそうだけど、ここまでやったら交換するしかない。
プレートを組み付けるときは、オイルに浸しながら。
「オレはねえ…インターセプター使うんだよね」

「ニューテックのオイルね。それは何か他のオイルには無い秘密があるの?」
「ん…?だってカッコいいべ」
「え?」
「だってさあ、インターセプターだよ?」
「ええ、インターセプターですね」
「インターセプター!いいねえ、インターセプター!」
決して傍で溶剤が揮発したわけじゃないんだけど、こういう感じで作業が進みます。
営業妨害のようなレポートだけど、大丈夫ですからね(笑)。

衝撃的な発言で、肝心の写真を撮り忘れ(笑)。

で、アタシはワイヤー側のお手入れ。
目ざとい方は気づいたでしょうが、FX/Mk-2系のパーツではございません。
J系のパーツね。

パーツは外して洗浄、グリスを入れて組み直し。
特段、異常はなく、動きも変わらなかった。
ここは油圧にしたいところだが、それなりの金額が必要なので「握力」を鍛える方がよいかも。

で、直してどうなったのか。
機械で計測していないから「気分だ」と言われたらそれまでだけど、高回転域に達してもパワーロスはないまま、どんどん盛り上がっていく感じ。
直す前は、かなり前段階でのリミッターが効いているような、そんな感じだったので。

細かい原因までは追究できなかったが、とりあえず直った…ということで良しとしましょう。
備忘録。
帰宅してから撮影したので正確ではないけど、次のオイル交換の目安。

87189kmでエレメントごと交換したので、次回のオイル交換目安は92189km。
サービスマニュアルでは5000km前後、もしくは1年後での交換を推奨している。
1年経つのが早いか、5000kmを走り切るのが早いか…

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